マイクロフォーサーズの手引き

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編集者さんが取材先で使える写真を撮る為の3つのポイント《被写体別に解説!》




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雑誌・フリーペーパー・WEBコンテンツを制作する編集者さんにとっては、編集者である自分に加えて、ライターとカメラマンの3人で取材を行うのが理想的だと思います。もちろん、編集者さんの経験やスキル、ページの企画内容、所属する会社の規模や方針など様々な要因によって左右するので一概に言い切れませんが、文章も写真も専門家に依頼できるならそれに越したことはないという人は多いのではないでしょうか。

 

ただ、僕自身も取材撮影などのご依頼を頂くことがありますが、カメラマン・ライター・編集者の3人で取材に行けるのはごく一部の雑誌しか経験がなく、ほとんどのケースがカメラマンの僕と依頼主である編集者さんでの取材です。それでも恵まれている方で、実際には編集者さん自身のスキルに関係なく、編集者さんがライターもカメラマンも兼任して一人で取材に行くというケースはよく耳にします。 

 

そこで、今回は編集者さん自身が撮影をすることを前提に、取材での写真撮影のポイントをご紹介したいと思います。

 

Point①:撮影機材は高価なものでなくて大丈夫

カメラマンが使うカメラを見ると、どれも高そうに見えます。実際にバッグの中身だけでも数十万なんてことは当たり前です。ただ、数十万も必要かと言われるとそうでもありません。では実際にどれぐらいの予算で機材が揃うのか?とりあえず、大体10万円あればなんとか揃います。

 

約10万円で揃えたいもの

まず最低限必要なものを箇条書きにしてみます。

 

  • カメラ
  • 標準ズームレンズ
  • 超広角レンズ
  • 背景を大きくボカしたい単焦点レンズ

 

以上になります。カメラとレンズ3本を約10万円で揃えるとなるとコストパフォーマンスが1番いいのはニコンです。もし小型軽量にしたいなら、少しだけ高くなりますがオリンパスもオススメです。では具体的に機材をご紹介します。

 

ニコンの場合

↑カメラと標準ズームがセットになっています。 

 

↑これが超広角。

 

Nikon 単焦点レンズ AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ニコンDXフォーマット専用

Nikon 単焦点レンズ AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ニコンDXフォーマット専用

 

↑これが背景をよりボカしたい時用の単焦点です。

 

オリンパスの場合 

OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M10 MarkII 14-42mm EZレンズキット ブラック

OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M10 MarkII 14-42mm EZレンズキット ブラック

 

↑カメラと標準ズームがセットになっています。

 

OLYMPUS 超広角ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6

OLYMPUS 超広角ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6

 

↑卵サイズの超広角レンズです。

 

↑背景をボカしたい時用の単焦点です。

 

その他の必要なもの

予備のバッテリーとSDカードは絶対に必要

カメラを買うとバッテリーは1つ付属していますが、必ず予備バッテリーは買いましょう。最低予備は1つないと不安です。バッテリーも稀に故障して急に使えなくなることがありますし、寒い場合は電池の減りも早いです。 とくにオリンパスのミラーレス一眼を買うなら絶対に買って下さい。1時間2時間ぐらいの取材だったらバッテリーも1つで足りますが、何件も取材に行って電源が入っている時間が長い場合は途中でバッテリーが切れる可能性があります。ニコンのD5300はオリンパスのミラーレス一眼よりもバッテリーの保ちは良いですが、それでも予備は必ず必要です。

 

SDカードも必ず予備を持ち歩いて下さい。とにかく、撮れなくなるというリスクを可能な限り無くしましょう。そういう意味では、予備カメラがあるのが理想ではありますが...

 

レフ板

これも必ず持っておきたいものです。取材される側も取材する側も、時間があまり取れないというケースはあります。そんな時は、その場の自然光などを活かしてさっと撮ることも多いです。その時はよくレフ板を使います(使い方は後述)。

 

大きいものだと100 x 150cm。中ぐらいで80 x 120cmぐらいです。

 

 

この商品はいろんなサイズがあるので、自分の用途に合わせてサイズが選べます。商品や料理を撮るなら80 x 120cmぐらいのを1つは持っておいた方がいいです。

 

