マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

プロはこう使う!写真が良くなる正しいレフ板の使い方とは?




 

レフ板。写真を撮っている人ならなんとなくでも耳にしたことがあるかもしれません。もしかしたら、知っているけど使ったことがない。そんな方もいらっしゃると思います。そこで今回は、仕事でも通用する写真をストロボなどは使わずにレフ板だけを活かして撮る方法をご紹介します(今回はテーブルフォトが中心です)。

 

自然光を活かして銀レフで影をコントロール

レフ板というのは、そもそも影をコントロールするもの。なので、被写体の影が出る方にレフ板を起きます。使い方を簡単に図で表すと以下のような形です。

 

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光をレフ板に反射させることで、被写体の影になった部分を明るくするという撮り方です。実際にレフ板のありなしでの比較がこちら。

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銀レフなしだとりんごの下側が影で暗くなってしまっていますが、銀レフを置くだけで影の部分が少し明るくなっています。ちなみに、レフ板にもいろいろありますが、代表的なのが表面が白の普通のレフ板。もう一つが、表面がアルミホイルのようなツヤツヤしている銀レフです。銀レフだとより光を反射してくれるので、僕は銀レフを使うことが多いですね。

 

そして、実際に窓からの自然光をメインにし銀レフで影をコントロールした写真がこちら。

 

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こちらは右奥からの自然光と左側に置いた銀レフで撮影。

 

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こちらは、左奥からの自然光と右手前に置いた銀レフで撮影。

 

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こちらは先日の卵サイズのすすめ〜マイクロフォーサーズ編という記事で紹介していた写真ですが、これもやや手前からの自然光と左側に置いたMacBookのアップルマークの面をレフ版代わりにして撮影したものです。

 

これらの写真は、カメラとレンズとレフ板しか使っていません。特別高価な機材がなくても、自然光とレフ板をうまく活かしてやればプロが使うような機材が無くてもいろいろ撮ることができます。先日も、E-M1と45mm F1.8にレフ板だけという今では合計10万円もしない機材で、とある紙面の表紙用の撮影をしていました。

 

太陽光をレフ板のディフューザーで拡散させる

先ほどは、自然光メインでレフ版を使って影をコントロールする撮り方をご紹介しました。次は、レフ板のディフューザー面を活かす撮り方です。まずはこちらをご覧下さい。

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最近のレフ板は、半透明のレフ板に表裏4種類のカバーを取り付けることで、合計5種類の使い方ができるものがあります。このカバーを取ってしまえば半透明の面を使うことができますが、これは太陽の光が直接窓から差し込んでくる時に使います。実際にこれを使っている風景がこちら。

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右側の大きな白い面が、半透明になっているレフ板です。ご覧のように、窓の影が写っていることから、太陽の光が直接差し込んでいるのが分かります。太陽の光が直接当たっていても、半透明の面が光を拡散するのでテーブルの上には影がでません。そして、左側に写り込んでいる黒いものは銀レフです。これも、表裏4種類のカバーを取り付けているレフ板ですね。 

 

先ほど、銀レフの有無の写真をご紹介しましたが、あの写真はこの環境で撮影したものです。

 

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市販されているレフ板にはいろんなサイズがあります。大きなものは150〜180cmのものもありますし、小さいものは50cmぐらいのものもあります。先ほどのディフューザー面の写真は150cmのものなのでそこそこ大きいですが、これも折りたためば50cm程度になります。100cmぐらいのものなら折り畳んでバッグに入れることも可能でしょう。自分が撮る被写体の大きさ次第ですが、レフ板も2つぐらいあるといろいろ使えて便利です。

 

撮影が日中なら自然光を活かすことでプロのクオリティになる

取材先では時間がたっぷりあるわけではないので、日中の場合は自然光とレフ板を使って撮影することが多いですが、正直なところ一眼カメラと標準ズームと安価な単焦点レンズ1本、レフ板2つと10万円の予算でプロのクオリティで撮影することが可能になります。

 

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ちなみに、室内で自然光を活かして撮影する時は、部屋の電気は消しましょう。色温度が違う光が混ざると、色が綺麗にでないことがあります。補正できたとしても面倒なので、撮影時になるべく完成度を高くしておくのがコツです。

 

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ちなみに、こちらの写真は合成ではなく一発撮りです。やや左奥からの太陽の光と右手前の銀レフで撮影しています。

 

銀レフがあるだけで撮影の幅が広がるので、自然光を活かして撮影することが多いという方は持っておいて損はありません。できれば、150cmのと90cmぐらいのものを1つずつ持っておくと便利ですよ。

 

透過レフ板100×150cmレフ部分のみ 折りたたみ可能(23037)

透過レフ板100×150cmレフ部分のみ 折りたたみ可能(23037)

 

 

 

僕もこの2つを持っていて、先ほどのディフューザー面が写っている写真はこの2つです。

 

日が沈んでしまったり、自然光がほとんど入らない場所での撮影はストロボを使うしかありませんが、窓際で撮れるなら大掛かりな機材なしでもいろいろ撮ることができます。飲食店さんなんかは、この2つのレフ板があるだけでメニュー写真ほぼ全て撮影可能ですよ。是非お試しください。

 

ちなみに、今回はレフ板に注目して解説しましたが、編集者さんが取材先で使える写真を撮る為の3つのポイント《被写体別に解説!》 という記事では編集者さん向けにストロボを使わずに仕事で使える写真を撮るポイントなどを被写体別にご紹介しています。興味がある方は併せてご覧になってみて下さい。