マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

カメラ選びの基準はコントラストAFとボディ内手振れ補正が使えること




僕自身がカメラを買おうかなどうしようかなと思う基準として、2つの要素があります。それが

 

・コントラストAFが使えること。

  ※又は、ソニーのα99Ⅱのように像面位相差AF優先でピント合わせを行えること。

・ボディ内手振れ補正が搭載されていること。

 

というポイントです。プライベートでも仕事でも写真を撮ってきてとても実感しているのがこの2つなのですが、なぜこのポイントに行き着くのか?順番に解説していきます。

 

一眼レフよりもAF精度が高いコントラストAF

僕は以前、キヤノンのフルサイズ一眼レフを使っていました。このブログでも何度か触れていますが、一眼レフの位相差AF、は精密機器のカメラとレンズを組み合わせる宿命により、ピントが若干前に会ったり後に合ったりする前ピン後ピンの現象が発生します。

 

【キヤノンやニコンの50万円以上するカメラだとそのような現象は見ない】という記事を見かけたことがありますが、30万円台ぐらいの一眼レフならこの現象は普通に発生します。

 

そして、僕もこの前ピン後ピンの現象に悩まされたカメラマンの一人でした。当時は、ピントが外れていたらどうしようという不安を常に感じながら撮影し、撮影後にモニターで確認してピントが若干外れている写真を見ては焦って撮り直し、なんてこともありました。

 

そんな不安を解決してくれたのが、オリンパスのE-M1です。E-M1はミラーレス一眼なのでコントラストAFでピントを合わせます。そうすると、構造上前ピン後ピンの問題は発生しません。なぜなら、カメラが実際に映像を見ながら、一番コントラストが高いところでピントを合わせるからです。

 

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一眼レフなら、レンズを買えばその都度カメラとの相性を見て自分で調整します。不安ならメーカーに送ってもらい調整です。しかし、それで解決すればまだいいのですが、100%解決しないという問題もあります。プロアマ問わず、多くの方が前ピン後ピンの現象に悩まされていますが、ミラーレス一眼ならそんな手間は一切必要ありません。

 

カメラとレンズの相性は存在せず、調整も必要ない。それでいて、使い手が誤らなければほぼ100%に近いAF精度を実現できます。なので、仕事で使っていても安心です。

 

実際にミラーレス一眼であるE-M1を2年近く使っていますが、この安心感を一度実感すると僕自身の基準がコントラストAFの精度になってしまいました。もちろん、一般の方が趣味で少し楽しむ程度や、大きく背景をボカすような撮影をしないなら問題ないかもしれません。しかし、カメラマンとして一般の方以上にピント精度にシビアになってしまうせいか、僕自身の基準もかなり厳しいものになってしまったんです。その基準をクリアできることを考えると、必要なのはコントラストAFとなります。

 

コントラストAFでなくても、ソニーのα99Ⅱのように像面位相差AF優先でピント合わせを行うカメラでもいいです。ようは、精度のバラツキが時々発生する位相差AFではなく、像面位相差AFやコントラストAFのように高いAF精度を維持できるカメラが基準となるということです。

 

手振れ補正はあった方がいいに決まっている

手振れ補正とはその名の通りカメラを持つ人の手のブレを軽減してくれる機能です。通常、50mmのレンズなら1/50秒のシャッター速度ぐらいを必要とします。気をつけて撮影すれば、1/20秒ぐらいでも撮れないことはないでしょうか。しかし、人によっては、又シチュエーションによってはしっかり構えて慎重にシャッターが切れないケースも多々あり、コンマ1秒でも早くシャッターを切らないとシャッターチャンスを逃してしまうケースもあります。

 

僕はシングルファザーなので5歳の息子とよく一緒にいますが、動いている子供などのシャッターチャンスは一瞬です。それこそ、慎重にシャッターを切れないケースもあります。そんな時は、28mmのレンズが搭載されているGRで1/100秒というシャッタースピードでもブレることがあります。

 

ブレないように撮るのもスキルのうちと言われたら、もちろんその通りです。しかし、スキルではどうにもできないケースもあるのが正直なところです。

 

