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オススメ一眼カメラを撮影スタイル別に解説!全メーカー紹介の保存版


一眼カメラと一言で言っても、メーカーや機種によってコンセプトが違うのでそれぞれのカメラに特徴があります。その為、とくに初心者にとってはどのカメラがどの特徴があるのかを調べるのは一苦労です。そこで今回は、様々な人からカメラ選びの相談を受けてきた経験を元に、コスパよりも撮影スタイル別のオススメカメラをご紹介したいと思います。

 

コスパ重視のカメラ選びはこちらで解説していますので併せてご覧ください。

 

 

静物撮影が中心で動く被写体を撮らない人

一眼レフは動体撮影が得意という特徴がありますが、動く被写体を撮らない人にとって一眼レフのメリットは小さいです。その為、基本的にはミラーレス一眼の方がオススメになります。ミラーレス一眼なら一眼レフよりも機材を小型軽量化することができ、さらにコントラストAFによる高精度なAFを利用できたり、ポートレートなどで便利な顔認証AFができるので、静物撮影をされる方にとってはミラーレス一眼の方がメリットは大きいですね。

 

さて、ミラーレス一眼の選択肢としては、富士フイルム、ソニー、オリンパス、パナソニックとありますが、順番に解説していきます。

 

小型軽量を最優先させるならオリンパス、パナソニック、ソニー(APS-CのEマウント)

オリンパスとパナソニックのカメラは、ミラーレス一眼の中でもとくに小型軽量なカメラが選択できます。

 

f:id:photographerti:パナソニックのミラーレス一眼GM1とGM5とGX7MK2の比較

※引用元:一眼カメラ 仕様比較 | デジタルカメラ LUMIX(ルミックス)|Panasonic

 

f:id:photographerti:オリンパスPEN-FとE-P5とE-PL7の比較

※引用元:オリンパス 製品比較:仕様概略

 

上の画像はパナソニックのカメラの比較表。下の画像はオリンパスの比較表です。パナソニックにはより大きなファインダーやフリーアングルモニターを採用しているGX8という上位機種がありますが、手ぶれ補正は後発のGX7MK2の方が効きが良く、GX7MK2よりも少し大きくなるので今回は省いています。

 

小型軽量を最優先にさせたいなら、パナソニックのGM1かGM5がオススメですね。GM1はファインダーなし、GM5はファインダーありで、操作性もGM5の方がいいです。値段もあまり変わらないので、基本的にはGM5がオススメですね。

 

パナソニックは通常のレンズキットを買えばレンズ側の手振れ補正の恩恵を受けることができますが、GMシリーズにはボディ側に手振れ補正がついておらず、今後いろんなレンズを購入することが想定される、又は暗いところの撮影でより強力な手振れ補正が必要なら、ボディ内にも手振れ補正が搭載されているGX7Ⅱにしておく方がいいでしょう。GMシリーズより一回り大きくなってしまうとは言え、GX7Ⅱも十分小型軽量です。

 

また、PEN-Fにはボディ内に手振れ補正が搭載されているので、全てのレンズで手振れ補正の恩恵を受けられます。ボディ内手振れ補正に関してはオリンパスの方が性能が良いので、どんなレンズでも気にせず手振れ補正を!と考えるならPEN-Fの方がいいですが、PEN-Fは値段もそこそこ高いです。下記の画像は各カメラの値段比較ですが、PEN-F以外のカメラはレンズキットの値段に対して、PEN-Fはボディ単体でこの値段です。

 

f:id:photographerti:オリンパスPEN-FとパナソニックGM1とGM5とGX7MK2の値段の比較

※引用元:価格.com -キープ一覧

 

どこまで予算が許すかですが、オリンパスのボディ内手振れ補正を考えるなら一眼レフスタイルのE-M1もいいかもしれません。E-M1は安い方のレンズキットで約9万円、高級レンズとセットで、PEN-Fのボディ単体と同じぐらいです。

