写真上達の本質を考えてみる

写真講師を続けてきたカメラマンの思考を記事にしていきます

α7RⅢが発表されてもオリンパスE-M1を使い続ける3つの理由


 

先日ソニーから発表されたα7RⅢは、誰もが驚き注目するカメラとなりました 。

 

f:id:photographerti:20171030112940p:plain

出典:α7R III | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

 

studio9さんが詳しいレビューをご紹介されてますが、

 

  • ファインダーはほぼα9と同じ
  • 瞳AFもα9と比べて若干反応が劣るものの十分実用的
  • 操作感もα9と同じでバッテリーも同じ
  • メカシャッター時でもAF・AE追従で秒間10コマの連写が可能
  • ボディ内手ぶれ補正も進化
  • ダブルスロットも採用

 

と、突出した性能と安定性が両立されたと言えると思います。

 

このカメラが登場した時の第一印象は、これからカメラマンとして活動していくという人ならα7RⅢが一番いいんじゃないかということ。24-105mm F4も登場し、大三元・小三元が揃いました。その他の単焦点レンズも揃っています。マウントアダプターを使えばキヤノンのアオリレンズも使えます。

 

ソニー自身は《チャレンジャー》であるという自覚があり、その為にスピード感のある開発を行っていますが、性能と環境が揃ってきたことを考えると近い将来プロカメラマンの中でもソニーユーザーが一番多くなりそうな気がします。

 

ただ、それでも今の僕はオリンパスが良いなと思っているんですが、今回はその理由をご紹介したいと思います。

 

スマホサイズなのに400回発光・LED4時間点灯のFL-600R 

f:id:photographerti:20171029141630j:plain

 

僕は普段、商品・料理・人物を撮ることが多いです。クライアント先に出向き、その場でストロボをセッティングをして多灯ライティングで撮影するんですが、その際に重宝するのがオリンパスのクリップオンストロボであるFL-600R

  

FL-600Rの特徴は、小型なのに機能が犠牲になっていないことです。まずどの程度小型なのかは写真をご覧頂ければお分りになるかと思います。写真ではヘッドを前方向に向けていますが、収納する時のようにヘッドを上方向にしても隣に写っているiPhone6よりも少しだけ大きくなる程度。重さに関しては僅か255gです。

 

続いて機能を見てみると、

 

  • 約400回の発光
  • LEDは約4時間点灯
  • ワイヤレス発光に時にはマスターもスレーブも対応
  • ワイヤレス発光時はカメラやパソコンからマニュアル調光可能
  • カメラに取り付けるものを含め最大4グループに分けて調光可能
  • 全面的に設計が見直され旧製品よりもチャージ時間を高速化

 

と必要な機能がしっかり搭載されています。ソニーからも同じサイズ感のHVL-F32Mというクリップオンストロボが販売されているのですが、

 

f:id:photographerti:20171030133339p:plain

出典:HVL-F32M | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

 

このストロボは

 

  • 単三電池2本で使用するので発光回数は約150回以上と少なめ
  • ワイヤレスでは光量比調光もマニュアル調光もできない(メーカーに確認済
  • ワイヤレスで使用時にはズーム設定は自動的に24mmに
  • LEDライトはなし

 

という風に発光回数も少なめでLEDもなし。ワイヤレス時には制限があり実質使えないという特徴があります。FL-600Rと同じ機能性を求めると、上位機種であるHVL-F43Mを使わないといけなくなり、これはFL-600Rに比べて高さも重さも約1.4倍になります。また、F43Mを使った場合でもカメラに取り付けるストロボを含め3グループまでしか制御できず、FL-600Rの4グループに比べて少ないです。

 

ストロボ1つ1つを見てみると差は大きくなくても、多灯ライティングをする場合は何台も必要になります。僕は普段5台のFL-600Rに加えてマスター用に超小型のFL-LM2を2台持ち歩きますが、フルサイズで使うならどうしてもGNが大きなクリップオンストロボが必要に...。GNが大きなストロボは1台が450g程度になるので、5台も持っていたら約1,000gの差が出ます。また、GNが大きなストロボは発光回数が少なくなる傾向があるので、小型軽量で発光回数の保ちもいいFL-600Rはとても重宝する存在です。

 