カメラバッグ、もしくは普通のバッグをカメラバッグに変身させるクッションボックス

カメラもレンズも精密機器なので、一般の方の感覚で雑に扱うと故障しやすくなります。先端が伸びるタイプのレンズは、その先端に横からの負荷がかかることで写りが悪くなるケースもあります。なので、原則カメラバッグを買うか、普通のバッグの中にクッションボックスを入れる必要があります。

 

 

 

Amazon内で『カメラ インナー』検索するといろいろ出てきますが、上のソフトボックスの300ぐらいが丁度いいかもしれません。

 

Point②:被写体別の撮影のコツ

商品・料理 は窓際のテーブルで光の向きを考えて

商品と料理は大体共通しています。まず、

 

窓際のテーブルで、可能なら室内の電気は消すこと。

 

色を綺麗に表現したいなら、自然光と電球の光は混ぜないのが基本です。違う種類の光を混ぜると、綺麗な色を出すのは補正しても難しくなります。

 

テーブルも窓際から離れているなら少し移動させましょう。取材で何時間も居座るのは嫌な顔されますが、ほとんどのケースで良い写真を撮る為の工夫は積極的に協力して下さいます。テーブルは50cmから1mぐらいに近づけられれば理想です。

 

次に、光の向きです。窓際にテーブルを持ってきてその上に商品や料理を置いたら、被写体に当たる光の向きを考えます。この時、選択肢は大きく分けて3つです。1つ目は、真横からの光。2つ目は斜め後ろからの光。3つ目は斜め前からの光です。

 

では、どのような基準で光の向きを考えるのか?順番に解説していきます。

 

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写真のポイントは光、言い換えると影にもなります。影を上手くコントロールできるかで、写真の良さや被写体の立体感が変わってきます。上の画像を見比べてみると、右から光当たっているリンゴは適度な影がついて立体感が出ていますが、正面から光が当たっているリンゴは影がなく立体感に欠けます。つまり、

 

正面からの光は商品・料理の撮影では原則NGということになります。

 

続いてこちら。

 

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先ほど、光の選択肢として斜め後ろ真横斜め前かの3つがあるとお伝えしましたが、真後ろの光を選択肢として挙げなかった理由が上の画像になります。

 

とくに被写体の顔になる面が横側にある時、真後ろの光は手前側に光が当たりません。雰囲気を伝える写真ならこれでもOKですが、写真としての良さを維持しながらしっかりと情報を伝える為には被写体の顔になる部分に斜めから光を当てる必要があります。斜めから光を当てる理由は影です。被写体の表面の質感などは、小さな影が出ることで表現できます。つまり、上の画像のように被写体の顔になる面が横側にある時は、光は真横もしくは斜め前から当てなければいけません。

 

さて、正面の光と真後ろの光は避けるということがお分かりになったと思います。つまり、消去法で考えると横系からの光が選択肢として残ります。では、真横から、斜め後ろから、斜め前からの光を選択する基準はなんのか?答えは、被写体の顔になる面がどこにあるか?です。

 

上の画像のように、被写体の顔になる面が横側にある時。例えば、ボトル系のラベルなどがその良い例です。

 

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上の写真のように、横側のシール部分をしっかり表現しないといけない時。こういう時は右真横からの光を当ててます。実際に上の写真も右真横から光を当ててるので、プリンの入れ物正面の丁度真ん中ぐらいから左側は影になっています。

 

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上の画像は、リビングの窓際で撮影したもの。影を見れば分かるように、斜め前から(床に置いている為、角度もついて少し上から)光が当たっているのが分かります。この画像は、被写体の顔が全体的に向かって正面だった為、このような光の向きで撮りました。

 

もし、被写体の顔になる面が上を向いているなら、斜め後ろからの光で撮るという選択肢になります。

 

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上の画像は、主役となる赤いパプリカが上の面を向いている為、やや真後ろ気味ではありますが右斜め後ろからの光で撮影したものです。

 

 

被写体の顔になる面を考えれば、どの向きから光を当てればいいかが自ずと分かるかと思います。

 

ただ、レフ板があると話は変わってきます。先ほど紹介したレフ板は、カバーの面を変えることで金、銀、黒、白という面を選ぶことができます。このレフ板のカバーを銀にすることで、光が当たる方向を1方向から2方向にすることができます。つまり、窓際から入ってくる斜め後ろの光と、銀にしたレフ板(以下、銀レフ)に反射した真横からの光で撮ることができるようになります。

 

そうやって撮影したのがこちら。

 

