- 100%表示とは気づかないレンズの描写性の良さを軽量で実現
- ガイドナンバーが丁度良いスマホサイズのストロボ
- フォトショップを使いこなせれば画質は更に良くなる
- イメージセンサーのブレイクスルーがきたら鬼に金棒
ニコンからはZ7・Z6が。キヤノンからはEOS Rが発表されカメラ業界が盛り上がっています。それぞれ新しいマウントになり、新しいレンズが登場。いよいよ、カメラ業界の2大メーカーがミラーレス一眼市場に本格参入?ということで、今後の業界の展開にワクワクしてきました。それに伴い、とりあえずキヤノンとニコンの感想をそれぞれ記事にしましたが、
改めて、キヤノンとニコンのフルサイズミラーレス一眼を見てマイクロフォーサーズのバランスの良さを実感しました。と言っても僕個人の話ではありますが、なぜマイクロフォーサーズのバランスが良いのか?僕の用途を含めご紹介していきます。
100%表示とは気づかないレンズの描写性の良さを軽量で実現
普段、仕事の撮影ではオリンパスのPROレンズを使っています。主に使っているのは
このレンズで仕事の7割程を撮影しているのですが、これらのレンズがよく写ります。とくに驚くのは12-100mm PRO。人物や料理など、このレンズで撮るものが多いのですが広角でも望遠でも欠点が見当たらない程良いレンズです。
以前は5DmarkⅡを使っていて、24-105mm Lや100mmマクロなどを中心に使っていたんですが、遜色ないどころか12-100mmの方が良く見えます。ただ、光学設計の世代を比べれば当たり前なので、先日発表があったEOS R + RF 24-105mm Lのサンプルと比較してみましたが、それでも遜色ないレベルだったのには驚きました(RF 24-105のサンプルをE-M1と同じ画素数に合わせて100%表示で比較。但し、条件が全然違うのであくまで主観での感覚です)。
これはローパスフィルターレスのおかげというのもあると思います。5D MarkⅡからE-M1に変えた時に、写真の抜けと解像度が一段と良くなったのに驚きましたが、ローパスフィルターがないことでの恩恵はかなり大きいと感じています(規則的な模様のデザインや無地の服などにはモアレが出てしまうというデメリットもあるので、商品撮影ばかりの人はオススメできません)。
もちろん、他社のレンズに対して描写性が特別優れているわけではありません。画素数によるものの、他社のレンズも100%表示にしているのが気づかないレベルのレンズはたくさんありますが、12-100mm PROの最大の特徴は
- 広角側が24mm
- 35mm判換算24-200mmというズーム幅
- 重量が561g
- 防塵防滴
- 最大撮影倍率がハーフマクロ
でありながら100%表示でも耐えられる描写性ということです。しかも、絞り開放であっても周辺の解像度はあまり落ちず実用的です(近接撮影など、条件によっては絞らないと周辺が甘くなるケースもあります)。おそらくフルサイズで24-200mm F5.6みたいなレンズを開発すれば、同じサイズで同じ描写性になると思いますが、現時点ではまだ存在していないと思います。
僕の撮影スタイルとしては、基本的に出張先で撮影機材をセッティングして撮影することがほとんどです。その為、フットワークを軽くする為になるべく機材を軽量化したいという欲があります。その欲に応えてくれるのがマイクロフォーサーズです。
このレンズがあるおかげで標準ズームと望遠ズームを使い分ける必要がなくなり、画質に妥協せず一本で様々な撮影に対応することができるようになりました。超広角レンズが必要ない時は、E-M1に12-100mm PROだけで撮影することができます。これだけ僕の要望を満たしてくれるレンズは他にはありません。
ちなみに、この記事の合間に出てくる写真は、ストロボの写真以外全て100%表示をして中心部だけ切り抜いた写真です。と言っても、ブログの記事で見る限りでは参考にならないかもしれませんが、いろいろな写真を100%表示にして切り抜いてみると改めて描写性の良さを実感しますね。
