マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

初めてのマイクロフォーサーズならE-M1がオススメな3つの理由




 

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普段からオリンパスのE-M1を仕事でもプライベートでも使っていますが、このカメラがいろんな意味でオススメです。すでにマイクロフォーサーズユーザーの方の2台目や、これからマイクロフォーサーズのカメラを試してみようと思っている方にも是非オススメしたい1台です。ではなぜE-M1がオススメなのか?順番にご紹介しています。

 

理由①:フラッグシップの機能性なのに約5万円とコスパが良い

E-M1は、2013年末にオリンパスから登場した最上位機種のカメラです。最初は約15万円程で登場したカメラも、時間が経ち後継機であるE-M1 MarkⅡも登場したことにより、さらに値段が下がっています。その為、シャッター数が1万回前後の綺麗な中古品であっても5万円程度で買えてしまいます。

 

ミラーレス一眼は、一眼レフと違いピント精度が甘くなる前ピン後ピンなどの現象は発生しません。その為、ミラーレス一眼は中古品でも安心して購入することができるので、ミラーレス一眼こそ中古がオススメです。

 

※その辺りの話は、一眼レフは新品、ミラーレス一眼は中古を勧める3つの理由という記事で詳しく解説しているのでご覧になってみて下さい。

 

  

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理由②:操作性が抜群に良いカメラ

僕は普段、広告写真やお祭り・イベント等の撮影するカメラマンですが、仕事で問題なく使えておりとくに不満に感じたことはありません。元々フラッグシップとして登場したカメラなので、使い勝手は非常に良いです。

 

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ツインダイヤルはもちろん、カスタマイズできるボタンが多くそのどれもが押しやすい位置にある為、自分の用途に合わせてカスタマイズできます(E-M1のカスタマイズに関してはこちらで解説していているので併せてご覧下さい)。

 

これは、実際にE-M1以外のカメラを手にした時に実感しました。以前、試しにオリンパスのPEN-Fを手にしてみた時、それぞれのボタンが押しにくくてスムーズに操作することができませんでした。一つ一つのボタンを丁寧に押して、時間をかけて撮影するなら問題がないのですが、やりたいことをサッと行うのは難しかったです。

 

その点、やはりE-M1はフラッグシップだけあってよく考えられていますね。実際に、後継機であるE-M1 MarkⅡでは細かい点は改善されていますが、基本操作は受け継がれています。

 

 

マイクロフォーサーズのカメラは、オリンパスやパナソニックから多くの機種が販売されていています。その中でも、グリップが持ちやすくてカスタマイズ性の高い手頃なカメラとしては、

  

 

などがありますが、E-M5Ⅱはグリップが薄く、少し値段が高くカスタマイズできるボタンが2つ少ないです。G8は悩むところではありますが、値段がE-M1よりも高いです。GX8も少しだけ値段が高く、手ぶれ補正の性能がE-M1よりも劣ってしまいます。

 

私見ではありますが、カスタマイズ性、値段、性能のコスパが一番良いのはE-M1です。もちろん、手に馴染むかどうかは実際に手にとってみないと分かりませんが、まず候補として挙げて頂きたいカメラですね。

 

理由③:スポーツ専門でなければ仕事でも使える性能

安定したAF性能

実際に仕事でも使っていますが、AF性能や手ぶれ補正、ファインダーの基本性能なども、実際に撮影する上でストレスになることはほとんどありません。AF性能も、撮り手がミスしなければAF精度はほぼ100%です。一眼レフを使うよりもAF精度が良いので安心して使うことができます。

 

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こちらの写真は25mm F1.2で撮影していますが、この距離感だとピントがけっこう浅いのが分かります。ですが、ピントは狙った目にしっかり合っています。一眼レフなら中央付近のフォーカスエリアでも精度面で不安が残りますが、E-M1ならどのフォーカスエリアで合わせても安定した精度でのピント合わせが可能です。

 

1/2秒でも安定して撮れるボディ内手ぶれ補正

ボディ内手ぶれ補正は、35mm判換算200mm程度なら公表値である4段分に近い性能を発揮します。広角側なら1/2ぐらいのシャッタースピードでも普通に撮れてしまい、1/2秒で安定して撮れるとISO感度を200以上にするシーンがかなり減ります。

 

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例えば、こちらの写真。12月の日が暮れるのが早い季節の16:00に撮影したもの。空はどんより曇っているような環境でしたが、それでも

 

  • F8
  • 1/6
  • ISO200

 

という設定で撮れています。マイクロフォーサーズならF5.6でもフルサイズのF11の被写界深度になるので、絞りであと1段分光量を確保することも可能です。また、シャッタースピードも気をつければ1/2でも撮れてしまうのであと1段半分光量を確保できます。つまり、かなり曇った日の夕暮れ前の天気でもまだ2段半分の余裕があります。

 

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さらに、同じような環境で室内に入り1/3で撮影したもの。座って普通に撮影しています。

 

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こちらの写真は1/2秒です。

 

先ほど部屋の中で、立った状態で脇をしめ胸の前にカメラを構え、1/2秒というシャッタースピードで試してみたところ、10枚程撮影して10枚全てブレ無くしっかり撮影できていました。撮影距離は2〜3mという環境で、レンズはMFレンズのLAOWA 7.5mm F2です。MFレンズは並進ブレは軽減できませんが、並進ブレはとくに接写時に効果が左右されるので中間距離から遠景で撮るならMFレンズでも1/2で安定して撮影することができます。

 

正確な明るさを確認できる電子ファインダー

ファインダーの輝度調整機能は優秀なので、ファインダー内の明るさだけで露出を1/3段ずつ正確に微調整することができます。僕は、E-M1のダイナミックレンジを最大限活かす為にハイライト側をギリギリ活かす撮り方をしますが、その際にもファインダーの情報を頼りに正確に1/3段刻みで調整しています。

 

他のメーカーだと、世代が古いとファインダーが見にくくなるケースもあったりしますが、E-M1は少し古い機種なものの必要十分なファインダー性能です。

 

子供の徒競走ぐらいなら追従するAF性能

設定さえ最適化してやれば子供の運動会ぐらいなら普通に被写体を追従し、時速60kmぐらいで走ってくる車も秒間9コマのC-AFで9割ぐらいの精度で追従します。中には追従性が悪いという評価もちらほら見かけますが、性能が発揮できる設定さえ知っていれば不満になるシチュエーションはかなり減るのではないかと思います。

 

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最後に

マイクロフォーサーズは高感度が苦手という話をよく耳にすると思いますが、マイクロフォーサーズの本当の弱点は高感度ではなく低感度です。自分が得たい被写界深度のレンズがあるという条件が前提になりますが、高感度性能はフルサイズと比べても被写界深度差で相殺されるので、実際の撮影現場では画質面で肩を並べるケースが多いです。むしろ低感度の方が苦手なので、低感度を多様してシャドウ部を3EVプラスにしても高画質な写真を得たいという場合は潔くフルサイズにした方がいいかもしれませんね(参照:【マイクロフォーサーズは高感度が苦手】は間違い。本当の弱点は低感度のシャドウノイズ)。

 

ただ、僕のケースではシャドウ部をプラスしたとしても2EV程度で、それぐらいなら鑑賞距離では普通に見れるぐらいの画質にすることができます。マイクロフォーサーズのダイナミックレンジを最大限活かす撮り方をしているというのもありますが、カメラのポテンシャルを引き出せばE-M1はかなりコスパの良い買い物になりますよ。

 

 

 

※注意:E-M1は長時間露光でノイズが出やすいので、長時間露光をするならE-M5 MarkⅡ辺りがオススメです。