※FL-600Rは電波ではなく赤外線でワイヤレス発光を行います。電波式と違い遠方で発光させるようなことはできませんが、室内ではとくに問題なく使うことができます。

 

防塵防滴とゴミ取り機能の安心感

オリンパスの防塵防滴とゴミ取り機能の優秀さは、まだ一眼レフを開発していた頃から有名です。雨に打たれても正しく使えば故障しない。イメージセンサーにほとんどゴミがつかないので撮影後にフォトショップでゴミを消す作業がほとんどない。

 

これは実際に体験しないと分からないかもしれませんが、一度体験すると安心感が違います。実際、何度か雨に濡れて撮影したこともありますが、壊れるかもという不安がないので被写体に集中できます(事前のチェック、結露防止をしっかり行えば防塵防滴性能を維持できます)。2年半程E-M1を使っていますが、今までゴミが写り込んでいるのを確認したのは3回で、その3回もカメラの背面のモニターで確認できるぐらい大きなもので、ブロアーで吹けばすぐに消えました。 ブロアーだけでゴミが無くなるのは、構造的にゴミがつきにくい証拠だと思います。それに加え、ゴミを振るい落とす性能も高いのでしょう。今まで、仕事もプライベートも含め、RAW現像後にゴミを消すという作業は一度もないです。

 

12-100mm PROの便利さ

これを使いたいが為にオリンパスのカメラを買ったという人も多いぐらい、優秀なレンズです。ズーム全域で35mm判換算F8のボケ量になりますが、仕事では背景をボカすよりもある程度何が写っているのかが分かるようにしないといけないケースがほとんどなので問題なし。フルサイズを使っていた時は、ボケすぎるからと何時も絞っていたので丁度良いです。

 

ソニーにも24-240mmというレンズがありますが、このレンズをF8に絞って撮るよりも12-100mmでF4にして撮っている方が周辺までよく写ります。どの焦点距離でもどの絞り値でもよく写るので、撮影後に現像するのが楽しみになるようなレンズです。

 

最大撮影倍率も12-100mmの方が高く、35mm判換算でワイド側0.6倍・テレ側0.42倍です。ハーフマクロ感覚で使えるので、接写で困ることはほとんどありません。そして、PROレンズなのでもちろん防塵防滴。画質を維持する為にも鏡筒を丈夫に設計してあるので、先端が伸びるレンズでも安心して使えます。もちろん、鏡筒に負荷がかからないように細心の注意は払いますが。

 

マイクロフォーサーズは、実写ではフルサイズよりも2段分絞りを開けられるのでISO感度も落とせます。それでいて、レンズは高性能。 なので、(自分が求める被写界深度のレンズがあるという条件ですが)実写では高感度性能はフルサイズに劣ることはほとんどありません。むしろ、マイクロフォーサーズの弱点を考えるなら高感度ではなく低感度です。という記事も以前に書いているので、まだ読んだことがないという方は併せてご覧頂ければ幸いです。

 

 

最後に

この記事では、ソニーよりオリンパスの方が良いと言っているわけではありません。あくまで、自分の用途を考えた際にソニーよりオリンパスの方が合っているという話です。

 

むしろ、α7RⅢやα9の方がAFの追従性や瞳AFなどは上だと思います。オリンパスのハイレゾショットなどを使わなくても1回のシャッターで高画素の写真が撮れるのも魅力的です。性能で言えば、ソニーの方が良いという点はたくさんあります。ただ、オリンパスにも良い点があります。

 

各メーカーには得意不得意があり、それがユーザーにとってのメリットデメリットになります。そして、ユーザーが違えばメリットに感じることもデメリットに感じることも変わってきます。

 

例えば、防塵防滴を必要とせず、クリップオンストロボの多灯撮影をしないという方や、ポートレートを中心に撮影される方はソニーの方が良いと思います。人物撮影において瞳AFが優秀なソニーの右に出るものはなかなかないでしょう。また、用途によってはソニーでもオリンパスでもない他のメーカーが一番合っているというケースもあるかと思います。自分に合ったカメラ選びと一言で言ってもなかなか難しいですが、いろんなケースがあることを知っていると自分の時に活かせることも増えてくると思います。今回の記事は、そんないろんなケースとして知ってもらえれば幸いです。

 

f:id:photographerti:20171016152022j:plain