マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

《世のパパさんへ》小学校の運動会は望遠400mmでギリギリ撮れるけど理想は600mm




 

先日、子供の運動会に行ってきました。一眼カメラには潔く望遠レンズだけをつけて撮影してきましたが、今回使ったのはオリンパスの40-150mm F2.8 PROに1.4倍のテレコンをつけたもの。カメラはE-M1です。

 

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この組み合わせだと、35mm判換算で112-420mmのレンズになります。絞り開放はF4(ボケ量は35mm判換算でF8相当)です。正直なところ、保護者が運動会で撮影する場合望遠側400mmというのは

 

あと少し足りない…

 

と感じることが多くなる焦点距離です。幼稚園・保育園ぐらいの撮影なら大丈夫ですが、小学校以上のグラウンドになると少し物足りない。理想としては600mmぐらいまで使えるとストレスなく撮影できるでしょうか。400mmの望遠だと、撮影場所を工夫したり撮影後にトリミングが前提になったりします。ではなぜ僕はこのレンズをチョイスしたのか?それは、僕が持っている一番の望遠レンズだからです(笑)

 

正直、仕事でもこのレンズを使うこと自体少ないぐらいなので超望遠域はほとんど必要ありません。なので、このレンズさえあれば仕事で困ることはありません。

 

ということで、今後500mm以上の望遠レンズを導入するかはさておき、今回は400mmでも撮れる場所を探しながら、時々トリミングを前提にして撮影してきましたので、世のパパさんの来年の参考になれば幸いです。

 

記事が遅いというツッコミはご遠慮下さい...

 

※この記事の内容を理解してもらう為に、前提条件として焦点距離について理解しておく必要があります。焦点距離についてはこちらの記事で解説していますので、併せてご覧下さい。

 

《一眼に望遠、広角はコンパクトに》という役割分担

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CAMERA:GR

 

最初に、今回使用した機材とそれを選んだ理由についてだけ触れておきます。

 

まず、一眼カメラはE-M1の1台だけ。レンズは望遠レンズだけ。ただ、望遠レンズだけだと引きの写真が撮れなくなるので、引きの写真用にベルト通しにGRを固定しておきました。僕は仕事でもプライベートでも、フットワークを軽くすることを重要視しています。なので、できればカメラも1台で済ませたい。でも1台だけだと広角系が全く撮れなくなるので、GRを選びました。ちなみに、一応サブカメラと12-100mm、7.5mmを持っていきましたが、これらの機材は待機だけで終わりましたね。

 

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CAMERA:E-M1

 

実際に使ってみると、一眼カメラには望遠レンズを。腰にはGRなどのコンパクトカメラという組み合わせは理想的だと感じました。子供達が移動したりすると、トラックの反対側へ走っていく時が何度かありましたが、そんな時に一眼カメラ2台をぶら下げていると億劫です。使うシーンがほとんどないのに一眼カメラを持ち歩くのも気が引けますので、そんな時は高級コンパクトカメラに任せるのも良い選択ではないでしょうか。

 

仕事で撮る場合は広角から望遠までいろいろ使いたくなるので、2台持ちにするか高倍率ズーム一本でフットワークを軽くして撮るかは悩みどころですね。

 

400mmのトリミングでどこまでいけるか?

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CAMERA:E-M1

 

さて、グラウンドの中に入れるのであれば400mmあれば十分です。ただ、グラウンドに入れずテントからしか撮影できない保護者にとっては、400mmはちょっとキツイ。先ほども触れたように、望遠側があと少し足りないと感じてしまいます。

 

上の写真は、グラウンドの丁度真ん中ぐらいで体操している約127cmの子ですが、これも少しトリミングしています。トリミングは少しだけなので、実質焦点距離に換算すると480mmぐらいでしょうか。500mmぐらいあると、トリミングも安心してできるなと感じました。

 

ちなみに、今回何枚かトリミングをしてみましたが、一番トリミングするであろうと想定されたケースはフルサイズとAPS-Cぐらいの差でした。

 