 

f:id:photographerti:オリンパスE-M1は手ぶれ補正が強力でAFスピードも早く精度も高いのでオススメ

※引用元:価格.com -キープ一覧

 

ボディサイズは若干大きくなるものの大きく見やすいファインダーやグリップ等は魅力的です。僕はプライベートでも仕事でもE-M1を使っていますよ。E-M1のご紹介はまた後ほど。

 

E-M1130.4mm(幅) × 93.5mm(高さ) × 63.1mm(奥行き)重さ 約 497g

PEN-F124.8mm(幅) × 72.1mm(高さ) × 37.3mm(奥行き)重さ 約 427g 

 

また、超広角から中望遠までのレンズがマイクロフォーサーズよりも小型軽量なレンズが選べるソニーのEマウント(APS-C)もオススメです。完結にお伝えすると、防塵防滴が無かったり、高性能の高倍率ズームがなかったり、フルサイズでF2程度のボケ量を得る場合はレンズが大きくなってしまいますが、それらを求めないなら魅力的なレンズとカメラが選べます。詳しくは下記の記事で解説しているので、興味がある場合はご覧になってみてください。

 


ただ、セットのレンズしか使わないなら...

オリンパス・パナソニックのカメラを買ってセットのレンズしか使わないのであれば、高級コンパクトカメラを使う方がいいかもしれません。レンズ交換はできませんし、重さも大きさもあまり変わりませんが、セットのレンズでしか使わないなら高級コンパクトカメラの方が画質がよく背景もボケやすくなります。

 

レンズ交換を楽しむことが前提ならミラーレス一眼がいいのですが、セットのレンズしか使わないならよく考えてみましょう。高級コンパクトカメラのオススメはこちらでご紹介していますので、よかったら参考にしてください。

 

 

三脚撮影が多いならソニーの一眼カメラ(Eマウント)

撮像素子には、フルサイズ(大)、PAS-C(中)、マイクロフォーサーズ(小)という3つの規格があり、撮像素子が大きくなればなる程背景がボケで画質がよくなるという傾向があります。しかし、レンズ性能や手振れ補正の有無、被写界深度の差を考慮すると、フルサイズよりもマイクロフォーサーズの方が高画質になることも多々あります(下記の記事を参照)。

 

 

なので、手持ちで撮影する際にはマイクロフォーサーズいいのですが、三脚撮影がメインならフルサイズの低感度で常に撮れるので、フルサイズで機材を揃えてしまってもいいかと思います。ただ、フルサイズのミラーレス一眼は少し高い傾向があります。

 

f:id:photographerti:ソニーα'シリーズを比較するとα7Ⅱが一番オススメ

※引用元:価格.com -デジタル一眼カメラの比較表(α7R II ILCE-7RM2 ボディ、α7S II ILCE-7SM2 ボディ、α7S ILCE-7S ボディ、α7R ILCE-7R ボディ、α7 II ILCE-7M2 ボディ、α7 ILCE-7 ボディ)

 

ソニーのフルサイズミラーレス一眼はAマウントとEマウントがありますが、よりコンパクトなカメラはEマウントのα7シリーズになります。α7シリーズは、初代の【Ⅱ】がついていないものは手振れ補正がついていません。手振れ補正がついていないと、手振れ補正つきのオリンパス・パナソニックよりも画質が悪くなってしまう傾向があるので、買うとしたら2代目であるⅡ型です。ただ、Ⅱ型は値段が高く、とくにRとS系は30万を超えてきます。現実的な選択としては、ギリギリα7Ⅱが選択肢として残ってくるでしょうか。

 

α7系のフルサイズはカメラだけでなくレンズも値段が高いです。そこそこのレンズを揃えようとすると、10万円前後のレンズになってきますので、ある程度の予算も必要になってきます。どんなレンズが必要かという選択肢次第でオススメかどうかが変わってきますのでご注意ください。

 

