マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

フォトショップCCのRAW現像、白黒レベルとシャドウ・ハイライトの使い方




プロのカメラマンは必ず利用するフォトショップCC。プロ用のフォトショップは数年前まではパッケージ版といって、購入したらCDが手元に届き、そのCDでパソコンにソフトをインストールする仕様だったのですが、今はインターネット上で申し込めばそのままネット経由でダウロードができる仕様になっています。

 

値段も、パッケージ版の時は10万を少し超える値段だったのが、今では月額980円から誰でも利用できるようになりました。その為、一般の方でもフォトショップを使っていらっしゃる方は多くなりましたね。

 

黒レベルと白レベル

さて、フォトショップCCのRAW現像は内臓されているCAMERA RAWというソフトを利用しますが、よく聞かれるのが白レベル黒レベル、シャドウ、ハイライトの使い方がよく分からないというケースです。

 

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CAMERA RAWを開くとこんな画面になりますが、右側の基本補正のところに

 

・シャドウ

・ハイライト

・白レベル

・黒レベル

 

とありますね。このパラメーターの意味は画面右上のヒストグラム(写真の明るさをデータ化したもの)が教えてくれます。

 

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黒レベルは一番暗い場所を中心に補正。

 

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シャドウは黒レベルよりかは明るい場所(それでも中間より少し暗いところ)を中心に補正。

 

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露光量は中間を中心に。

 

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ハイライトは中間よりも明るい部分を中心に。

 

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白レベルはハイライトよりも明るいところを中心に補正します。

 

このようにヒストグラムを見てみると分かり易いのですが、実際に補正する時は白レベルと黒レベルはあまり使いません。ただ、明暗差がかなり大きいような被写体の場合は使うことがありますね。先日、たまたま白レベルと黒レベルを使う被写体を現像したので、サンプルとして画面収録してみました。動画1分程度なので是非ご覧になってみてください。

 

 

動画をご覧頂くと、白レベルとハイライトでステージ上の歌手の部分を調整しているのが分かると思います。この写真の場合はハイライト部分が若干白飛びするけどRAW現像で戻すことができるギリギリの露出で撮影しているので、白レベルもがっつりマイナスにしていますが、通常はハイライトだけの調整で事足りることが多いです。

 

ちなみに、動画では分かりやすいように白レベルを最大までマイナスにしてますが、ハイライトの中のハイライトがマイナス補正されると立体感を損なう可能性もありますので、被写体によっては微調整が必要です。

 

シャドウと黒レベルも分かり易いですね。シャドウと黒レベルを最大までプラスしてやると観客席の露出が戻ってくるのが分かると思います。ただ、黒レベルも通常の撮影だとここまでプラスにすることはほとんどありません。大抵はシャドウだけの調整でなんとかなりますね。

 

 

実際のRAW現像時には基本補正以外にも部分補正を使うことが多いです。部分補正に関しては、露光量、シャドウ、ハイライトは基本補正と同様の効果を得ることができますが、白レベルと黒レベルは部分補正ではまた別のアルゴリズムが採用されているようで使いにくく、僕はほとんど使いません。

 

なので、部分補正は露光量とシャドウ、ハイライトを基本的に使いますね。その他、ホワイトバランスの部分的な補正や、コントラスト、明瞭度なども部分補正で使用します。霞の除去なども、フレアを軽減したい時などは使いますね。

  

上達の本質もRAW現像も、全部自分で調べたり試行錯誤していたらけっこう時間がかかってしまうので、基本的な流れをまず知ってから使い込んでいくと自分のスキルになるのが早いですよ。RAW現像は写真を続けていくとほぼ必ず通らなければいけないものなので、ステップアップしていきたいと思っている方は是非使いこなせるようにしてみてください。