そんな時に手振れ補正があるとかなりブレを抑制できます。手振れ補正と聞くとどれだけスローシャッターで撮れるか?というポイントに意識がいきがちですが、通常のシャッタースピードでの安定性が増すことも大きなポイントです。普通に撮っていたら、「あ!ブレたかな...?」というケースでもしっかりブレずに撮れています。

 

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こちらの写真は1/6秒で撮影しています。もちろん手持ちです。人が多いので、一般の肩からすれば三脚は邪魔にしかなりません。そんな中、手持ちで普通に1/6秒で撮れてしまうのはありがたいです。また、スローシャッターで撮れることでISO感度も低く保つことができるので、それだけ画質を落とさずに済みます。ちなみに、超広角なら1/4秒でも普通に撮れます。E-M1 MarkⅡG9 PROならもっとスローシャッターで撮れるので、さらに低感度を維持することができますね。

 

手振れ補正は悪と言われることも時々ありますが、実際にE-M1の強力な手振れ補正を2年近く体感してみると、手振れ補正はあった方がいいに決まってると思うようになりました。無駄に感度を上げずに撮れるので画質の劣化も最小限になるだけでなく、少しのブレが理由でボツカットになるのを防ぐことができます。

 

なので、手振れ補正がボディ側に採用されているというのが僕のカメラ選びの基準です。ボディ側に拘るのは、どのレンズでも手振れ補正が効くからです。また、ボディ側の手振れ補正が公表値5段と言っていても、望遠側では効きが弱くなります。ですが、レンズ側の手振れ補正と組み合わせることで、望遠であってもその5段分しっかり補正することが可能となります。そういう意味では、カメラ側にもレンズ側にも採用されていることが理想ですね。

  

 

ちなみに、手振れ補正は一昔前まで、ボディ側で採用するメーカーとレンズ側で採用するメーカーに分かれていました。キヤノン、ニコン、パナソニックなどはレンズ側に。ペンタックス、ソニー、オリンパスはボディ側に手振れ補正機能を搭載していました。ですが、今ではカメラとレンズどちらにも採用するのが理想となっており、オリンパス、パナソニック、ソニーはレンズ側とボディ側の両方で補正を行います。

 

オリンパスはとくにボディ内手振れ補正が強力で、純正の手振れ補正が搭載されているレンズを使えば1秒や2秒ぐらいのシャッター速度でもブレずに撮ることができます。おそらく、手振れ補正に関してはカメラ業界の中でもトップです。

 

ペンタックスはボディ側にしか採用していませんが、その効果は強いと昔から評判です。また、ソニーやパナソニックも後発ながらボディ内に手振れ補正を搭載し、さらにレンズ側の手振れ補正と組み合わせることで実用的にはかなりの補正を実現しています。

 

尚、手振れ補正の弊害も0ではありません。カメラ内の画像処理エンジンの演算処理に不可をかけるので、その他の機能の性能が低下するケースがあります。詳しくは下記をご覧下さい。

 

 

 

もちろん、他にもいろんな基準があります

高いAF精度が実現できるコントラストAFと、ボディ内手振れ補正は僕のカメラ選びの最低条件でありますが、もちろん他にも様々な条件があります。ファインダーの位置や操作性、レンズのランナップ、グリップの握りやすさや等、良し悪しもですが自分に合う合わない、好みか好みでないか等も考慮しなければいけません。

 

そして、人それぞれ求めるものが違うのでこの記事が参考になる人もいれば参考にならない人もいらっしゃるはずです。三脚を使って風景を撮るような人はコントラストAFも手振れ補正も必要ないかもしれません。逆に、三脚は使いたくない、背景を大きくボカすような撮影も多いというなら、コントラストAFや手振れ補正は必須になってくると思います。

 

人それぞれで何を一番に考えるかは変わっています。あなたにとって最も重要な要素はなんですか?

 

ちなみに、僕は今手振れ補正を搭載したGRⅢの発表を首を長くして待っています。GRもGRⅡも手振れ補正なしなので、下記のような日が出てる屋外なら気にせず撮れますが、暗い場所で撮る時の安定性が欲しいです...。