画質と小型軽量のバランス。フィルムに馴染みのある人は富士フイルム

富士フイルムの特徴は、高画質と機材サイズ・重量のバランスです。APS-Cサイズの規格を採用しているにもかかわらず、独自の技術でフルサイズのカメラに引けを取らない画質を実現しています。長年フィルムメーカーとして研究してきただけあって色再現の良さは人気です。とくに、高感度での色再現やトータル的な画質はフルサイズに勝ることもあり、プロやハイアマチュアの方からは人気のメーカーです。

 

中には、フルサイズ一眼レフを使っていたけど富士フイルムのミラーレス一眼に変えた、という人が多数いるぐらい画質には定評があります。それでいてフルサイズよりも機材が重く大きくはならないので、画質を求めながらも機材の小型軽量のバランスを求めるなら富士フイルムはベストな選択になるでしょう。

 

f:id:photographerti:富士フイルムのX-T2とX-PRO2とX-T10の比較

※引用元:仕様比較 | 富士フイルム

 

ちなみに、富士フイルムの電子ファインダーは晴れた日に暗く見えたりと不評だったのですが、この3機種はその点が改善されています。なので、富士フイルムのカメラを使うならこの3機種がオススメです。

  

また、富士フイルムのカメラはデジタルになった今でも、フィルムシミュレーションとして昔のフィルム調を選択できます。その為、長年フィルムでやってきたという人は富士フイルムのカメラを使っている人が多いです。

 

X-T2という一眼レフスタイルのカメラもありますが、全体的にクラシカルなデザインのカメラも充実しており、そのデザインが好きで使っているという人も多いですね。

 

f:id:photographerti:富士フイルムX-PRO2のデザイン

※引用元:X-Pro2 | レンズ交換式ミラーレスカメラ | FUJIFILM X

 

値段を見てみると、若干高いか安いかの選択肢しかありません。初心者の人が手軽にと考えるならまずはX-T10でしょうか。一眼カメラ経験者でそこそこ腕のある方なら間髪入れずにX-T2をオススメします。ちなみに、X-Pro2からはそこそこの動体撮影が、X-T2ではかなり動体撮影に対応できるようになったようです。

 

f:id:photographerti:富士フイルムのX-T2とX-PRO2とX-T10の値段の比較

※引用元:価格.com -デジタル一眼カメラの比較表(FUJIFILM X-T2 ボディ、FUJIFILM X-Pro2 ボディ、FUJIFILM X-T10 ボディ)

 

静物中心だけど動く被写体もある程度対応できて、機能・性能・防塵防滴を妥協せずに小型軽量を図るならオリンパス E-M1

僕は元々、仕事ではフルサイズ一眼レフを使っていました。しかし、今はオリンパスのE-M1と主にPROレンズを使っています。なぜ僕はオリンパスの機材を使うようになったのか?

 

つ目の理由にボディ内の手振れ補正が挙げられます。オリンパスは長年ボディ内手振れ補正を採用しており、性能は業界内でもトップクラスです。このボディ内手振れ補正には毎度助けられていますが、全てのレンズで手振れ補正ができるというのは大きなメリットです。

 

E-M1 MarkⅡは、ボディ内手ぶれ補正だけでも5.5段の補正能力があります。E-M1は約4段の手ぶれ補正で、これでも十分ブレを無くしてくれてますが、5.5段となるとさらに低感度で撮影できるのでE-M1以上に画質劣化を防ぐことができますね。また、手ぶれ補正ユニットを搭載したオリンパスのレンズなら、ボディ側の手ぶれ補正機能を組み合わせることで最大6.5段分の補正を実現しています。オリンパス曰く、6.5段分の補正というのは地球の自転の干渉を考慮した理論的な限界値らしいです。

 

