写真上達の本質を考えてみる

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SONYのEマウント(APS-C)がマイクロフォーサーズより小型軽量な件について


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出典:α6500 特長 : 高い信頼性と進化した操作性 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

 

小型軽量を謳うマイクロフォーサーズ。しかし、ソニーのEマウントが意外と小型軽量なのはあまり知られていないかもしれません。全体的なレンズラインナップや防塵防滴等のトータル的な性能、信頼性ではマイクロフォーサーズの方が良いと思いますが、ソニーのAPS-C用Eマウントで使いたいレンズが揃い、防塵防滴に拘らないならかなり小型軽量なシステムを構築できると思います。では実際に、マイクロフォーサーズとAPS-C用Eマウントを比較してみましょう。

 

 

超広角ズーム

とくに注目したいのがソニーの超広角ズームで、10-18mm F4というレンズがありますが、このレンズがなんと225gと超軽量です。35mm判換算で15-27mmのレンズでここまで軽量なのは他にないのではないでしょうか。一方マイクロフォーサーズにはパナソニックの7-14mm F4があります。35mm判換算で14-28mmのこのレンズは300gと十分軽量ではありますが、ソニーのレンズの方が軽量です。サイズも

 

ソニー:最大径70 x 長さ63.5mm 225g

パナソニック:最大径70 x 長さ83.1mm 300g

 

とソニーの方が少し小型ですね。小型軽量でも注目したいソニーのレンズですが、さらにもう1つ注目したい点があります。それは、フィルターが使えるという点です。35mm判換算15mmでフィルターが使えるのはAPS-C用としては珍しくありませんが、フルサイズ用のレンズでフィルターを使おうと思うと大抵16mmスタートで、15mmスタートだとフィルターがつけられないケースが多いです。

 

35mm判換算で15mmで撮れてフィルターがつけられる。さらに超広角レンズの中ではトップクラスの小型軽量であり、描写性も全体的に高く10mmでは絞り開放で隅以外は十分、14mm、18mmでは絞り開放では全体的に少し甘いものF5.6に絞るだけで隅以外は改善します。F8まで絞った時は画面全域で高画質に。また、逆光性能も高いことから、他社のカメラを使っている人でさえフィルターが使える超広角レンズとしてこのレンズをわざわざ買う人がいるぐらいです。

 

防塵防滴でないものの防滴はシャワーキャップやカメラ用レインカバーでカバーできるので、防塵をとくに必要ない人にとってはこのレンズ以外の超広角レンズの選択肢があるのか?と思うぐらい魅力的なレンズです。

 

標準ズーム

マイクロフォーサーズの標準ズームとしては、12-40mm F2.8がベストな選択肢になるケースが多いです。一方ソニーの標準ズームとしては16-70mm F4がベストなレンズかと思います。これらのレンズを比較してみると、

 

ソニー:最大径66.6 x 長さ75mm 308g

オリンパス:最大径69.9 x 長さ84mm 382g

  

と、ここでもソニーの方が小型で軽量です。絞り値は違いますが、ボケ量を35mm判換算するとマイクロフォーサーズがF5.6、ソニーがF6.3と1/3段しか変わらないのでほぼ同じです。マイクロフォーサーズの方が明るいのでシャッター速度が稼げるという点や、12-40mmはズーム全域・画面全域で良好な画質であったり、最大撮影倍率が高かったり、防塵防滴であったりとソニーに比べてメリットはあるものの、ソニーの方が小型軽量ではあります。

 

望遠ズーム

望遠ズームは、結論からするとマイクロフォーサーズの方が少し小型軽量です。比較するレンズは、オリンパスの40-150mm F2.8と、ソニーの70-200mm F4です。

 

ソニー:最大径80 x 長さ175mm 840g

オリンパス:最大径79.4 x 長さ160mm 760g

※重さは三脚座なし

  

オリンパスのレンズは、専用テレコンを使うことで35mm判換算で112-420mmという焦点距離になり、この焦点距離ではかなりの小型軽量になるかと思いますが、APS-Cで70-300mmのレンズを使えばあまり変わらないサイズで35mm判換算115-450mmのレンズになる為、望遠域ではほとんど差はないかと思います。ただ、オリンパスの40-150mmはテレコン一つで焦点距離を伸ばすことができますが、ソニーの場合は別のレンズを用意しないといけません。そういう意味では、オリンパスの方が利便性は高いですね。

 

また、同じ焦点距離でもマイクロフォーサーズは絞り値が一段明るいのでシャッター速度が稼げるメリットがあり、α6500等も動体撮影を売りにしているものの、マイクロフォーサーズもE-M1 MarkⅡやGH5などで動体撮影がかなり実用的になっています。パナソニックからは100-400mmというレンズやオリンパスから300mm F4というレンズも出ているので、望遠で動体撮影を考えるとソニーのEマウントよりもマイクロフォーサーズの方が望遠レンズの選択肢が豊富で安心できる機材が揃っていますね。

 

単焦点レンズ

単焦点レンズは、マイクロフォーサーズの方が選択肢が豊富で、全体的に小型軽量の高性能レンズが揃っているものの、ソニーの中にも小型軽量で良いレンズがいくつかあります。とくに注目したいのは、35mm F1.850mm F1.816mm F2.820mm F2.8す。このレンズをマイクロフォーサーズのレンズと比較すると、

