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写真上達の本質を考えてみる

写真講師を続けてきたカメラマンの思考を記事にしていきます

《撮影記》7-14mmと12-100mmでお祭りを撮る


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今回の撮影記は、多賀のお祭り「古例大祭」。

 

※お祭りの詳細はこちら

 

 「古例大祭」は、鎌倉時代の古記録にも現れる多賀大社年間の最重儀で、「多賀まつり」あるいは騎馬多数の供奉が行われることから「馬まつり」とも呼ばれているそうです。

 

 

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さて、今回のお祭りで使った機材はE-M1二台に7-14mm PROと12-100mm PROです。どちらのレンズもPROレンズなので、個人的には安定感を感じながらの撮影でした。

 

ミラーレス一眼のコントラストAFを扱う際に注意したいのは、奥行きのある場所でピント合わせを行わないことです。AF枠の中で手前と奥という風に奥行きがあると、ピントを合わせたい場所より奥の方にピントが合うことがあります。この点だけ注意すれば、E-M1のAF精度はほぼ100%になります(ただ、E-M1 MarkⅡならS-AFでも像面位相差AFが作動するので、この問題はほぼ解決しているかもしれません

 

あと遠景はコントラストAFよりもピーキング機能を使いながらのMFが一番正確ですね。

 

 

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先ほども触れたように、E-M1 MarkⅡはS-AFでも像面位相差AFが作動しますが、初代E-M1は作動しません。ですが、コントラストAFだけでもストレスを感じることはないです。これは、ミラーレスに特化したレンズ設計のおかげでしょう。

 

 

 


上記のリンクは、上から

 

  • 12-100mm PRO
  • 40-150mm PRO
  • 300mm PRO

 

の開発者インタビュー記事ですが、それぞれを読んでいくとレンズの描写性能とAF速度をバランス良く向上させながら小型化するノウハウ等が分かると思います。例えば、マイクロフォーサーズはミラーレス一眼なので、AFはコントラストAFがメインです。コントラストAFは実際にピント移動をさせて、カメラがコントラストの高い場所を判断する為フォーカスレンズは軽い方がいいですが、ではいかにしてフォーカスレンズを軽くするか?小さくするか?というのが鍵となります。そのノウハウは、やはりミラーレス一眼を長く続けてきて小型軽量と性能のバランスに拘ってきたメーカーのメリットかもしれません。

 

とくに、今回の撮影で使った12-100mmは、35mm判換算24-200mmをカバーしながらもF4通しにも関わらず、僅か561gという軽量です。もちろん、背景のボケ量を考えるとフルサイズの24-200mm F8と同等ではありますが、

 

  • ズーム全域で済までよく解像しながらもボケ味が綺麗な描写性
  • ズーム全域でほぼハーフマクロになる最大撮影倍率の高さ
  • 防塵防滴
  • 望遠時に伸びるガタのない鏡筒
  • フルサイズでF8で撮るよりも良い描写性
  • ソニーの24-240mmと比べると200g軽量

 

など、一般的な高倍率ズームのサイズと重さを維持しながら高性能なレンズになっています。とくに描写性は一般的な高倍率ズームではなく明らかに高い次元の描写性で、鏡筒も頑丈なことから使用の際も安心感があります。もちろん、無闇にぶつけないよう注意はしますが。

 

また、フルサイズでF8で撮るよりも2段分絞りを開けられるので、ISO感度も2段落とせます。その為、フルサイズで高倍率ズームを使うよりもマイクロフォーサーズで12-100mmを使っている方が軽量且つ写りも良くなることも多々あります。これもマイクロフォーサーズという規格とオリンパスの設計ノウハウの賜物でしょうね。

 

とは言え、正直なところ鑑賞距離でその違いを実感することは少ないかもしれませんが、それでも自分の機材がどういう特性なのかは常に理解し扱えるようにしたいものです。

 