つ目の理由は、全体的に小型軽量でありながら防塵防滴のシステムになることです。F2.8の広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームはそれぞれ防塵防滴で、高倍率ズームも防塵防滴です。それらの組み合わせでフルサイズ一眼レフと比較した場合、約1000g〜1400g程軽くなります。APS-C規格のカメラもフルサイズに比べて小型軽量になりますが、オリンパスはマイクロフォーサーズというもう少し小さな規格が採用されています。このことで、レンズ自体も小型化できるメリットがあるんです。それに加えて、オリンパスは40-150mm F2.8 PROという35mm判換算80-300mmのレンズに、僅か100gのテレコンをつけるだけで35mm判換算112-420mmのレンズに早変わりします。しかも、画質とAFはほとんど変化なしで防塵防滴も維持できます。オリンパスの望遠レンズは非常に優秀な上に利便性が高く、高性能の両立を実現しています。

 

また、標準ズームや望遠ズームの最大撮影倍率は他社に比べてかなり高いので、望遠マクロとしても使うことができます。その為、昆虫撮影などをされる方の多くはオリンパスのカメラとレンズを使っていますね。

 

つ目の理由は、マウントアダプターでTS-Eレンズを使う際も、45mmが90mmと、マイクロフォーサーズなら丁度良い画角になることです。これは、カメラマンとして商品写真を撮る僕にとっては大きなメリットです。

 

つ目の理由は、カメラとレンズを含めたトータル的なシステムを考慮すると、フルサイズよりも高画質で撮れるシチュエーションが多々あります。

 

 

先ほども紹介したこちらの記事で詳しく解説していますが、フルサイズはマイクロフォーサーズに対して高感度性能で凡そ2段分の優位性があります。しかし、フルサイズとマイクロフォーサーズの被写界深度の差は2段なので、マイクロフォーサーズなら常に絞りを2段開けられます。つまり、ISO感度を2段落として撮影できるのでフルサイズの優位性が相殺されるケースが多いです。その上、マイクロフォーサーズの強力な手振れ補正のおかげで、フルサイズよりも高画質で撮れるケースも多々あります。

 

つ目の理由は、カスタマイズ性が高いことです。単純に全てのボタンの設定を自由に割り振れるという意味では、他社のカメラでもカスタマイズ性が高いカメラはありますが、E-M1のカスタマイズ性は頭一つ抜きん出ていると感じています。上下左右のボタンを除く登録できるボタンの数も多く、レバー1つでAF+MFMFを瞬時に変えられたり、前後ダイヤルの機能を入れ替えたりとカスタマイズ性が高いです。この操作性の良さのおかげで助けられている撮影も多々あります。

 

つ目の理由は、ミラーレス一眼の中でも動体撮影が得意ということです。僕は動体撮影メインの仕事は受けませんが、いろんな撮影をする中で時々動体撮影を行う時もあります。そんな時にも馬以外なら大抵の動体撮影ができるE-M1の像面位相差AFは頼りになり、走ってくる車、走っている人ぐらいなら普通に撮れます。他の人のレビューを見ていると、レーシングカーや走っている犬などの撮影している人もいますね。

 

 

 

以上の理由から、僕はオリンパスのカメラを使っています。しかし、これは僕が求めるものとオリンパスのコンセプトが合致しているだけであって、他の人に当てはまるかと言うとそうではありません。この記事を書いているのも、人それぞれ求める要素が違うからです。自分自信が求めるものと、メーカーや各カメラのコンセプトを照らし合わせて、ご自身に合ったカメラを選択してください。

  

動く被写体をメインで撮るならニコンかキヤノンの一眼レフだけど、撮影環境や予算で選択肢が変わる

動く被写体をメインで撮るならやはりキヤノンかニコンがコスパがいいです。ミラーレス一眼でも動体撮影が実用的になってきましたが、ミラーレスで動体撮影を行うことを考えるとどうしても全体的にコストが高まりますし、環境が悪いと一眼レフの方が安定してピンとを合わせ続けられるケースが多いです。

 

さて、キヤノン、ニコンのカメラでどれを選ぶか悩むところではありますが、候補に上がるのはこの4機種でしょうか。

 

f:id:photographerti:キヤノンの7DMarkⅡと80D、ニコンのD500とD7200の比較

※引用元:価格.com -キープ一覧

 

