E-M1を使って実感するのは、とても操作性が良いことです。商品撮影をするにしても、ポートレートを撮影する際も、静物を撮る際も、とても快適に撮影することができます。そこで、今回は実際に僕がどうE-M1をカスタマイズしてどう使っているのかをご紹介してみたいと思います。
最初に基本的な設定を紹介
基本的な撮影モードは絞り優先で、低速限界を1/100(E-M1の場合はフラッシュの低速限界設定です)にしてISO感度は基本的にオートです。暗い場所でシャッター速度を1/100以下に遅くして撮影する時はISO感度を手動に変えてシャッター速度の変化を見ながら調整するか、シャッター速度優先に切り替えます。
ピントが合っている場所を色で教えてくれるピーキング機能は常時ONです。ただ、人物撮影を行う時などはピーキングよりもフレームレート高速(電子ファインダーのタイムラグを短くする設定)を優先したりします。
※尚、E-M1は通常の単写だと1/320以下のシャッター速度でシャッター幕のブレが生じるので、基本は低振動モードで撮影します。約5コマ程度の連写も低振動の連写Lが選択できるので、必ず低振動モードで撮影してください。約9コマの連写ができる連写Hは低振動モードがありませんので、シャッター速度が1/320以下にならないように気をつけましょう。
さて、まずはE-M1の画像を見てE-M1のイメージを覚えておいてください。。前面にはマウント横にカスタマイズできるボタンが2つ。背面にはカスタマイズできるボタンが2つ、上面に2つあります(下の画像の③と④です)。
上面のボタン
この画像にすでに書き込んでありますが、上面のボタンの一番押しやすい場所にはISO感度変更ボタンと、ピーキングを割り当てています。通常、マイクロフォーサーズ(以下MFT)のレンズでS-AF[MF]やMFにすると、ピントリングを回せば選択しているAFエリアで拡大表示になります(MFアシスト機能の拡大をONにしている時)。なので、普通の人は拡大の機能を割り当てなくても大丈夫ですが、僕の場合キヤノンのアオリレンズやマニュアルレンズを使うことがあり、マニュアルレンズはピントリングを回しても拡大表示にはなってくれないのであえて拡大機能を割り当てています。
背面のボタン
背面のレバー横のボタンにはAFホームの機能を。以前は、顔認証のオンオフの為にこのボタンにAFエリア選択を割り当てていましたが、顔認証はOKボタンを2回押して右ボタンでON。オフにする時はOKボタンを2回押して左で切り替える方が便利ということに気づいて、それからはAFホームの機能を割り当てています。電子ファインダーだとAEロック機能がなくても撮影しやすかったりしますが、時々AEロックを使った方が便利な時もあるので、カメラ前面の上のボタンに割り当てています。
背面の右側のボタンには拡大機能を割り当ててます。これは先ほども触れたように、マニュアルレンズを使う時用ですね。アオリレンズを使う時も便利です。
レバー
レバーには色々な機能を割り振ることができます。
出典:[005428]E-M1 のレバーの設定方法と使い方を教えてください。(レバー機能) | オリンパス
E-M1には前と後ろにダイヤルがありますが、そのダイヤルの機能をレバー1つで切り替える使い方。もしくは、上面にあるFn2ボタンとムービーボタンの機能をレバー1つで切り替える使い方。そして、レバーの切り替えでAF方式を変える使い方。この3つのパターンがあります。
僕は、通常このレバーにはAF方式の切り替え機能を割り当てていて、レバー1の時にはフルタイムマニュアルフォーカスができるS-AF[MF]を割り当てています。この状態なら、シャッター半押しでAFを作動させた後にピントリングを回すと即ファインダーやモニターで拡大してくれますので、通常の撮影では便利です。
レバー2にはMFを割り当てます。レバー2にすればシャッター半押しでAFは作動しなくなり、ピントリングでのマニュアル調整のみになります。
この組み合わせで便利なところは、まずレバー1の状態でAFを作動させます。そしてそのままピントリングを回して拡大表示の状態で正確にピント合わせを行い、そのままシャッターを切れる時はシャッターを切りますが、しばらく正確に合わせた状態を保ちたいという場合はピントを合わせた後に即レバーを2にします。
そうすると、シャッター半押しでは何も反応しない、よく言われる親指AFのようなメリットを得ることができます。E-M1の場合、ボタンの位置が遠いので親指AFが使いにくいという理由もありますが、個人的にはスポーツ写真等はほとんど撮らないのでAFとシャッターの機能をバラバラにするメリットがほとんどありません。かといって常にシャッター半押しでAFが作動するのもシチュエーションによっては厄介です。しかし、レバー操作でAFとMFを瞬時に切り替えられると、好きな時にシャッターボタンからAFの機能を無くすことができます。この機能がとても便利で、仕事でもプライベートでもよくレバー操作で使い分けています。
レバーの操作性の良さについてはこちらの記事でもう少し詳しく解説しているので、興味がある方は是非ご覧になってみてください。
動体撮影時はボタン1つでマイセットを呼び出し
動体撮影時の設定はマイセットに登録し、カメラ前面のボタンとレンズのボタンに割り当てます。
こちらの記事でも解説していますが、要約すると
マイセット1
絞り優先F2.8、ISO感度オート。レバー1にC-AF、レバー2に追尾AF、最初はグループターゲット真ん中。連写はHの。
マイセット2
シャッター速度優先(最初は1/500)、ISO感度オート。レバー1にC-AF、レバー2に追尾AF、最初はグループターゲット真ん中。連写はH。
※マイセットを登録する時だけEVFのフレームレートを高速にしておきます。高速にするとピーキング機能が使えなくなるので普段は高速にせずに使いますが、マイセット登録時に高速にしておくことで、ボタン一つでフレームレートも一緒に変更させることができます。但し、ピーキング機能をどこかのボタンに割り当てている場合はフレームレートは強制的に標準に戻るので動態撮影中心の方は注意して下さい。
という設定をマイセットに登録しておきます。屋外でシャッター速度はなるべくは速くしたい場合はマイセット1の絞り優先を。シャッター速度をコントロールしたい場合はマイセット2を呼び出すことで、何時でも動体撮影を行うことができます。
また、ver-3.0から秒間約6コマの連写Lでは像面位相差AFが動作しなくなったようなので、動体撮影の連写はかならず秒間9コマのHで行う方がいいです。
最後に
後継機であるE-M1 MarkⅡが発売されていますが、E-M1のポテンシャルは高いので動体撮影をあまりしない人にとってはこれから中古でE-M1を買うのはとても賢い選択だと思います。その際はきっとこの記事が役に立つと思いますよ。
もちろん、MarkⅡになっても操作性のベースは同じなので、僕がもしMarkⅡを使うとしたら基本的に同じカスタマイズになると思います。ちなみに、MarkⅡからは5点のグループターゲットが選択できるようになったので、動体撮影時にマイセットを呼び出した時は5点にしておくといいかもしれませんね。