マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

防塵防滴でも結露で故障する3つのパターンとその対策




 

防塵防滴のカメラなのに雨で故障した!なんてケースは時々耳にします。ですが、そのほとんどは防塵防滴性能には問題がなく、内部で結露が発生したことによる故障です。では、結露させないようにするにはどうすればいいのか?今回は、結露させてしまうよくあるパターンとその対策をご紹介します。

 

とその前に、前提としてなぜ結露が発生するのかだけご説明します。

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この図は、ものすごく簡単に結露を説明した図です。グレーの丸が空気の温度。水色の水滴が空気中の水蒸気量です。通常、空気中には水蒸気があり、空気中の水蒸気量は湿度◯◯パーセントと表記します。そして、空気中に保持できる水蒸気量は気温で変わり、気温が低くなるとその量は少なくなります。

 

つまり、右側は空気の気温が下がることで保持できる水蒸気量が少なくなり、溢れてしまっている状態です。このような状態になると空気中に小さな水滴がたくさんでてきて、霧のようになります。これが結露の仕組みです。

 

パターン①:冷たいカメラを暖かい室内に持ち込む

さて、一番多いパターンは冬場で、屋外で冷えたカメラを暖房の効いた室内に持ち込んで結露するケースです。冬場は部屋の中が加湿されていることが多く、また灯油を使うようなファンヒーターやガスファンヒーターは、燃料が分解されて水蒸気を生み出します。なので、冬場の室内は基本的に外よりも空気中の水蒸気量が多いです。そんな環境に冷えたカメラを持っていくと一瞬で結露を起こします。

 

対策①:カメラをビニール袋やジップロックに入れて(できれば乾燥剤も一緒に)口をしっかり閉じ、なるべく部屋の温度に慣らしてから室内で使う。

 

対策②室内と屋外で撮影する場合は、予め室内用と屋外用に分けておく。

 

パターン②:室内の温度に慣らしきっていないのにレンズ交換をする。

手で持って撮影しているとカメラ自体は温かくなります。また、室内で馴染ませている最中も、手で触った感じでは温かくなります。ただ、カメラ内部はまだ冷たいというケースもあるので、そんな状態でレンズ交換をしてカメラのマウントを空気中に晒してしまうと、知らぬうちにカメラ内で結露を起こしている可能性があります。

 

対策①:触って室温に慣れてきたなと思ってからさらに小一時間は待つ

 

パターン③:レンズ交換時に水蒸気量の多い空気をカメラ内に取り込み、その後カメラを一気に冷やす

カメラを部屋の温度に完全に馴染ませてからレンズ交換した場合、カメラ内部には水蒸気量の多い空気が入り込みます。その時はしっかり馴染ませていて問題がなくても、その状態で一気にカメラを冷やすとカメラ内部で結露してしまいます。

 

対策①:暖かい空気に慣らしたカメラを冷たい空気に晒す場合、移動時に一度レンズとカメラを外してカメラ内の空気を入れ替える。

 

雨の日の車内も要注意

雨の日は自然と空気中の水蒸気量が上がります。その状態で複数人が車に乗っていると、人の息や汗などで空気中の水蒸気が徐々に車内に溜まっていき、冷えたカメラが結露を起こすことになります。とくに、息が上がっている状態で車内に乗る時は注意が必要です。

 

梅雨の時期や夏場も気をつける

夏場、室内はエアコンで室内を冷やすと思います。その際、冷えた部屋で慣らしたカメラを屋外に持っていくと結露する場合があります。とにかく温度差には気をつけましょ。

 

結露してしまったら

気をつけていても結露してしまった場合は、絶対に電源は入れないことです。そして、乾燥剤と一緒にしばらく保管するか、風通しの良い湿気の少ない場所でしばらく乾燥させましょう。

 

予防方法

温度差が激しい場所を行き来する場合は、機密性の高い袋とシリカゲルをいくつも用意しておくのが無難です。故障して数万円払うよりも、数千円で予防できるのであればそれにこしてことはないでしょう。