キヤノンの場合は、80Dから低感度でのダイナミックレンジが改善されているので低感度を多用するという場合は80Dがいいかもしれません。高感度では7D MarkⅡの方が性能がいいので、トータルバランスで考えると7D MarkⅡですね。ニコンの場合は、安い方のD7200を選んでも大きな不満はないと思います。もちろんD500の方がいいですが、一般の方の場合はD7200でも十分撮影に対応できるはずです。 

 

ただ、キヤノンとニコンはレンズに違いがあります。

 

キヤノンの70-200mm F4のレンズは、手ぶれ補正付きと無しのタイプが現行型として販売されています。一番安い70-200mm F4手ぶれ補正無しのタイプは新品で9万円ちょっと、中古なら6万円弱で買える値段なのに写りは良くAFも速いです。動体撮影時にはシャッタースピードを速くすることが多いので手ぶれ補正は最悪無くてもある程度撮れるので、超望遠域でない動体撮影ならこのレンズでも十分に対応できます。ちなみに、F4の手ぶれ補正付きなら中古で8万円弱で買えます(ニコンの70-200mm F4は中古でも10万を少し超えてしまいます)。

 

ただキヤノンの手ぶれ補正(以下IS)付きのレンズを買う場合は中古ではなく新品がいいです。キヤノンのISレンズは、ISオフの時にはロック状態にありますが、IS作動中はロックが外れてユラユラ動きます。そして、ISをオフにする、又はシャッター半押しをやめて約1.5秒経つとまたロックされますが、ISレンズがロックされる前にレンズを取り外してしまうとISレンズは放り出されてしまいます。この状態で機材を運ぶとISユニットの故障に繋がってしまいます。中古レンズの場合は誰がどんな使い方をしているか分かりません。手ぶれ補正がないレンズなら中古でもいいのですが、手ぶれ補正つきのレンズを中古で買うと、すぐにISユニットが壊れたりするリスクがあるので注意が必要です。

 

また、最近発表になったキヤノンのEF70-300mm F4-5.6 IS II USMはギリギリ5万円代で買える値段なのに高画質・高性能なレンズのようです。旧型の70-300mmは設計が古いので性能が並でしたが、新しい70-300は大幅にAF性能も画質も良くなるのにこの値段で買えるとなると、動体撮影が得意なキヤノンのコスパは鬼に金棒になります。ニコンの70-300は画質は良くてもAFスピードはまずまずなので、キヤノンの方が選択肢としては広いですね。

 

あと、キヤノンなら100-400mm、ニコンなら80-400mmというレンズがあります。この2つのレンズは、画質やAFに大きな違いはないものの、ニコンの80-400mmは埃が入り易いという特徴があるので、撮影環境次第で選択することになると思います。キヤノンの100-400mmは防塵防滴対応なので、砂埃が舞っている、又は埃が多いような環境で撮影することが想定されるなら、迷わずキヤノンがいいでしょう。

 

ちなみに、キヤノンの100-400mmはⅡ型が現行品でⅠ型は生産終了となっていますが、Ⅰ型は中古で約9万円程で購入できます(Ⅱ型の新品は20万ちょっと)。古いタイプでもかなり動体撮影に対応できるので今だに人気がありますが、先ほどの話にもあったように手ぶれ補正付きのレンズを中古で買うのはリスクがあるのでご注意ください。

 

動体撮影も対応しながら静物撮影にも正確なピント合わせができるソニーの一眼カメラ(Aマウント)

ソニーの一眼カメラには、トランスルーセントミラーという他社にはない独自の技術を用いて開発した、一眼レフとミラーレス一眼の良いとこ取りのカメラを開発しています。この技術のおかげで、

 

①高速連写を低コストで実現。

②AFセンサーへの光が遮断されない為、動体撮影が得意なキヤノン、ニコンとほぼ同等な動体撮影性能(α77Ⅱの場合)。

③位相差AFと像面位相差AFを組み合わせた高速高精度なAF。(現時点では先日発表のあったα99Ⅱがこの機能を搭載)。

動体撮影が得意な位相差AFを搭載しながら電子ファインダーを採用したことにより、正確なマニュアルでのピント合わせが可能。

 