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こちらの写真は右斜め後ろからの自然光と、左真横に置いた銀レフで撮影しています。この写真は編集者さんにも好評だったようで、滋賀県で18万部発行されているフリーペーパー《おでかけmoa》の表紙になっています。

 

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この写真は、特別高価な機材が無くても同じように撮ることができます。それこそ、数世代型落ちの中古で3万円ぐらいのカメラと先ほど紹介したレフ板があれば撮れてしまうものです。よく、カメラが良いと良い写真が撮れると勘違いされている方がいらっしゃいますが、カメラが良くても撮る人の腕が無ければ写真は良くなりません。どれだけ高価なピアノがあっても、全くの初心者が流暢な演奏ができないのと同じです。

 

ピアノを弾くことは、使える写真を撮るということと同じです。使える写真を撮れるようになる為には、撮影者の腕を上げるしかありません。

 

 

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こちらの写真も、テーブルを窓際ギリギリまで近づけて撮影したものです。銀レフも何も使っていません。

 

重要なのは、与えられた環境の中でどんな写真が撮れるのか?ということをイメージできるスキルです。これは僕の写真講座でも一番最初にお伝えする基礎スキルになってきますが、この基礎スキルがあれば高価な機材が無くても撮れる写真はどんどん良くなっていきます。そして、商品や料理など、被写体に限定するならば、撮り方のコツを知っているだけで写真は大きく変わります。

 

人物はモデルと撮影者の立ち位置を考える

人を撮る時も基本は同じで、なるべく真横、斜め前、斜め後ろの光で撮ります。そして、人物撮影ではモデルとカメラマンの立ち位置で写真が決まると言ってもいいぐらい、撮影場所の環境が重要になります。

 

例えば、取材先でモデルに座ってもらい話を聞く時。まず、

 

  • 部屋の窓の位置
  • 背景になるもの
  • カメラアングル

 

この3つを考慮してモデルに座ってほしい場所を決めます。

 

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こちらの写真の場合は、窓に近い位置に座ってもらいました。メインになるアングルを考えた時、部屋の壁と室内の植物が写り込む丁度良い場所になったからです。光の方向性も左斜め奥からなので、環境的にまずまず良好です。

 

男性の場合は、顔に適度な影がついた方が男性らしさ・格好良さを表現できるので、顔にどの程度影を出すかがポイントになります。上の写真は、優しい笑顔が印象的な社長さんだったので、あまり影が出ないような環境で撮りました。この状態で、向かって右手前に黒レフを置いたり、窓のカーテンを調整することで顔の影の出方が変わりますが、この時はカーテンは全開で黒レフなしで撮影しています。

 

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続いてこちらは、凛とした雰囲気で話されるのが印象的だったので、顔に適度な影が出る位置に座ってもらって撮影したもの。被写体に向かって左奥と左斜め後ろの窓の光で撮影しています。この写真は、レフ板は使っていません。カメラとレンズだけで撮影しています。もしこの環境で影の部分を明るくしたい場合は、右手前に大きめのレフ板を置くことで解決します。

 

先ほど紹介した機材にはない望遠レンズで撮影していますが、モデルの座る位置とカメラアングルを考えるだけで、特別な機材が無くても使える写真はどんどん撮れていくのがお分かりになるかと思います。

 

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続いてこちら。この写真で優先したかったのは畑を背景にすること。なので、僕自身は脚立に上がって撮影しています。ちなみに、脚立は割と使うことが多いので常に車に積んであります。

 

この時に助かったのは、天気が完全に曇りだったことです。なので、どの向きから撮影しても光は同じでした。これが逆に晴れていたりすると、被写体に対して当たる光と背景の向きを考えて撮影場所を考えないといけません。基本的に人物の前に太陽があると眩しいですし、顔に鋭く濃い影が出ます。なので、もしこの環境で太陽が顔を出していたら、なるべく人物に対して斜め後ろから光が当たる向きで、かつ畑が背景に写る場所に移動して撮っていたでしょう。

 

建物や風景は撮影時間で良し悪しが変わる

建物や風景写真は、横の光では無く正面気味の光で撮影します。なぜなら、正面気味からでないと被写体に影が出ず、青空も写らないからです。こちらをご覧下さい。

 

