マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

PEN-Fを早々に手放しE-M1の操作性の良さを再確認した話





こちらの記事で、E-M1 MarkⅡとPEN-Fのどちらを買うかを悩んだ結果、PEN-Fを買ったことをご紹介しました。しかし、購入後早々に売却することになりました。理由は、とても使いにくかったからです。

 

※最初に断っておきますが、この記事で書くことはあくまでPEN-Fのコンセプトと僕の用途が合っていなかった、僕の手の大きさ、形には馴染まなかったという話です。決してPEN-Fが悪いカメラだと言っているわけではなく、今後PEN-Fを購入する方の参考になればと思って書いています。

 

 

ファンクションボタンがどれも使いにくい位置にある

PEN-Fのデザインはこうなっています。

 

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出典:製品外観 PEN-F | PEN | オリンパス

 

ファンクションボタンは主に4つです。

 

上面にある「4」のボタン。

前面にある「11」のボタン。

背面にある「6」と「10」のボタン。

 

上下左右のボタンも右と下のボタンがカスタマイズできますが、主にこれら4つのボタンを主にカスタマイズします。ただ、残念なことに敢えて押しやすいボタンを挙げるなら前面の「11」のボタンだけです。とは言え、丁度指が触れる位置にあるので、ちょっと手に力を入れると意図しないうちに押してしまうことがあります。

 

E-M1の場合は指を少し伸ばした先にあるので、意図しない限り誤操作をすることはありません。この辺りが、やはりE-M1の使い勝手の良さを実感します。

 

そして、上面のボタンはとにかく押しにくい。E-M1の方がボタン自体が大きくて余裕のあるスペースに独立しているのでとても押しやすいです。

 

背面のボタンも同じく押しにくいです。「6」のボタンなんかは親指をかなり伸ばさないといけないので、ホールディングが悪いPEN-Fでファインダーを覗きながらは使いにくいです。「9」のボタンも窮屈で押しにくいです。

 

また、E-M1ならシャッター半押ししながら後ろのダイヤルで露出補正を微調整できるのですが、PEN-Fはホールディングが悪いせいか後ろダイヤルの出っ張りが小さいせいか、露出補正をすると思わずシャッターを切ってしまうことがあります。E-M1ならホールディングがいいおかげか、後ろダイヤルが少し出っ張っているおかげか、シャッター半押しを保ったまま容易に後ろダイヤルで露出補正ができます。

 

露出補正ダイヤルの位置が悪すぎる

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PEN-Fには露出補正ダイヤルが独立して存在しています。露出補正ダイヤルが独立していることで、例えば絞り優先モードの場合、露出補正は専用ダイヤルで、前のダイヤルでISO感度、手前のダイヤルで絞り値を変えられるというとても使い勝手の良い操作性になると思うのですが、実際のダイヤル操作がかなりやりづらいです。

 

まず、露出補正ダイヤルが右側に行きすぎていて回しにくいです。そして、ダイヤルが固すぎます。調べてみると、どうやら誤操作を防ぐ為に固めになっているそうです。この露出補正が使いやすい位置にあるなら多少固くても大丈夫だと思いますが、回しにくい位置にある上固いとなると使う気になれません。

 

なので後ろのダイヤルで露出補正ができないかと設定を探してみましたが割り当てることができず、マニュアルモードで後ろダイヤルにシャッタースピードの設定を割り当てることで解決できるかと思いきや、後ろダイヤル自体がシャッター半押しの状態で回しにくいので途方に暮れました。

 

AFターゲットパッドが思ったよりも使えない 

PEN-Fで期待していたAFターゲットパッドは、思ったより使えませんでした。親指を右側から左に一回移動させるだけではフレームが思ったよりも動かないんです。先ほどのインタビューでもありましたが、

 

ファインダーが左上に移動したことで、右目で覗く場合はモニター全面を使えるようになりました。その為、PEN-Fではモニター全体が反応するようになっています。

 

という文言があり、個人的に落胆しました。せめて、画面の右側だけが反応するような設定があってくれると嬉しかったですね。事前のサポートセンターに確認したらそのような設定はあると明言されていましたが、実際にはオンとオフの設定しかありませんでした。よく思いますが、オリンパスのサポートセンターはいい加減な人や知識に乏しくて間違った解答をする人が時々いらっしゃいます。カメラがいいだけに残念です。

 

PEN-Fはじっくり撮る人に向いている

ここまでPEN-Fが使いにくいという趣旨でご紹介しましたが、最初にも書いた通りあくまでカメラのコンセプトと僕の用途が合っていなかったという話です。PEN-FのHPを見てみると、

 

デザインには一寸の隙もない。職人のこだわりが随所に見られ、そこにはまさに魂が宿る。時代を超えた美しいデザインのレンジファインダースタイルカメラ 「PEN-F」。新たに搭載されたモノクロ/カラープロファイルコントロールは、フィルム選び・現像・焼付けを経て、思い通りの一枚を仕上げていく醍醐味をファインダー内で味わえる機能。忘れかけていたカメラの楽しさをよみがえらせてくれます。(中略)カメラをこよなく愛する人のための一台です。なお、PEN-Fは最新の機能や性能を盛り込み、最高の状態に保つためのファームウェアアップグレードの対象機種です。ファームウェアを更新することで、最新の機能・性能をお楽しみいただけます。

 

もう一度PEN-Fのボディデザインを見てみると、

 

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マウントの横に「9」のクリエイティブダイヤルというのがありますが、このダイヤルで、その場でモノクロや色合い等の仕上がりを微調整できるようになっています。また、背面に「8」のレバーががありますが、このレバーを使ってハイライトとシャドウの階調を微調整することができます。

 

このことから、カメラのコンセプト自体がじっくり時間をかけて撮る人に向いていると言えます。もちろん、そのことはPEN-Fを手に取る前に分かっていましたが、正直ここまで使いにくいとは思っていませんでした。

 

※カメラ選びでは、購入前に実際に手にとる方がいいです。と受講生さんにもお伝えしていますが、僕自身が住んでいる場所が田舎なので、近所のカメラ屋には展示品が置いておらず。PEN-Fを手に取ってみようと思うと京都駅のヨドバシカメラまで行かないといけません。そうなると移動時間が勿体なく、それならとりあえず買ってみようと思いました。

 

今回は残念ながらすぐに手放すことになりましたが、じっくり撮影するような人にとっては問題ないかもしれません。ファインダーを覗きながら全ての操作を快適に行いたい僕には合わないカメラでしたが、カメラのコンセプトと自分の用途がしっかり合っていれば問題ないでしょう。

 

ちなみに、E-M1にマニュアルフォーカスのレンズを使う時、ピーキング表示にすれば拡大せずにピントを合わせることもできます。拡大する時も、いちいちフォーカスエリアを動かして拡大するより、

 

  • ①中央で一番倍率の低い拡大表示にして、少しフレームの端の方で被写体にピントを合わせる。
  • ②シャッター半押しで拡大解除してから、構図を微調整して撮影。

 

という使い方の方がテンポよく撮影できます。実際にマニュアルフォーカスのレンズを使ってみて分かりましたが、AFターゲットパットのないE-M1でも問題なく撮影できます。

 

ということで、もうしばらくはE-M1を使っていきたいと思います。E-M1 MarkⅡは、値段がもう少し下がってきたタイミングか、もしかしたらE-M1 MarkⅡと飛ばしてMarkⅢを買うかもしれませんね。