 

ソニー 35mm F1.8:最大径63 x 長さ45mm 154g

パナソニック25mm F1.4:最大径63 x 長さ54.5mm 200g

 

ソニー50mm F1.8:最大径62 x 長さ62mm 202g

パナソニック42.5mm F1.2:最大径74mm x 長さ76.8mm 425g

※パナソニック42.5mm F1.7:最大径55mm x 長さ50mm 130g

 

と、マイクロフォーサーズより少し小型軽量になります。中望遠をパナソニックの42.5mm F1.7と比較すると、マイクロフォーサーズであるパナソニックの方が小型軽量になるので微妙なところですが、パナソニックの方が35mm判換算で背景が1/3段ボケないのでその分小型なのかなという印象です。

 

ソニーのAPS-C用のEマウントの小型軽量のレンズでとくに注目したいのはこの2本です。この2本は描写も優秀で手ぶれ補正がついているので、ボディ内手ぶれ補正が搭載されたα6500と組み合わせることで低速でのシャッター速度でも安心して使うことができます。そんなレンズがマイクロフォーサーズ並の小型軽量を実現しているとなると、小型軽量を優先する僕にはかなり魅力的なレンズです。

 

 

 

さて、ソニーのAPS-C用Eマウントの単焦点レンズの中でも一際小型軽量が目立っているのが16mm F2.8と20mm F2.8です。このレンズは画像で見てもらった方が分かりやすいのですが、上のシルバーが16mm、下のブラックの方が20mmです。

 

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※出典:SEL16F28 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

 

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出典:SEL20F28 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

 

ご覧の様にパンケーキレンズとなっています。最大径はそれぞれ62mm程。重さも、67gと69gと100gにも満たない軽量なレンズです。35mm判換算で、24mm F4、30mm F4(絞り値は35mm判換算のボケ量を元に変換)というレンズになりますが、マイクロフォーサーズのレンズと比較しても小型軽量です。

 

このレンズは描写性能よりも小型化を優先されていますが、鑑賞距離で十分な画質になるラインを見極めつつ最大限小型化できるように設計されているようです。この2つのレンズは全然ダメだという声がありますが、モニターで拡大して粗探しをする鑑賞方法を楽しむ人でなければ問題ないでしょう。絞り開放でも、被写体を余程隅っこに配置しない限り問題は無く、F8程度まで絞れば全体的に実用的になるので風景を撮る際にも十分です。

 

個人的には、鑑賞距離で十分な画質になるラインを見極めつつパンケーキレンズに仕上げてきた設計者の方に拍手を送りたいです。現代は簡単にモニターで拡大して粗探しができる時代になりましたが、写真の楽しみ方はそうではないと思います。

 

防塵防滴や、モニターで拡大した際の描写性能を求めないならソニーのEマウント(APS-C)は魅力的

ここまで、ソニーのEマウントを少しご紹介してきましたが、如何でしょうか。個人的には、防塵防滴を必要としない、モニターで拡大して粗探しをせずに純粋に写真を楽しむという人にとってはかなり魅力的なレンズになるかと思います。

 

ここまで触れてこなかったのですが、ソニーからは24mm F1,8のレンズもあります。このレンズも225gと比較的軽量で、F1.8シリーズとしては

 

24mm

35mm

50mm

 

と、準広角、標準、中望遠が揃っていますね。35mm判換算で28mm以下のF1.8のレンズがないのは人によっては残念かもしれませんが、そこは今後の開発に期待しましょう。

 

ところで、なぜこのタイミングでソニーのAPS-C用Eマウントを取り上げたのか?それは、ボディ内手振れ補正やタッチパッドが搭載されたα6500が発売されたからです。今までソニーは手振れ補正をレンズ側に採用していました。しかし、全てのレンズには採用されておらず、先ほど触れた24mm F1.8も良いレンズですが手振れ補正は搭載されていません。しかし、今まではボディ側に手振れ補正が搭載されることはなかったので、個人的には魅力が半減していたんです。ボディ内手振れ補正があれば、全てのレンズで安定したシャッターが切れますし、無駄に感度を上げなくて良いシチュエーションが増えます。

 

また、ソニーのAPS-Cミラーレス一眼は、AFエリアを1アクションで動かせるスティック等は採用されてきませんでした。しかし、α6500でモニター上で指をスライドさせてAFエリアを移動させるタッチパッドが採用されたので、個人的に懸念した二つの要素が一気に解決されたんです。

 

依頼されて撮影するカメラマンとしては防塵防滴のレンズが少ないことから仕事用としては使えませんが、一般の方にとってはとても魅力的なシステムとなる可能性が高いです。防滴で無くても、シャワーキャップで工夫したり、カメラ用にレインカバーが販売されているので、上手く使うことで防滴機能はカバーできます。さすがに防塵に関しては怪しいので、砂埃が舞う場所でよく撮影するなら使えませんが、そういうケースは稀でしょう。

 

ただ、α6500を買うと高性能な高倍率ズームが無かったり、35mm判換算でF2程度のボケが得られるレンズがかなり大きくなってしまったりと、所々隙があったりするのでどんなレンズが使いたいかはよく確認してみてくださいね。

  

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