マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

オリンパスOM-D・PEN-Fのピーキング設定は必ず背景の輝度調整をオンに!MFの精度が劇的に上がる方法




 

以前、E-M1でMFを行う人向けのカスタマイズをご紹介しました。

 


僕は、マニュアルレンズであるノクトンの25mm F0.95、42.5mm F0.95をMFで使う時はピーキングや拡大機能を利用しているので、MFを行う際のカスタマイズをご紹介したのですが、今回はオリンパスのOM-Dシリーズ・PEN-Fを使った時のMFでのピント合わせについてもう少し細く解説していきたいと思います。

 

オリンパスだけの機能?MFでストレスなく正確にピント合わせを行う為の設定

最近のミラーレス一眼では、MFを行う際にピント位置を色で表示してくれるピーキング機能や、電子ファインダーを覗きながらピントを合わせたい位置を拡大表示にできる機能があります。

 

オリンパスのOM-Dシリーズ・PENシリーズももちろんこの機能がありますが、とくにOM-DシリーズとPENシリーズのPEN-Fはピーキングの設定で他のメーカーにない項目があります。それが、ピーキング背景の輝度調整です。

 

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出典:[006050]フォーカスピーキングとはどのような機能ですか。(E-M1 / E-M5 Mark II / E-M10 Mark II / PEN-F) | オリンパス

 

こちらは、OM-DシリーズとPEN-Fで設定できるピーキングの設定画面です。ピーキングの色とピーキングレベル(強弱)を変えられるのは他のメーカーのミラーレス一眼でも同じなんですが、オリンパスのカメラにはさらにピーキングの背景の輝度調整機能があります(ソニー、パナソニック、富士フイルムの主要カメラの機能を確認したところ、おそらくオリンパスだけの機能のようです)。

 

ピーキングレベルを上げると、ピーキング表示ではピントが合っていても撮ったら微妙にピントが前後に外れていることがあります。なので、基本的にはピーキングレベルは弱にしておきたいです。でも弱にすると被写体によっては表示が見にくいケースが。しかし、背景の輝度調整をオンにしておくとピーキング表示の時だけ背景が少し暗くなるので色表示がくっきり見えるようになります。

 

ピーキングレベルは弱、そして背景の輝度調整はオンにすることで、正確なピント位置がよりハッキリと分かるようになります。この組み合わせでピーキング機能を使うと、MFであってもほとんどピントを外しません。被写体が少し斜めを向いていても、ほぼ100%意図したところに、それもストレス無く快適にピントを合わせられます。

 

マニュアルレンズを使う時は、ピーキング機能と拡大機能をカスタマイズできるボタンに割り当てておきますが、背景の輝度調整をオンにしておくと拡大機能なしでピント合わせができるようになります。

 

ただ、人物を撮る人はピーキングレベルをスタンダードにした方が撮りやすいと感じました。人物の目や鼻のピーキング表示は、レベル弱だと表示がちょっと小さくて見にくい傾向にあるので、人物を撮る時はピーキングレベルをスタンダードにした方がピントの山の切り返しがよく分かります。

 

この輝度調整機能は、個人的に最初は不必要な機能だと思っていました。いくら見やすくなるからと言っても、明るさが変わっていたらピント合わせと同時に露出の確認ができないじゃないか!と思っていたんですが、実際に使ってみると普通にピント合わせが楽になり今では常時オンです。

 

シャッター半押しの時はピーキングがオフになるので、ピントを合わせる前に露出をサッと合わせてAEロックするか、ピントを合わせた後にサッと露出補正をすればいいので、ピント合わせの時に背景が少し暗くなるのは実用的に考えても問題はありませんでした。何事も、最初の思い込みに囚われずに実際に使ってみて判断してみないと分からないなと改めて感じましたね。

 

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マニュアルレンズを使わない人も常時オンがオススメ

純正のレンズはどれもAFが快適ですが、AFでピントを合わせた後にピントリングを回すとマニュアルでのピント合わせが可能です。この時の設定もピーキングレベル弱で背景の輝度調整はオンにしておくとピント合わせがやり易いです。ピントリングを回したら自動的に拡大するように設定しておくなら、ピーキングレベルはスタンダードにしておいてもいいかもしれません(拡大された画面内で再サンプリングしてピーキング表示を行う為、スタンダードにしてもピントがあっていないところまでピーキング表示がされるというデメリットが小さくなります)。

 

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ピーキングを利用したピント合わせはオリンパスが1番?

背景の輝度調整をオンオフにして撮り比べてみたりしましたが、やはり輝度調整をオンにした方がピント合わせがしやすいです。被写体にもよるかもしれませんが、いろんな被写体で試してみるとその違いがよく分かります。被写体によっては、AFで合わせても結局MFで微調整しないといけないケースもあるので、そういう時はMFのやり易さが活きてきますね。

 

ちなみに、マニュアルレンズであるノクトン25mm F0.95や42.5mm F0.95でポートレートを撮影する際などは、予めピントリングを見てカメラから2mぐらいに合わせておくか、手元でさっと無限位置から少しだけ近距離に戻しておきます。その状態ならピントリングを少し回すだけで人物へのピント合わせの微調整ができ、AFをする時の初動が省かれるので、ピント合わせに時間がかかることもありません。

 

もちろん、撮影距離はカメラを構える前から分かっているはずなので、ファインダーを覗く前にピントリングの距離目盛を見てその都度合わせれば、マニュアルレンズであっても大抵の撮影で快適にピント合わせができるはずです。

 

 

ところで、特許に絡んでいるのかは分かりませんが、オリンパス以外のメーカーでこのような機能を搭載しているカメラは見つかりませんでした。

 

ソニーのα9・α7RⅡ

富士フイルムのX-T2・X-Pro1

パナソニックのGH-4・GH-5

 

それぞれの説明書やレビューを見てみましたが、ピーキングレベルと色しか変える項目がないようです(僕の確認不足ならご指摘頂けるとありがたいです)。とは言え、富士フイルムのピーキング機能はかなり良いと評判なので、背景の輝度調整機能が無くても見えやすいのかもしれませんね。

 

E-M1で試してみると背景の輝度調整があった方がかなりピントを合わせ易くなるので、OM-DユーザーPEN-Fユーザーは是非試して下さい。

 

ちなみに、マイクロフォーサーズで一番背景がボケるレンズはノクトンの4本のマニュアルレンズです。

 

  • 10.5mm F0.95
  • 17mm F0.95
  • 25mm F0.95
  • 42.5mm F0.95

 

これらのレンズは、パナソニックでもピーキングや拡大機能があるので問題なく使えるとは言え、オリンパスのOM-DシリーズやPEN-Fで使うのが一番使いやすいかもしれませんね。