マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

親指AFにしなくても親指AFのメリットを得られるE-M1のカスタマイズ性




普段、プライベートで撮影に出かけられる時や仕事で撮影する時はオリンパスのE-M1を使っています。僕の用途は、プライベートではスナップや風景、仕事はポートレートや商品、料理、建築撮影等、動く被写体以外の撮影がほとんどです。

 

そんな僕がE-M1を使い出してすごく便利だなと感じたことがあります。それが、背面のレバーです。

 

レバー1つでAFとMFを切り替えられる

 

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※画像はオリンパスE-M1の製品ページより

 

赤丸で囲っている部分がレバーになります。このレバーは、1の時はダイアルやダイヤル付近のカスタマイズボタンを登録通りに使え、2にするとISO感度設定やホワイトバランスの設定に瞬時に切り替わるというものです。他にも、AF方式の切り替えに使えます。

 

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※画像はオリンパスより

 

人それぞれ使いたい機能が違うとは思いますが、僕はこのレバーの機能をmode5にして、普段の撮影時はレバー1にシングルAF+MF(AF後にピントリングを回すことでMFに切り替え)。レバー2にはMFにしています。

 

僕が撮影する時、AFで合わせてそのままシャッターを切りたい時もあれば、AFで合わせてMFで微調整し正確にピントを合わせたい時もあります。AFやAF+MFでピントを合わせて、その後はシャッター半押しでピントが動かないようにMFに切り替えたい時もあります。そんな時は、瞬時にAF方式を切り替えられるレバーの機能がとてもありがたいです。

 

親指AFのいいとこ取りができる

ここまでご説明すると親指AFを使えばいいという話も出てくるんですが、確かに親指AFを使えばレバーの切り替えは不要です。親指AFにしてシングルAF+MFにしておけば、僕が望む全てのシチュエーションをレバーの切り替えなしに撮影することができます。しかし、AFエリアを頻繁に変えるような撮り方をする場合、親指AFは不便になります。

 

親指AFを使うと、

 

AFエリア変更(親指)→  AF(親指)→  シャッター(人差し指)

 

という風になります。しかし、親指AFを利用しないと、

 

AFエリア変更(親指)→  AFとシャッター(人差し指)

 

と1アクション減るので、AFエリアを頻繁に変える人にとっては親指AFではなく、シャッターボタンにAFとシャッターの役割を割り振る方が使い易いんです。

 

ですが、普通のカメラなら、シャッター半押しでピントを合わせた後にシャッターを離してしまうと、またピント合わせをやり直す必要があります。なので親指AFにしてAFとシャッターを切り離すことを優先させるか、動作を1アクション減らすことを優先するか、どちらかを選びどちらかを犠牲にしなければいけません。

 

しかし、E-M1ならレバーの切り替えで何時でもMFに切り替えられるので、動作を1アクション減らしながらシャッター半押しでピントを合わせ直しという不便さからも解放されます。

 

AFストップ機能が全てのレンズで

他のメーカーでは、レンズ側にあるAFストップという機能を使うことで、シャッター半押しでピントを合わせた後にピント位置を固定するという撮り方ができます。これはレンズ側にボタンを設け、シャッター半押しでピントを合わせた後にレンズ側のボタンを押すことでAFをストップさせる機能です。

 

しかし、これは全てのレンズについているわけではありません。メーカーによっては望遠レンズにしかついていなかったり、高級レンズにしか採用されていないケースもあります。しかし、E-M1なら全てのレンズで親指AFのメリットを得ることができ、さらに動作を1アクション減らすことができます。

 

この、親指AFにしなくても親指AFのメリットを得られる使い方を体験すると、もう他のカメラが使えないんじゃないだろうかと思ってしまいます。仕事の撮影の時なんかもすごく便利で、ピントが大きく外れた時はAFでざっくりピントを合わせ、レバーを切り替えてMFにし、正確にピントを合わせた撮影がテンポ良く行えます。正直、ピントが大きく外れていてもMFで合わせることはできます。ですが、レバーの切り替えで瞬時にAF方式の切り替えができるので、リズムよく撮影することができます。

 

撮影時のリズム、モチベーションを阻害しないという意味でも、この機能はとてもありがたいですね。今後のE-M1後継機にも、ずっとこのレバー方式を採用してほしいものです。