ガイドナンバーが丁度良いスマホサイズのストロボ
もう1つ、マイクロフォーサーズのバランスの良さはストロボです。僕はオリンパスのFL-600Rでワイヤレスの多灯ライティングで撮影することが多いんですが、FL-600RはスマホサイズでありながらGN50(ISO200)と普段の撮影で十分実用的です。
このストロボのGNとサイズのバランスが丁度いいんです。商品や料理、人物を撮る際でも、発光量を1/2か1/4ぐらいに落として撮影しています。被写界深度を稼ぎたい時はF11〜F13ぐらいでフル発光にして丁度いいぐらい。僕の場合は、モデル撮影のように連続して何百枚も撮ることはないので、このストロボでも十分だったりします。と言っても、通常のポートレートぐらいなら十分実用的です。また、時々光量を稼ぎたい時がありますが、そういう時は2灯を1つにして使います。
そして、僕は普段マンフロットのバックパック MB MP-BP-50BBを使っていますが、このバックパックの中にFL-600Rを5つ入れてます。FL-600Rの重量は255gと軽量なので、5つのストロボをバックにしまうことを考えると重量は大きなポイントです。1つのストロボが100g重くなれば500gの差になるからです。
キヤノンからEOS Rが発表された時に小型のストロボEL-100が発表になりましたが、これは少しGNが足らない上、単三電池2本なので200枚前後の撮影で電池切れになる(FL-600Rは小型ながら単三電池4本なので500枚前後撮影できます)。富士フイルムのストロボもワイヤレスで使えるけど、大きくて重い。ニコンも同様。実際の撮影で実用的なGNでありながら軽量化ができるという点で、FL-600Rはストロボの多灯ライティングにはベストな機材です。ソニーは、ストロボ以前に防塵防滴が不安なので仕事では厳しいです。
ちなみに、普段はマスターに1つ、スレーブに3つ、予備や光量確保でもう1つという使い方です。更に光量が欲しい時はE-M1に付属するストロボFL-LM2をマスターにして撮影します。付属のストロボはGN10ですが、マスターで使う分には十分の光量です。なにより、普通にマスターとして機能するのがありがたいですね。
フォトショップを使いこなせれば画質は更に良くなる
12-100mm PROを筆頭に、マイクロフォーサーズのレンズはよく写ります。さらに、ストロボのGNとサイズのバランスの良さが加わり、僕の仕事ではマイクロフォーサーズがベストな機材となっています。
但し、マイクロフォーサーズは高感度よりも低感度が弱点です。実際の撮影では、高感度は被写界深度を合わせて撮影した場合は差が出なかったり、シャッター速度を遅くできるシーンでは手ぶれ補正の効果もあり差が縮まったりします(参照ページはこちら)。ですが、低感度でも若干ノイズが乗ってくるのがマイクロフォーサーズのウィークポイント。もちろん、フルサイズに比べてという話でありノイズリダクションなどをかけなくても十分実用的ではありますが、フォトショップのRAW現像を使いこなせるようになっているとマイクロフォーサーズの幅は広がります。
画像のノイズを上手く消すフォトショップのRAW現像・レタッチテクニック
詳しいやり方はこちらの記事で解説していますが、RAW現像時と現像後に一手間加えるだけでマイクロフォーサーズの画質は一段と向上し、弱点をカバーすることができます。
イメージセンサーのブレイクスルーがきたら鬼に金棒
実際の撮影では、E-M1の画質は十分すぎます。まだまだ余裕があるぐらいなので、今の時代は特殊な撮影でない限りどんなカメラでも問題がない画質になっています。とは言え、E-M1 MarkⅡでAPS-C並になり、次はそれを超えてくるかな?と考えると少しワクワクしますね。さらにイメージセンサーのポテンシャルが上がれば、マイクロフォーサーズは鬼に金棒状態になると思うので、マイクロフォーサーズ開発陣には期待しています。