マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

カメラ選びで何を優先する?小型軽量?背景のボケ?予算?




デジタル一眼カメラは3つの規格があり、それぞれカメラの大きさや背景のボケる量が違います。この規格の差は、光を画像に変換するイメージセンサー(昔のフィルムの役割をするもの)の大きさの違いです。画像で見てみるとこんな感じですね。ちなみに、フルサイズと言われるサイズが昔のフィルムと同じサイズです。

 

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特徴を順番に説明すると、

 

フルサイズ(36 × 24mm)

・背景は一番ボケる。

・各メーカーの上位機種に多い。

・選択肢はキヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックス(2016年春発売予定)

 

 

APS-C(約23.4 × 16.7mm)

・背景のボケは3つの中で2番目。

・各メーカーでエントリーモデルに採用され、上位機種もある。

・選択肢は、キヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックス、富士フイルム。

 ※ニコンのミラーレスは例外で、下記のMFTよりもひと回り小さいサイズ。

 

 

マイクロフォーサーズ【MFT】(17.3 × 13mm)

・背景は一番ボケにくい

・オリンパスとパナソニックが採用している規格で、同メーカーは下位機

 種も上位機種も同じ規格。

 

となります。では、どんな人はどれがオススメなのか?今回は背景のボケ量の違いによるカメラ選びの基準について解説していきます。

 

背景のボケ量の差

フルサイズとAPS-Cでは、約1.3段。フルサイズとMFTでは2段の差があります。

 

※ 絞りで言うと 「F1」「F1.4」「F2」「F2.8」「F4」「F5.6」「F8」 この数字が各1段の変化になります。

 

Fの数字は小さい方がより背景がボケるのですが、フルサイズでF4で得られる背景のボケ量をAPS-Cで得ようとするとF2.5、MFTで得ようとするとF2のレンズを使わなければいけないということになります。この違いと、各メーカーから販売されているレンズの種類から考えてみると、

 

 

●予算や小型軽量よりも背景の大きなボケ(フルサイズでF2以下)を優先したいという場合はフルサイズ。 

 

●なるべく低予算で背景を大きくボカしたいなら、APS-Cの下位機種のカメラでF1.4の単焦点レンズ(ズームができないレンズ)を買う(フルサイズでF2.2と同等のボケ量に)。

 

●予算よりも小型軽量を優先したいならMFTのカメラを買い、F0.95やF1.4、F1.2のレンズを買う(フルサイズでF2、F2.4、F2.8と同等の背景のボケ量になる

  

ということになります。

 

背景のボケ量の基準はフルサイズでF2かF2.8のボケ量になるかと思いますので、フルサイズのカメラでF2.8ぐらいで撮る写真で十分背景がボケると感じるならば、他のカメラであってもレンズの選択次第で同じボケ量を得ることができます。

 

そこで、実際に35mm判換算F2〜F2.8で撮られた写真を見てみましょう。

 

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※35mm判換算50mm F2のボケ

 

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※35mm判換算85mm F2のボケ

 

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※35mm判換算50mm F2.8のボケ

 

 

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※35mm判換算85mm F2.4のボケ

 

 

こうして何枚か写真を見ると、大体F2〜2.8でどれぐらいでどれぐらいボケるかが想像がつくと思います。 

 

ただ、MFTのレンズでF0.95のレンズはピントを自分で合わせないといけないマニュアルフォーカスだったり、F1.4のレンズは高価なものしかないという場合があります。なので、予算を重視するならAPS-Cの方がいいでしょうね。

 

※200mm以上の望遠レンズの場合は、フルサイズでF4〜F5.6ぐらいで撮ることが多いです。なので、APS-CではF2.8〜F4、MFTではF2.8のレンズが同じぐらいの背景のボケ量になります。もしフルサイズの望遠で、F2.8以下の絞り値で撮るボケ量が必要ならフルサイズ以外の選択肢はありません。

 

また、一本で広角、標準、中望遠と撮れる便利なズームレンズでなるべく背景を大きくボカしたいという場合は、フルサイズでF4通しのズームレンズを使うか、APS-CサイズでF2.8通しのレンズを使う必要があります。それよりももっと背景のボケをというのであれば、フルサイズでF2.8通しのズームレンズが必要になりますが、そうなると予算も一気にあがります。一般的には便利なズームは背景を大きくボカさなくても撮れる時に。単焦点レンズは背景を大きくボカす用にと使い分けられることが多いですね。

 

あなたは、何を優先させますか?

とにかく背景のボケ量を優先するのか、予算を優先するのか、小型軽量を優先するのか。何を優先させたいかによってオススメの規格は変わってきますので、まずは作例などを見てよく考えてみてください。もし考えても分からないという場合は何時でもご相談くださいね。記事にコメントして頂いても、メール(info@ipocamera.com)をしてくださっても構いません。

  

ちなみに、今回はデジタル一眼の規格に焦点を当てて書きましたが、規格が絞れたら一眼レフにするのか?それともミラーレンス一眼にするのか?という選択肢が待っています。一眼レフとミラーレス一眼の違いについては下記の記事で書いていますので、併せてご覧ください。