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これは、太陽が建物の斜め後ろにある15:30頃撮影したものです。建物正面に光が当たらないので、立体感も出にくくなり、青空も白っぽくなってしまってます。人の目は凄く優秀なので、影と青空が両方見えますが、カメラでそれは不可能です。影に明るさを合わせたら空は明るすぎて白くなり、空に明るさを合わせたら影は暗すぎて真っ暗に写ります。

 

場合によっては暗くなった部分を明るく補正することは可能ですが、流石に光の当たる向きや影の出方は補正することはできないので、撮影時間をしっかり考えてスケジュールを組むことが最も需要な要素となります。もしこの建物をちゃんと撮ろうと思ったら、朝9時前後にここに訪れなければいけません。

 

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このように、建物や風景は被写体の向きと太陽の傾きを考えて撮影スケジュールを調整していきます。ちょうどこの記事を書きながら住宅撮影の打ち合わせをメールでしていますが、まさに今建物の向きを確認していました。今回は1日に2軒の撮影で、建物の向きが分かったので、クライアントが提案した1軒目と2軒目の撮影の順番が逆になったところです。

 

最近はGoogleマップやWEB上の写真などで、被写体がどの方角に向いているか分かることが多いので、しっかりチェックしてから撮影に行きましょう。

 

室内の撮影はポイントになる部分を三分割法や黄金比の線に合わせる

室内の撮影は、先ほど機材の紹介であった超広角レンズで撮影しますが、気をつけたいポイントが一つあります。それが、部屋の角になる部分をどこに持ってくるかです。

 

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この写真に赤と青の線がありますが、赤の線が三分割法で引いた線。青の線が黄金比で引いた線です。一般的に構図を良くする為には、三分割法や黄金比の線の上、又は交差点上に被写体の中心やポイントを配置するという法則を解説されますが、プロの作品の多くにこの法則が取り入れられています。感覚的に良いなと思った構図はほとんどがこの法則に当てはまっていることから、初心者の方は意識的に撮影した方が構図のバランスが整うことが多いです。

 

さて、黄色の丸で囲っているとこが部屋の角になりますが、僕が意識しているのはこの角を三分割法や黄金比の線辺りに持ってくることです。この法則に当てはめると、大抵の場合構図が良くなります。

 

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もう1枚見てみましょう。これは、とある飲食店の店内写真です。一枚で、カウンターと掘りごたつの部屋があることが分かるように撮った写真ですが、掘りごたつの空間の角が丁度赤い線のところに重なっています。左の赤い線も、部屋の中の角に重なっていますね。

 

このように、室内の写真を撮る場合、部屋の角などのポイントになる部分が丁度線の上になるように意識すると構図のバランスが良くなります。もちろん、この法則に絶対に従わなければいけないということではありませんが、構図に迷ったら是非この法則で撮ってみて下さい。

 

Point③:どんな撮影でも共通すること

ここまで、被写体別に撮影のポイントをお伝えしましたが、次にどんな撮影にも共通するポイントをお伝えします。

 

主役を決めて撮る場合、その場の雰囲気を背景に写したいなら広角。背景をシンプルにしたいなら望遠気味に。

初心者の方がよく間違えるレンズの使い方として、自分が立っている位置でズームをすることです。これは、なかなか写真が上達しない人によく見られる共通点で、使い方としては残念ながら間違っています。正しくは、レンズを先に決めて自分の足で動くことです。どういうことなのか?まずはこちらをご覧下さい。

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被写体である息子の大きさが若干違いますが、広角は背景が広く写り込み、望遠気味にすると背景が狭く写るのが分かります。この特徴は、カメラマンならまず最初に考えるポイントです。商品や料理だったら、テーブルの上だけで表現するなら望遠気味に。店内などの雰囲気も写しこみたいなら広角でグッと近づいて、という風に広角・標準・望遠を使い分けます。

 

この、レンズによる写り方を理解した上で、もう一度先ほどの写真をご覧下さい。

 

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こちらの写真は中望遠で撮影していますが、その理由はシンプルにプレートのデザートを表現したかったからです。テーブルの端で撮ることで庭の緑を背景に入れ込んではいるものの、中望遠は背景の写り込みは狭くなるのが特徴ですね。

 

続いてこちら。

 

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これは広角で撮影しています。先ほどの庭の緑が少し見えるのとは違い、奥の建物まで見えています。この写真は、トーストメニューの写真として撮影しましたが、一枚でお店の雰囲気も伝えたいという編集者の要望だったので、広角でなるべく周りの雰囲気を写し込むような形で撮影しました。

