写真上達の本質を考えてみる

写真講師を続けてきたカメラマンの思考を記事にしていきます

フルサイズ市場でキヤノンの背中が見えてきたソニーの次の一手


先日公開されたこちらの記事では、ソニーヨーロッパが好調であると書かれています。

 

 

まずこの記事を要約してみると

 

  • デジカメ市場自体は縮小しているが、RXシリーズは好調。
  • フルサイズセンサーのレンズ交換式カメラにおいて、ニコンを抜いて安定した2位の足場を築いただけでなく、キヤノンの背中さえ見えてきた(2017年4月以降)。
  • 2017年6月だけを見ると、ドイツ・スペイン・オーストリアなどではキヤノンを抜いてトップ。とくにドイツでは42.1%のシェアで、キヤノンの30.5%に対して大差をつける。
  • この結果はα9の投入の影響もあるが、写真専門店と共同でのイベントやマーケティング施策など、カメラコミュニティへのコミットを地道に続けてきた結果の現れ。

 

ということです。

 

 

また、ソニーヨーロッパの粂川滋社長は、

 

カメラのように趣味性の高いジャンルは、必ずシャワー効果がある。ハイエンドに魅力ある商品を投入し、存在感を示していくことでその下のクラスも売れ始めるため、今後もフルフレーム市場でのシェアを上げることに取り組んでいく。

 

ともコメントしています。

 

 

この記事から、今後のソニーの展開がある程度予想できるかと思いますが、前々から近い将来キヤノンとソニーのトップ2という図式が出来上がるのではないかと思っていましたが、その考えがより現実味を帯びてきたような気がします。

 

次期α7ⅢのAF性能次第ではフルサイズのシェアはさらに伸びる

α9の発表、そして発売後のレビューを見ていると、本当に一眼レフを過去のものにしてしまうぐらいの大きな存在であることが分かります。スポーツ撮影でも、一眼レフと比べて遜色ないと言うのが大げさではないレベルです。AF性能が一眼レフ並で、小型軽量でブラックアウトフリーの電子ファインダーは使い勝手はかなりいいです。

 

プロの現場では、キヤノン・ニコンの信頼性があるので、すぐにほとんどのプロが機材を入れ替えるということはありません。ですが、シーンによってはシャッター音が気になるので、静音撮影で被写体を追従しながら秒間20コマで撮影できるメリットは非常に大きいですし、AF性能も含めてα9の方が撮りやすいシーンもあります。炎天下の陸上競技場でもエラー等の問題もなく撮れるようなので、あとはレンズが揃ってこれば遅かれ早かれ一眼レフから乗り換える人、買い足す人は次第に増えて行くでしょう。

 

 

こちらのソニーのHPから、α9を使って撮影されたカメラマンの記事が見れますが、この記事を読んでいるとプロの現場でもα9の存在感は大きなものであることがよく分かると思います。まだ見たことがないという方は是非ご覧になってみて下さい。

 

 

 

 

さて、α9の登場でα7Ⅲのスペックが予想しやすくなったのではないでしょうか。確認できる噂では《α9ほどの連写ではないが同等のAFシステム》というものもあります。ただ、α9と同等のAFシステムというのはちょっと大げさな話と捉えたとしても、α7RⅡと同等以上の性能になってくるはず。個人的には、α9が1DXⅡやD5と同等と言われので、キヤノンの7DⅡやニコンのD7500ぐらいの性能には落ち着くのではないかと思います。

 

ここで、ピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、7DⅡやD7500の性能ならアマチュアの人にとってはかなり実用的な性能です。その性能のミラーレス一眼が20万を少し下回るぐらいの値段で発売されるとなれば、キヤノンやニコンのミドルクラス並にヒット商品となる可能性は十分にあります。さらに、ボディがα9と同等になるかは分かりませんが、ジョイステック等が採用されれば使い勝手も向上します。画質もファインダーも一段と良くなれば、正直鬼に金棒です。

 

人物を撮る人の多くがα7Ⅲを導入する可能性

α9の大きなセールスポイントの1つがAFの追従性ですが、瞳AFでの精度・追従性もかなり凄いです。ポートレートを撮るα9ユーザーが口を揃えて《一眼レフには戻れない》と言うぐらいです。ポートレートを仕事で撮る有名なカメラマンさんの記事では、今まで3割ぐらいはピントが原因でのNGカットがあったそうですが、α9ではほぼ100%の精度になっているそうです。F4程度のレンズだと精度も若干落ちるそうですが、それを差し引いても凄いカメラなのは間違いないです。しかも、認識性能が良すぎます。

 

 

ご覧になると、人物が全身写るぐらい顔が小さくなってもちゃんと瞳AFが機能しています。そして機能するだけでなく、高い精度を維持しているのが凄いです。

 

α7Ⅲの連写性能は秒間7〜9コマ程度になると思いますが、このAF精度と追従性がα7Ⅲで実現していれば、ポートレートを撮る人の多くはα7Ⅲを買うのではないかと予想してしまいます。フルサイズEマウントのポートレート用のレンズはほぼ揃っています。とくに55mmと85mmはわりと安価にも関わらず防塵防滴に配慮され写りも良しAFも良しです。35mm F1.4はかなり高額になりますが、28mm F2は写りはまずまずでAFも速いです。近いうちに135mmの単焦点レンズも登場するようなので、ポートレートを撮るなら最適な機材になるでしょう。

 

個人的な感覚では、α7Ⅲがα9譲りのAF性能で登場したら一眼レフをあえて選択する理由はほぼ無くなるのではないかと思います。光学ファインダーが良い人、バッテリーの保ちが悪いのが嫌な人は一眼レフの方がいいと思いますが、EVFは慣れればかなり撮りやすいです。バッテリーの保ちの悪さは改善されることを願っていますが、真冬の屋外でない限りは1つのバッテリーだけで大体撮れるようになっていてほしいですね。

 

ソニーの戦略はα9とα7Ⅲのツートップ?

レンズ交換式のカメラは、レンズの売上も非常に大きなポイントとなります。その点を軸に考えると、α9でソニーの技術力・存在感を示し、α7Ⅲでフルサイズ市場のシェアを更に伸ばしレンズの売上を伸ばす戦略ではないかと予想できます。現在すでに好調のフルサイズミラーレス一眼ですが、α9だけでなくα7Ⅲでさらに勢いに乗りたいはず。その為、α7Ⅲは発売直後から20万円を切ってくるのではないかと思います。

 

  • コスト重視のエントリーフルサイズα7Ⅱ : 130,000円
  • コスパ抜群の高性能α7Ⅲ : 190,000円(予想)
  • 高解像度や優れた階調性のα7RⅡとα7SⅡ : 270,000〜300,000円
  • スピードと高精度AFのα9 : 420,000円

 

値段のバランスを見ても、α7Ⅲの存在はポイントになるのではないでしょうか。像面位相差AFの数など、AF性能を見ればα9が理想だけど高すぎる。最低限α7RⅡ程度の性能は欲しいけど...。という方にとっては、AF性能が改善されるであろうα7Ⅲは値段的にも非常に魅力的です。

 

α7Ⅲが市場の回答になる

α7Ⅲの性能と値段のバランス次第で、ソニーが調査しベストと判断した着地点が分かると思います。言い換えるなら、それが市場の求めているものになります。今のソニーなら市場調査で大きくコケることはないでしょう。そういう意味でも、今の市場のニーズがどうなっているのか?その答えとして、α7Ⅲの登場がとても気になる今日この頃です。

 

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