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そんな12-100mmで半分以上を撮影していましたが、やはり24-200mmをレンズ交換なしで撮影できるのはありがたいです。超広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームを持ち歩くと、カメラが3台必要になるので移動の際もちょっと大変です。小走りになる時も気を使いますし、機材も重くなります。

 

その点、12-100mmがあれば、7-14mmと12-100mmだけで、35mm判換算14〜200mmを安定して撮影することができます。AFも速くて正確、写りも良し、防塵防滴なので最悪雨が降っても大丈夫。高倍率ズームでここまで安心して撮影できるレンズは、他には富士フイルムの18-135mmぐらいでしょうか。

 

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ところで、今回はお祭りの撮影ではありあますが、依頼元は糸切り餅で有名な莚寿堂さんです。糸切り餅はこんなお餅です。

 

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※こちらはヨモギの糸切り餅

 

糸切り餅のお店からお祭りの撮影依頼がくるというのも不思議な話に聞こえるかもしれませんが、莚寿堂さんは自社のHPに使うお祭りの写真が欲しかったそうで。でも著作権の関係もあって自由に使える写真がない、ということでご相談頂きました。

 

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ちなみに、こちらの鳥居が多賀大社の入り口になりますが、莚寿堂さんのお店はこの鳥居のやや斜め前にあります。お店の中で2つ100円で食べられたりするので、多賀大社に来られた人も気軽に立ち寄っていますね。何より、糸切り餅のお店は3つありますが、個人的に莚寿堂さんのお餅が一番美味しかったです。

 

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こちらの写真は莚寿堂さんの前で撮影したもの。多賀大社まで来られた際は、是非莚寿堂さんで糸切り餅を食べてみて下さい。期待は裏切らないと思いますよ。

 

 

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お祭りも後半になり、この辺りから7-14mmを使いました。上の写真はまだ12-100mmの24mmですが、写真に写っている場所での儀式では最前列で35mm判換算14mmで撮影です。その写真がこちら。

 

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設定は、絞りをF5.6にしてパンフォーカスにすることで、AFでピントを合わせる作業を無くし被写体に集中。また、隣にムービーを撮影しているカメラがあったのと、E-M1の10コマ/秒の連写Hはシャッタースピード1/15〜1/320の間でシャッターブレが起こるので、ブレ対策として静音の連写Hで撮りました。

 

E-M1の電子シャッターは動く被写体を撮ると歪んでしまいますが、人が歩くぐらいなら問題なく使えますね。動く被写体をメインに撮るなら間違いなくE-M1 MarkⅡがいいのですが、僕の用途だとE-M1で十分だったりします。

 

 

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そしてお祭りもいよいよ本渡りに。この本渡りで、この日一番撮りたかった神輿とお店が写った写真も撮影できました。下の写真は、神輿が来る前に他の被写体でテスト撮影し、撮影場所やアングル等をある程度決めてから撮影した写真です。

 

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そして驚いたのが、この神輿が急な橋を渡ったことです。

 

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写真で見ると伝わりにくいのですが、この橋は距離がない割に高さがあるので目の前に立つとかなり急です。多賀大社に何度も訪れたことがある僕は、ここを神輿が通ると聞いた時は本当か?と驚きましたが、わりとスムーズに神輿が通っていました。もちろん、スピードは緩くなり、神輿を担いでいる人はかなりの負担だったかもしれませんが、予想以上にスムーズでしたね。

 

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そして冒頭の写真のように多賀大社に戻っていきます。

 

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今回は12-100mmと7-14mmの2本で撮影しましたが、以前撮影した近江神宮の奉納コンサートでは12-100mm一本だけで撮影できました。広角側が28mmではなく24mmあると、大抵の写真が撮れてしまいますね。

 

高倍率ズームは35mm判換算28mmスタートのレンズも多いですが、標準ズームも高倍率ズームも、35mm判換算24mmスタートのレンズだと便利です。望遠は少しトリミングをして被写体を大きくすることができますが、広角側は後ろに引けないとそれが限界になります。そういう意味でも、望遠側よりも広角側の24mmを重視したレンズ選びの方がいいかもしれませんね。

 

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