 

このように、自分が立ってる位置でズームをするのではなく、レンズの特徴を理解した上で撮る前に広角なのか標準なのか中望遠なのかを選択します(先ほど紹介したニコンのセットになっている標準ズーム18-55mmで言うと、18mmが広角。35mmが標準、55mmが中望遠となります)。そして、先にレンズを決めたらあとは自分の足で動きましょう。突っ立っていては良い写真は撮れません。一歩前に寄ってみたり下がってみたり、自分が積極的に動いていきましょう。

 

背景をボカすなら絞り値(F◯◯)の数字は小さく。室内全体にピントを合わせるならF8以上に

背景をボカす要素は4つあります。

 

  • 絞り値→Fの数字が小さい方がボケる
  • 焦点距離→広角よりも望遠になればなる程ボケる
  • カメラと被写体の距離→近いほどボケる
  • 被写体と背景の距離→遠い方がボケる

 

ただ、レンズの写り方を考えると、単純に背景をボカしたいからといって全て望遠気味で撮ってはいけないのはお分かりになるかと思います。つまり、望遠になればなる程ボケるけど、写真の表現を考えるとボケを得る為に望遠にするのはNGです。背景のボケ量を大きくしたいなら、広角・標準・望遠とそれぞれのレンズでF1.8などの単焦点レンズを買わなければいけません。

 

先ほど機材の紹介であったニコンの35mm F1.8やオリンパスのミラーレス一眼用の25mm F1.7などは、標準の単焦点レンズになります。さらに広角、中望遠の単焦点レンズを揃えるとなると予算が20万円ぐらいになってしまいますが、予算があるなら是非揃えて頂きたいレンズです。

 

とは言え、まずは背景のボケ量よりも写り方の違いによるレンズの選択を意識して下さい。背景のボケ量よりも、まずは写り方をコントロールできるようになることの方が重要です。

 

室内撮影などで超広角レンズを使う時は、ニコンならF8。オリンパスならF5.6ぐらいを基準に考えて下さい。それぐらいなら、部屋全体にピントが合います。

 

最後に

今回は、選ぶ機材と撮影のポイントをお伝えしましたが、如何でしょうか。なるべく写真を多めにして分かりやすく解説しようとしたら、この時点で9700文字を超えてしまいました。長い時間、ご覧頂きありがとうございます。全くの初心者の方にとっては難しい話にしか聞こえなかったなら申し訳ないです...。

 

ちなみに、今回は撮影の基礎の基礎である

 

 

  • 絞り
  • シャッター速度
  • ISO感度

 

 

の関係性やマニュアルモード、絞り優先モード、ピントの合わせ方等は触れていません。ここは、他のサイトでも解説されているので今回はあえて省かせてもらいました。調べてもらえばいろんなサイトで解説されているので、是非この機会に勉強してみて下さい。

 

もし、一つ一つ調べるよりも、手っ取り早く学びたいという場合は僕が無料で公開している一から順番に学べるオンライン写真講座 で学ばれてみて下さい。

 

普通の写真講座や教室では教えてくれない、上達に必要な基礎スキルを磨く方法をメルマガと動画で順序立ててお伝えしていきますよ。

 

この写真講座は写真が趣味の人をはじめ740名以上の方が受講されていますが、

 

  • カメラマンの卵さん
  • 美容師さん
  • 編集者さん
  • デザイナーさん

 

など、仕事で写真を撮るという人も多数受講されています。写真撮影は、被写体を限定した撮影ならこの記事のようにアドバイスできますが、どんな被写体でもどんな環境でも使える写真が撮れるようになるには、やはり撮り手の基礎スキル()を上げる必要があります。そのような理由から、皆さん自分で撮れるようにと学ばれていますが、中には有名なコンテストに多数入賞して僕よりも有名になっていらっしゃる方もいますね。元々デザイナーなのに今ではカメラマンとして有名な方もいらっしゃいます。

 

普通なら講師より受講生が有名になったら講師は良い顔をしないかもしれませんが、僕は皆さんがどんどん上達して僕を追い越してくれるのが嬉しいです。講師冥利に尽きる、とはこのことだなと実感しています。

 

今回の記事の内容を実践するだけでも十分写真は良い方向に変化していくと思いますが、しっかり学びたいという方は是非お試し下さい。

 

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