マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

一眼レフは新品、ミラーレス一眼は中古を勧める3つの理由




 

カメラを買ったことがある、又はこれからカメラを買おうと思っている方は、一度は【中古のカメラを買ってみようか?】と考えたことがあると思います。カメラは値段が高いです。ずっと写真を趣味にしたり生業にしていると10万円でも安い方と思ってしまいますが、普通の人の感覚では十分高い買い物です。なので、少しでも安く買えるのであればそれに越したことはないでしょう。

 

ですが、個人的には中古をお勧めするのはミラーレス一眼で、一眼レフは新品の方がいいと考えています。なぜそのように考えるのか?順番に解説していきます。

 

フランジバックのズレによるAF精度の変化

一眼レフが新品が良いという1番の理由はこれです。

 

フランジバックとは、イメージセンサー面からレンズを取り付けるマウント部分までの長さでで、下の画像にある太い赤の矢印になります。

 

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出典:フランジバック - Wikipedia

 

一眼レフはAFの仕組み上、このフランジバックがズレることでピントの精度が悪くなっていきます(ファインダーを見ての撮影の場合。モニターを見ての撮影では問題なし)。正確に言うと、レンズとの相性次第でピント精度にズレが出やすくなるというこです。組み立て精度が高くフランジバックにズレが全くないと仮定した場合、レンズとの相性によるピント精度は最小限になります。それでも、レンズ側の問題でピント精度に差が出ることがありますが、精度のバラツキは抑えられるのでなるべくフランジバックのズレはない方がいいです。

 

一方、ミラーレス一眼はAFの仕組み上フランジバックのズレによるピント精度のズレはほぼ起きません。もちろん、大きくズレている場合は問題ですが、ミラーレス一眼ならカメラとレンズの組み合わせによるピント精度のズレはほぼ発生しないのです。僕が一眼レフからミラーレス一眼に変えたのもこの理由が大きいですね。

 

なので、一眼レフを買うなら最低限メーカーの基準値に収まっている新品を買う方がいいでしょう。もちろん、カメラとレンズを新品で買ったとしても精度のバラツキが出ることもありますが、中古ではそのリスクがさらに大きくなります。ミラーレス一眼ならピント精度の心配はないので、中古でも安心して使えます。

 

一眼レフなら機械部品が多く、ミラーレスなら少ない機械部品の耐久性も温存できる

一眼レフとミラーレス一眼に使われる代表的な機械部品がシャッターユニットですが、購入時には必ず【そのカメラでどれだけシャッターが切られたか】ということを確認しないといけません。なぜなら、カメラの見た目が綺麗でも、シャッター数はかなり多いというケースがあり、最悪購入後すぐに自分で修理しないといけない可能性があるからです。

 

例えば、シャッターユニットの交換目安が10万回のカメラで、すでに8万回程シャッターが切られた中古カメラがあったとします。しかし、見た目が綺麗だからと言って値段の高いカメラだったりすると、購入から1年も経たないうちにシャッターユニットの交換となり、結果的に新品よりも高い買い物になったなんてことになりかねません。なので、必ずシャッター回数の分かる中古を買わないといけません。

 

また、一眼レフならシャッターユニット以外にもミラーが存在し、そのミラーも動作回数が多くなると故障のリスクが多くなります。

 

ですが、ミラーレス一眼ならファインダーを覗きながらでも電子シャッターで撮影ができるので、シャッター回数も温存することができますし、一眼レフに存在しているミラーは構造上存在しません。

 

とくに、この記事を書いている現在では第二世代のフラッグシップのミラーレス一眼が各社から登場しており、第二世代のミラーレス一眼なら高速な読み出しによって電子シャッター特有の動く被写体の歪みも最小限に抑えられます。また、数年後は機械式のシャッターすら搭載していないカメラも登場するはずです。そうなれば、より不安要素が無くなっていきますね。

 

ミラーレス一眼の中古は【今までちゃんと動作してきたという証】にもなる

機械部品であるミラーやシャッターユニットはメーカーが部品交換目安を公表しているものの、その交換目安よりも早く壊れてしまうことも時々あります。ですが、電子部品は、ある程度問題なく使われているならそれが逆に【動作保証】になります。

 

電子部品は初期不良がない限り基本的に安定して使えるので、電子部品の割合が多いミラーレス一眼は中古で買う方が逆に安心というメリットがあるんです。もちろん、電子部品にも寿命がありますが機械部品よりも寿命は長く、長い期間愛用することができます。電子シャッターを併用していけばかなりの年数が使えるはずです。

 

ちなみに、最近はカメラの発売後から10年前後で部品の保存が終わり修理も対応不可になってしまいますので、修理対応終了間近に点検に出して使ったとしても15年前後でしょうか。とは言え、その前に買い替える人がほとんどでしょうね。

 

まとめ

一眼レフには構造上の問題や、機械部品の多さといった不安要素があります。僕も以前、綺麗な中古のカメラやレンズを購入後、1年も経っていないのに機械部品が故障した経験があるので、個人的にも一眼レフの中古は少し不安です。とくに、レンズは中がどれだけ劣化しているかが分からないので発売時期が古いレンズ程不安ですね。

 

しかし、ミラーレス一眼なら中古であってもすぐに故障するものに当たる確率が少なく、安定したAF精度を得られます。なにより、新品で買うよりもお得に購入できますよね。最近は初代E-M1等の第一世代のフラッグシップモデルが中古で5万程度という安さで購入できるので、個人的にはかなりお得かと思いますよ。僕はまだ現役で使ってます。

 

もちろん、現行品の新品が初期不良であればメーカーで無償で交換をしてもらえますので、その安心感を買うなら新品でもいいでしょう。ただ、最近のカメラは性能がいいので普通の人なら中古の型落ちでも十分だと思いますよ。