マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

12-100mm F4 PROの実測4.5段の手ぶれ補正とズーム全域高画質に驚く




オリンパスから発売されている12-100mm F4 PRO

 

f:id:photographerti:20170308104046j:plain

出典:交換レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO | 交換レンズ M.ZUIKO PRO | オリンパス

 

このレンズが注目されている理由は、

 


  • 35mm判換算24-200mmをカバーしながらもズーム全域で絞り開放から隅まで高い描写性を維持していること。
  • 手ぶれ補正が強力で、最新のE-M1 MarkⅡとの組合せでは約6.5段という業界トップの手ぶれ補正能力を発揮。また、単体でも公表値の5段分に近い手ぶれ補正力があり、パナソニックユーザーでもその恩恵を受けられる。
  • 他のPROレンズ同様にズーム全域の最大撮影倍率の高さにより、中望遠以下で背景を大きくボカす撮影以外はほぼこのレンズで対応できてしまうこと。
  • PROレンズでは当たり前ではあるが防塵防滴であること。

 

などが挙げられます。オリンパスのPROレンズは、その名の通りプロのカメラマンが使っても満足できるレンズになっている為、 値段も約13万円と高いもののその性能は値段に見合ったものになっていますね。

 

 

各社の高倍率ズームと全体的な描写性を比較してみると

さて、オリンパスの12-100mm以外の高倍率ズームは各社最低1本は揃えています。

 

・ソニー:24-240mm F3.5-6.3

 

・富士フイルム:18-135mm F3.5-5.6

 

・パナソニック:14-150mm F3.5-5.6

 

・オリンパス:14-150mm F4-5.6

 

・タムロン:14-150mm F3.5-5.8

 

そして近年の高倍率ズームは、中央付近は絞り開放から良好な画質で、周辺は少し絞ってそこそこ良くなるというレンズが多いです。主役がはっきりしている場合は主役が隅っこに配置されるケースは少ないので、通常の撮影では大きく肩を落とすことはありませんが、12-100mm PROに限っては絞り開放からすでに隅まで実用的でシャープな描写になるので抜群の安定感、安心感があります。実際に撮ってみても本当に隅まで隙がありません。どの場所で被写体を捉えても、PROレンズらしくしっかり写ります。撮る前から分かっていたとは言え、これには驚きました。

 

ちなみに、12-100mm以外のレンズで富士フイルムの18-135mmがありますが、このレンズは唯一12-100mmに近い性能のようですね。望遠側はF8に絞らないと周辺部がちょっと厳しいようですが、どの焦点距離も良い写りです。また最大撮影倍率も35mm判換算で0.4倍と高く、手ぶれ補正も実測で4段程と12-100mmの手ぶれ補正と変わりません。ただ、富士フイルムはボディ内に手ぶれ補正が無く、単焦点レンズにも手ぶれ補正がないのが、個人的には残念です。

 

また、マイクロフォーサーズはF4であってもフルサイズのF8の被写界深度があります。背景をボカしたい撮影には向かないかもしれませんが、逆に被写界深度の深さを必要としている人やそこそこのボケで良いシチュエーションなら十分です。それに、F8とF4は約2段の差があるので、ISO感度もその分上げずに撮ることができます。多少絞ったF5.6でも1段の差がありますね。

 

f:id:photographerti:20170804193259j:plain

安定感を増した手ぶれ補正

ボディ内手ぶれ補正は非常に便利で、E-M1の手ぶれ補正は強力だというのは有名な話です。一般的に、望遠レンズではボディ内手ブレ補正の場合不利だと言われていますが、E-M1は35mm判換算で200mmぐらいなら公表値通りの4段分に近い手ぶれ補正能力を発揮します。200mmで撮る場合、ちょうど4段分のシャッター速度1/13なら7割程度の確率で手ブレを止めることができます。

 

しかし、レンズ内に手ぶれ補正が内蔵された12-100mm PROなら、35mm判換算200mmで4段分遅くしたシャッター速度の場合はかなり安定感が増しますね。さらに、普通に立って撮影するなら4.5段分、体を何かで支えられるなら5段分の手ぶれ補正能力を発揮します。

 

広角側はさすがに5段分の効果はありませんが、ズーム全域で1/10(広角側は1/4)までシャッタースピードを落とせるとなると、静物を撮ることがほとんどの僕にとってはかなり心強いです。

 

オリンパスからはE-M1 MarkⅡが発売されているので、MarkⅡとの組合せなら望遠側で1/4、広角側で1秒〜2秒というシャッター速度で撮れるようなので、そうなると明らかに他社と次元が違います。ズーム全域で1/10のシャッターが切れれば不満が出るシチュエーションはほとんど無くなることと、MarkⅡのAF性能等は必要ないので、今後しばらくは初代E-M1の2台持ちですが、さらに上があると思うと少しワクワクしますね。

 

14-150mmとの組合せでメインとサブの高倍率ズームシステム

12-100mmの完成度の高さを身を以て体験すると、12-40mm PROの必要性が無くなってしまったので今回を機に手放すことにしました。しかし、14-150mmは手元に置いておきます。12-100mmは少し大きく重量も560gとまずまずの重さですが、35mm判換算24-200mmを隙のない描写で撮れることを考えれば十分すぎる程小型軽量です。とは言え、もっと小型なレンズにしたい時もあるのでそんな時は14-150mmを使います。

 

また、12-100mmのサブレンズとしても手元に置いておきます。仕事で撮影する場合、12-100mmが万が一故障した時、広角から望遠のズームが無くなるのは避けなければいけませんので。

 

最後に

今回、機材の整理をして標準ズームと望遠ズームを12-100mmに一本化し、単焦点レンズはMFレンズに変えました。その為、常用レンズは、

 

  • 7.5mm F2
  • 12-100mm F4 PRO(40-150mm PROの時もあり
  • 25mm F1.2
  • 45mm F1.8

 

となりました。

 

どの焦点距離でも安定した画質で撮影できるシステムになりましたね。それでいて、2本の単焦点レンズは卵サイズなので小型軽量にもなりますので、重さは気にせず撮影に出かけられます。