写真上達の本質を考えてみる

写真講師を続けてきたカメラマンの思考を記事にしていきます

写真が上手な人の種類は《オール7》か《1つだけ10》に分けられる?


 

今までプライベートでも仕事でも写真を撮ってきて、写真講師の仕事をしてきて、常に疑問に感じることがありました。それは、写真が上手な人と一言で言っても、それぞれタイプが異なるということ。技術があって良い写真上手い写真も撮る人もいれば、最低限の知識で良い写真をどんどん撮る人もいる。この違いは、なんとなく頭で分かっていながらもぼんやりとしか理解できていませんでした。

 

この記事における良い写真と上手い写真の定義

  • 良い写真=技術的には高くはないが心に響く写真。
  • 上手い写真=高い技術で、露出・ピント・光・背景・構図等の写真を構成する要素が的確に押さえられ、構成されている。

 

 ただ、そんなぼんやりとした理解の中ヒントを下さったのがこちら。

 

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全てにおいてレベルが高いタイプと、1つの要素が突出しているタイプ。これは写真でも同じだなと感じました。そして、この考え方で前提となるのが、ある程度のレベルに達しているということ。

 

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ツイートは美術についての見解なので、

 

美大に受かる程度にはデッサンをしてきて、絵を描けてる人に向かって言った言葉

 

と解説されています。写真の世界でもありがちですが、基礎をしっかり分かっていないのに『写真はその人の感性を活かせばいいから自由に撮っていい!』と言う人がいらっっしゃいます。もちろん、好きに撮っていいのは間違いないのですが、基礎を疎かにしていいというわけではありません。ある程度までは、誰にも共通する基礎は必須です。

 

美大に合格するレベルを写真に置き換えると

写真に置き換えて考えるなら、ある程度は自分がイメージしたものを意図して写真で表現できるというレベルでしょうか。このレベルは10段階評価におけるオール5ぐらいの段階で、プロカメラマンのアシスタントレベル・写真の専門学校卒業レベルかと思います。そこからさらに上のレベルにいく為には、オール7という全ての要素を底上げしていくタイプと、自分が得意な要素を突出して磨くタイプに別れます。図にするとこんな感じでしょうか。

 

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個人的には、プロアマ関係なく写真が上達したいならまずはオール5を目指すべきです。カメラの仕組みや基礎知識はもちろん、普段僕が講座でまずお伝えするどんな撮影にも共通する基礎スキルを磨く為の基礎練習。最低限そこをクリアして、後はオール7のタイプになるのかどれかが10のタイプになるのか。何をどう伸ばしていくのか、それはその人の撮りたいものや撮影スタイル、仕事内容などでその人自身が自問自答していかなくてはいけません(もちろん、他人からのアドバイスを参考にするのも有りです)。

 

オール7のカメラマンとどれかが10の写真家

ここでパッと頭に浮かぶのが、クライアントの要望を満たした写真を撮ることを仕事にしている商業カメラマンと、自分が撮りたい写真を撮って報酬得る写真家です。商業カメラマンの場合、要望に応える為に全てのステータスがある程度高くないといけません。中には

 

  • ブライダルの写真だけ
  • ポートレートだけ
  • 料理写真だけ
  • 商品写真だけ
  • 建築写真だけ
  • 記念写真だけ
  • 風景だけ
  • 水中写真だけ

 

という風に、仕事で撮影する場合は専門分野があるカメラマンもいる為、このようなカメラマンはオール7というよりもどれかが10のタイプになるケースもあるかと思います。

 

自分の好きな作品を制作して報酬を得る写真家・写真作家というジャンルは、どれかが10のタイプに当てはまると思います。やはり、専門分野を持つ写真家はその被写体に対しての知識も人一倍持っており、撮影のテクニックやポイントなどもよく知っています。商業カメラマンでもありますが、他の写真は苦手だけど◯◯なら任せて!というパターンはよくあるものです。

 

オール10の天才は非現実的だが、オール7又はどれかが10なら目指せる

正直なところ、どんな世界にも素質が高い天才タイプの方はいらっしゃいます。一般人の僕はやはり時々羨ましく感じるものですが、オール7やどれかが10のタイプなら努力次第でたどり着ける領域です。

 

僕は、学生の頃から美術の時間が嫌いでした。美的センスというものは全く持ち合わせておらず、美という言葉からは縁遠い存在の人間で、写真を始めた時も人様に見せられるような写真は撮れなかったものです。ただ、自分自身で実体験した結果で言えば、それも訓練次第と言えます。

 

写真の上達が遅い人の特徴の1つに、◯◯認識能力の低さが挙げられます。これは、元々女性よりも男性の方が能力が高いことが一般的で、男性の方が運転が上手な人が多い(走行距離別事故率は女性が高い)、女性は地図を読むのが苦手と言われる理由の1つにもなっています。

 

この認識能力が低いと、基礎練習で得られる経験値が半減する、つまり吸収率が悪くなるイメージです。正しい練習を同じ時間行っても、上達スピードに差が出るのはこういった理由もあります。幸いにもこの能力は鍛えられるので、受講生さんには必ず基礎スキルを向上させる基礎練習と同時に、この認識能力を鍛えるようにと伝えています。

 

練習方法さえ間違えなければ、そして継続することができれば、オール5は高いハードルではありません。オール7やどれかが10のレベルは、趣味として目指すならそれなりに努力と時間が必要となりますが、それも不可能なレベルではありません。

 

ただ、厄介なのは継続するということ。個人的には、これも一つの才能なのでは?と最近思っていますが、この領域はコツコツと続けられる為のメンタルトレーニングや思考法などの世界に入っていきます。僕はメンタルや思考の専門家ではないのでこの領域の話はできないのですが、今後の課題ではありますね。

 

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