マイクロフォーサーズの手引き

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「標準レンズで写真上達」が時代遅れの理由




写真上達のコツとして、標準レンズで撮ることと言われることがあります。プロのカメラマンでも、多くの人が推奨している方法です。しかし、僕はこの標準レンズで撮るという方法は、時代遅れだと考えています。なぜなら、僕からすれば上達の遠回りでしかないからです。今回は、その理由をお伝えします。

 

標準レンズで撮る目的は?

そもそも、なぜ標準レンズで撮ることが勧められているのか?その理由は、標準レンズを使い込むことで、他のレンズの特徴を理解し使い分けができるようになるからです。ですが、この理由にはある特徴があります。

 

①感覚で覚えてきたカメラマンが、写真が上達する方法・レンズの違いで何が変わるのかを論理的に言葉で指導できない為に、標準レンズを基準として自分で感覚的に覚えろと指導した方法であること。

 

②ズームレンズが普及する前は、写る角度が変わらない単焦点レンズしかなかった為、まずは標準レンズを使ってみろと言われていたこと。

 

つまり、写真上達の方法・レンズの違いで何が変わるのかを明確に言葉で説明できれば、わざわざ標準レンズを使いこんで、他のレンズと比べて、何が違うのか?と自分で試行錯誤しなくてもいいわけです。

 

自分で見つけるのが大切だと言われる方もいますが、賢い研究者も最初はその時代の基礎知識などを学ぶはずです。誰も、昔の人がすでに見つけていることを自分で探し出すことはしません。

 

この世でまだ分かっていないこと、証明されていないこと、言葉では説明できないものは、自分で試行錯誤して研究したり感覚的に身につけるしかありませんが、写真上達の方法もレンズの違いも明確に言葉で説明ができるのです。レンズの違いを明確に教えられ、その違いを意識しなが自分で撮り比べ体験していく。その方が、絶対に早くレンズの違いを理解でき、より早くステップアップできます。つまり、上達の近道になるんです。

 

また、近年ではズームレンズがセットでついてくるのが一般的で、そのズームレンズでもレンズの違いを体感することはできます。なぜなら、ズームレンズは何種類か別のレンズを選択できるレンズだからです。写る角度の変わらない標準レンズよりもずっとレンズの違いを理解するのに適しています。

 

標準レンズで基準を覚えてから他のレンズとの違いを感覚的に覚えるのではなく、レンズの違いを先に知りそれを意識しながらズームレンズで練習する方が、レンズの違いを理解するのが早いはずです。

 

標準レンズではなく、単焦点レンズが上達の後押しをする

標準レンズで写真上達は、遠回りであり時代遅れです。ですが、単焦点レンズが上達に繋がるのは事実です。レンズの違いを理解し使い分けられるようになったけど、今度は背景のボケ量をコントロールしたいから単焦点レンズを買い、体感してみる。そうすることで、レンズの違いと絞りの選択により表現の幅が広くなります。

 

写真の良し悪しを決める6つの要素のうち、2つがクリアできるわけですから、単焦点レンズの存在は上達に貢献するでしょう。

 

以上のことから、僕自身も受講生さんに標準レンズで撮りましょう!という伝え方はしません。レンズの違いによる写り方の違いを説明し、この違いを意識して練習してみてくださいと伝えています。受講生さんも、何を意識して練習すればいいかが明確なので、吸収も早いですよ。