といったメリットを得ることができました。

 

ここで、トランスルーセントミラーを少し解説します。通常、一眼レフにはミラーがあり、そのミラーに反射してファインダーに像がやってきますが、ソニーの一眼レフにはミラーの代わりに透過ミラーを採用しているんです。

 

f:id:photographerti:ソニーのトランスルーセントミラーテクノロジーの説明

※引用元:インタビュー:ソニーに訊く「トランスルーセント・ミラー・テクノロジー」の秘密 - デジカメ Watch Watch

 

通常の一眼レフは、シャッターを切るとこのミラーが上がります。同時にシャッターが開くことで一番奥にあるイメージセンサーに光が当たり、その光が電気信号に変えられて画像になっていきます(上記画像左)。しかし、透過ミラーを採用した場合はミラーの動きがありません。高速連写中にAFを作動させようとすると、ミラー制御の技術や壊れにくい部品等コストがかかりますが、トランスルーセントミラーならそのコストが浮きます。その為、低コストで高速連写が可能となりました。

 

また、通常の一眼レフではシャッターを切る毎にAFセンサーへの光が途切れ途切れになるのに対して、AFセンサーへの光が途切れれない為、可動式のモニターを見ながら位相差AFを作動させられます。これはかなり便利で、ニコンにはできないことです(キヤノンは、モニターを見ながらの撮影では像面位相差AFが使えるのである程度対応できます)。

 

そして注目したいのが、電子ファインダーです。通常、動体撮影が得意な位相差AFセンサーは一眼レフにしか採用されません。そして、一眼レフはミラーがあるのでイメージセンサーに常に光が届けることができない為、電子ファインダーを採用することができません。

 

しかし、トランスルーセントミラーなら、動体撮影が得意な位相差AFセンサーを搭載したまま、透過ミラーによってイメージセンサーに光が当たっているので、電子ファインダーを採用することができます。電子ファインダーでは、マニュアルでピント合わせを行う際にファインダー内で拡大することができ、ピントが合っている場所を色で教えてくれるピーキング機能を利用することができます。光学ファインダーではマニュアルで正確にピントを合わせるのはほぼ不可能ですが、電子ファインダーなら楽々合わせることができます。

 

ところで、位相差AFを採用している一眼レフは、ボディとレンズの組み合わせによって前ピン後ピン現象が発生します。これは、AFでピントを合わせたのにピントが少し前後にズレてしまう現象で、カメラやレンズの機能を使ったりメーカーに調整してもらうことである程度解決するものの、新しいレンズを買えばその都度チェックして調整しなければいけません。なので、一眼レフは動体撮影が得意ですが静物を撮るには少々厄介な問題を抱えています。

 

しかし、そのデメリットをソニーは解消しつつあります。像面位相差AFを採用したα99Ⅱは、ボケている状態では位相差AFを使用し、ピントが合う段階では像面位相差AFでピントを合わせているようなのでかなりAF精度が高いです。また、電子ファインダーのメリットも得られるので、トランスルーセントミラーを採用したソニーのカメラは鬼に金棒状態です。僕も電子ファインダーを使った撮影をしていますが、ファインダー内での拡大表示はすごく便利なんです。とくに、視力が悪い人にとっては一眼レフの光学ファインダーは見えないらしく、とても便利だそうですね。

 

電子ファインダー特有のデメリットとして、動体撮影時に表示の遅延であったり、連写を行った際にパラパラ漫画みたいになることがよく挙げられますが、α77Ⅱはかなり見やすいEVFになっているようで、α77Ⅱを使って動体撮影をしている人も多いです。動体撮影を行う為のレンズも最低限は用意されているので、レンズの選択もそこまで困ることはないはずです(防塵防滴のレンズは少ないので、悪環境での撮影はキヤノンがオススメです)。

 