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上の画像の真ん中の白い部分がトリミングをしたところです(これはフルサイズからAPS-H程度のトリミング。APS-Hは、フルサイズとAPS-Cの間ぐらいの大きさ)。競技の向きと撮影場所を考えると、400mmぐらいでも少し小さくしか写りません。なので僕は白い部分で切り抜いたのですが、子供をもう少し大きく写したいと思うのであればさらにもう一段トリミングする必要があります。

 

E-M1の画素数は1600万画素ですが、上の画像からさらに1段切り抜いた場合は長編が3000pixelぐらいになり、凡そ600万画素程度になります。ピントも合って露出も大きく外していなければ、丁寧な現像を行うことで大きめのプリントにもギリギリ耐えられるかなという印象です。

 

リレーはカーブを抜けた辺り、100mm走はゴール前で対応可

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CAMERA:E-M1

 

運動会と言えばリレーや100m走も見所ですが、走る系は400mmあれば十分じゃないかと感じました。上の写真はリレーのアンカーで、ご覧のようにカーブが終わりかけて直線に入りかけたぐらいです。実際にはカーブの終盤ぐらいから狙いを定めて連写していますが、その中で一番良いカットを選びました。

 

この時の焦点距離は35mm判換算で240mm。フルサイズなら70-200ぐらのレンズで一番望遠側にして丁度良いぐらいの距離感です。撮影場所はテントのすぐ後ろで、人の間から撮影しています。背景のボケ量はフルサイズのF8程度なので、フルサイズの70-200mm F4のレンズを使えばもっと背景をボカすこともできますね。

 

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CAMERA:E-M1

 

学校にもよりますが、50mm走や100m走などはゴール付近から狙えると思います。上の写真はゴールより少し手前ぐらいで、焦点距離は35mm判換算で420mm。なので、今回は400mmあれば十分でした。最悪300mmあれば、多少トリミングが必要かもしれませんが十分撮れそうですね。

 

踊り、組体操系は400mmでは心細いかも

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CAMERA:E-M1

 

組体操系は、身長もそこそこ大きい子供が行いますが、グラウンド真ん中より後ろの方にいる子供は400mmだとトリミングを前提にしないといけません。上の写真は、グラウンド真ん中よりほんの少し手前で組体操をしている子を35mm判換算420mmで撮影して、少しトリミングしています(フルサイズからAPS-H程度に)。もっと後ろの方に子供がいる場合は大きくトリミングをしないといけないと思うで、そうなるとギリギリですね。

 

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CAMERA:E-M1

 

ただ、子供の場所がいいと400mmあれば十分撮れるケースもあります。上の写真は35mm判換算で凡そ350mm程度。なので、子供が実際にどの辺りで踊るのか?というのをしっかり確認しておかないといけません。子供が遠くで演技を行うのが分かっているなら、超望遠レンズを買うかレンタルするか、何かしらの対応はできます。

 

最低限揃えたい機材は、APS-Cのカメラに70-300mmクラスの良いレンズ。余裕があるならAPS-Cに100-400mmのレンズを。

ここまで、焦点距離が400mmで物足りないケースと対応できるケースをご紹介しましたが、まとめると、

 

  • 最悪400mm程度あればトリミングしてもA4サイズ程度の鑑賞なら大丈夫。
  • プライベートの写真を大きく印刷して細部まで綺麗に!なんてケースはまずないと思いますので、まずはAPS-Cの一眼カメラに70-300mmのレンズ(35mm判換算110-450mm程度)を。
  • もし余裕があるなら、APS-Cの一眼カメラに100-400mmのレンズ(35mm判換算150-600mm程度)も選択肢として考えてみる。

 

ということですね。

 

ちなみに、今回僕が使ったE-M1のポテンシャルはそこそこ高いので、性能が発揮されるように正しく設定してやれば子供の運動会ぐらいなら大抵こなせます。E-M1をはじめとしたマイクロフォーサーズ(MFT)のミラーレス一眼で運動会などを撮影しようとするとコストは上がりますが、一眼レフよりも使いやすいケースも多々あるのでご自身の用途に合わせて一眼レフとミラーレス一眼を使い分けて下さいね。

 

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