マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

取材撮影時に超広角レンズが必要な3つの理由




最近、カメラマンではないけど撮影しているという方によく出会うのですが、超広角レンズを持っていらっしゃる方の割合がかなり少ないのが気になりました。一眼カメラは使っているけど、レンズは最初のセットのものだったり高倍率ズームだったり。時々単焦点レンズをつけている方もいらっしゃいますが、超広角はまず見ないです。

 

そこで今回は、

 

  • 取材撮影をしないといけないけど、カメラマンではないからどんなレンズを使えばいいか分からない。
  • 結局キットレンズだけで撮影している。

 

という方に向けた、取材撮影時になぜ超広角レンズが必要なのか?というテーマで書いてみたいと思います。

 

①部屋の隅から隅までを1枚で写せる

真横に90度以上の広さを写そうとするなら35mm判換算で15mmぐらいは必要になります。横縦比が2:3のカメラなら、35mm判換算14mmのレンズで真横に約104度。マイクロフォーサーズのように3:4の横縦比なら、35mm判換算14mmで真横に約100度です※各レンズが35mm判換算で何ミリなのかはメーカーHPの仕様欄に記載があります)。

 

大体14mmで真横に100度ぐらいになるので、せめて15mmぐらいは必要になってきます。これが、普通のキットレンズになると真横に70度前後。空間全体を写すにはどうしても物足りない画角になります。

 

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実際に写真を見てみるとこんな感じです。上の写真は、部屋の隅っこに立ってお腹の前でカメラを構えて撮影。レンズはオリンパスの7-14mm PROの広角側なので、35mm判換算14mm。このレンズを使えば、部屋の隅から隅までが写ります。

 

このように、空間全体を1枚で写したい場合は超広角レンズが必要になってきます。

 

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ちなみに、サンプル写真は滋賀のビワコホームさんで撮影させて頂いたもの。凄くオシャレな感じの住宅ばかりなので、撮影時はいつも楽しく撮らせてもらってます。

 

②商品・料理とその空間を一緒に写せる

テーブルの上においた商品・料理の写真を普通に写すのは、キットレンズでも可能です。例えばこんな感じ。

 

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特別背景を大きくボカすような撮影ではなく、テーブルの上の被写体をシンプルに写すならキットレンズでも十分。ただ、これではテーブルの上で完結してしまい、このお店がどんなお店なのかが分かりません。

 

そこで、超広角レンズの出番です。背景の写る範囲は、望遠から広角になればなる程広く写り込んできます。

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 ↑ こちらは普通の広角(28mm)から中望遠(70mm)までの背景の写り方の変化ですが、超広角になればもっと背景が写り込んできます。実際に超広角で撮影した写真がこちら。

 

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カフェのお店でパフェと店内の雰囲気を一緒に写したかったのでこのような撮り方をしました。もちろん、ピザなどの平らな被写体だと真横から撮影するのは厳しいですが、少しカメラアングルを変えれば店内の感じも一緒に写せます。縦向きで撮影ができるならさらに店内の雰囲気は写り込んできます。

 

このように、被写体と店内の雰囲気を一緒に写そうとすると超広角レンズがないと厳しいです。これは人物でも同じですね。

 

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 ↑ こちらは、滋賀県近江八幡市にあるスポーツクラブのアクトスさんで撮影したもの。店内の広さや器具が多いイメージを写真1枚で表現したかったので、35mm判換算16mmで撮影。

 

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 ↑ こちらは、滋賀の遠藤醤油さんでの一枚。醤油のタンクを背景に撮影したかったので35mm判換算14mmで撮影しました。

 

③ダイナミックな表現ができる

超広角レンズになると、手前が大きく後ろは小さくといった遠近感が強くなっていきます。

 

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こちらの画像は普通の広角(28mm)から中望遠(70mm)までの背景の写り方の変化ですが、超広角になればもっと遠近感が強調されます。その遠近感を強調させて撮影したのがこちら。

 

 

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手前が大きく後ろは小さく写るということは、それだけ奥行き感も強調されます。キットレンズだとここまで遠近感は強調されないので、悪く言えば平凡な写り方になりますね。

 

少しダイナミックに表現したい時、少し変化をつけない時は超広角レンズの出番です。被写体の形が少し崩れるので、人物を端に配置したりすることは避けるなど多少扱いづらい点もありますが、うまく活かせば表現の幅をグッと広がります。

 

最後に

仕事で撮影するなら、超広角レンズは必ず必要になると考えています。もちろん、シーンによっては標準ズームレンズだけ、高倍率ズームレンズだけで撮影することも可能ではありますが、超広角レンズが必要になるシチュエーションは約7割です。

 

取材系はきちんとカメラマンが同行されないケースも多々ある為、超広角レンズを扱えるようになれば他社媒体に写真のクオリティで差をつけることもできますね。写真上達は一朝一夕では難しい為、きちんと基礎練習の仕方を学び、早く超広角レンズ導入し場数をこなすのが一番です。是非トライしてみて下さい。