また、α9では電子ファインダーのブラックアウトがないカメラになります。将来的には、この仕様がミラーレスの標準装備になると思うので、近い将来電子ファインダーのデメリットは無くなるでしょう。

 

 

ちなみに、次のα77Ⅲではα99Ⅱで採用されるような像面位相差AFが搭載されるはずです。そうなると、フルサイズでもAPS-Cでもピント精度が抜群に良いカメラが揃ってくるので、そこからのソニーのシェア拡大が始まると予想しています。

 

小型軽量という点に関してはオリンパスの方がメリットがあるので、僕自身がソニーのカメラを導入することはないかもしれませんが、動体撮影も対応できて静物にも正確なピント合わせがしたいという方はソニーを強くオススメします。

 

GPSを利用したフィールド撮影、天体撮影、風景撮影ならペンタックス

ペンタックスのカメラの操作性、使い勝手はおそらく全メーカーでもトップクラスです。僕も使ったことがありますが、絞り優先とシャッター速度優先をモードダイアルの変更なしに瞬時に行えるハイパープログラム、マニュアルモードでも瞬時に適正露出にできるグリーンボタン等はとても便利な機能です。ペンタックスはAF系が苦手なので、動体撮影メインの人にはオススメできませんが、その他の撮影をする人にとってはあえてペンタックスをオススメしたいぐらいです。

 

とくに、風景や天体写真を撮る人にはオススメです。例えば、ペンタックスにはGPS機能がついていて、いろんな場所で撮影する人にとっては便利な機能です。そして、ボディ内手ぶれ補正とGPS機能を利用したアストロトレーサーという機能があります。通常、長時間露光で撮影する天体写真は星が少しずつ流れて写ってしまいます。しかし、アストロトレーサーの機能を利用すると長時間露光を行っても星がきちんと点として撮影することができます。

 

また、フルサイズのK-1からはマウント部やメニューを照らすアシストライトが搭載されています。これは、とくに天体等の夜間の撮影が多い人にとってはとても便利なものです。モニターも、横位置でも横位置でも見やすく動くので使い勝手はかなりいいです。

 

他には、3640万画素のイメージセンサーの基本性能が高く、さらにリアルレゾリューションというイメージセンサーを少しずつ動かして4回撮影することで、一眼カメラの中ではトップの画質になります。リアルレゾリューションは動く被写体の補正が100%綺麗に仕上がるというわけではありませんが、基本性能の高さにくわえてより低ノイズ、広いダイナミックレンジで撮影できる為、風景等の撮影をされる方にとっては魅力的なカメラになっています。

 

また、K-1はフルサイズですが、K-3ⅡやKPなどはAPS-Cサイズのカメラです。

 

f:id:photographerti:20170819144823p:plain

出典:価格.com - ペンタックス(PENTAX)のデジタル一眼カメラ 人気売れ筋ランキング

 

K-3ⅡやKPもイメージセンサーの規格が違うだけで似たカメラになっています。アシストライトはありませんが、その他の便利な機能やイメージセンサーの基本性能は高いので、小型軽量でアストロトレーサー等が必要な人、風景メインで撮影していきたい人はオススメですよ。

 

幼児の撮影ならRICOHのGR

0〜5歳ぐらいまでの子供を撮影する場合、とくに子供と一対一で撮影する場合は一眼レフよりも高級コンパクトカメラであるGRの方がオススメです。RICOHのGRと幼児の撮影に関してはこちらの記事で紹介しているので、小さなお子さんがいる、又はこれから子供が生まれるという人は参考になると思います。

 


最後に

カメラだけではないと思いますが、各メーカーそれぞれコンセプトや得意不得意があります。なので、全ての人が満足するカメラはありません。カメラ選びの第一歩は、撮影者自身が自分が求めているものを理解し、それに合ったカメラを探す。ということです。この工程を怠ると、使えないカメラだ!とイライラしたり、写真を撮ることが楽しくなくなりますので、カメラ選びはしっかり考えて下さいね。

 

f:id:photographerti:オススメ一眼カメラの作例