マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

写真歴が1年以上で上達に悩むなら上達の定義の認識が間違っている




写真を趣味で始めると、最初はいろいろなことを学び吸収していきます。そして、どんどん上達していると感じますが、写真を初めて1年以上経ったのになかなか良い写真が撮れないと悩まれることが意外と多いです。僕の講座には、写真歴は長いけどなかなか良い写真が撮れないという悩みをお持ちの方が多く受講してくださいますが、これは上達の定義が曖昧なまま過ごしていることが大きな要因です。

 

上達の定義を立ち止まって考えてみる

最初のうちに学ぶことは、カメラの設定や使い方、撮影のテクニックや上手に撮れる為のポイント等ですが、いろいろ学ぶにつれて2つのパターンに分かれます。1つは無意識に上達の定義を理解している為、学べが学ぶ程上達していくパターンです。もう1つは、学んで理解はするも撮れる写真は大きく変わらないというパターンです。

 

この違いは、写真上達に必須な◯◯能力が平均以上あるかどうかという問題もあるのですが、一番の要因は上達の定義を理解しているかどうかです。では上達の定義とは一体なんなのか?僕が受講生さんに必ずお話することでもありますが、僕が考える上達の定義とはどこから撮ればどう写るかが分かるスキルです。

 

良い写真を撮る為には、まずその被写体・環境で撮れば良い写真になることに気づかなくてはいけません。気づかないと、シャッターも切れませんよね。ではどうやったら気づくことができるようになるのか?それは、写真を構成する要素がどう変化すれば写真がどう変わるのか?ということを理論的にも感覚的にも理解することです。これを、僕は基礎練習と位置づけ、受講生さんにお伝えしています。

 

この上達の定義が明確になっていると、一枚一枚シャッターを切る時にも何を意識して何を練習しているのかが自ずと明確になっていきますが、写真歴が1年以上なのに上達しないという人は上達の定義が曖昧なので、一枚一枚シャッターを切る時もただ漠然とシャッターを切ってしまいます。漠然とシャッターを切るということは、撮影前と撮影後の課題・実践・反省の繰り返しであるフィードバックが行われないので、なかなか上達しないという状態になってしまいます。

 

絵になる被写体ばかりを撮っているなら要注意

フィードバックを行っていない人の行動の特徴としては、絵になる被写体を追いかけてしまうということです。絵にならない被写体では良い写真を撮ることができない為に、ついつい絵になる被写体に目がいってしまいます。絵になる被写体なら誰でも写真が良くなると言うつもりはありませんが、初心者の方から見たら被写体が良いと写真の雰囲気も良くなりがちです。

 

しかし、被写体が良いだけではただ撮っただけの写真にしかなりません。似た被写体を撮っていても、なぜか他人の写真の方が良く見えるという場合もありますが、それは被写体以外の要素に違いがあるからです。この事実をしっかりと認識し、基礎練習の必要性に気づくことができれば、間違いなく今よりももっと上達していくはずです。

 

まずは数より質を

写真歴が長いのに上達しない人は、とにかく数を撮らなければいけないと思い込んでいることがあります。

 

 

こちらの記事でも紹介したことがありますが、以前写真家の森山大道氏が

 

【量のない質はない】

 

と発言されたことでこの言葉を取り上げられることが時々ありますが、これは初心者は鵜呑みにしてはいけません。上級者やプロの方は練習の質が高い為、さらなる上達や良い写真を撮る為にはどれだけ数を撮れるかという話になりますが、初心者はそもそも練習の質が低いのでどれだけ数をとってもなかなか上達しません。

 

練習の質と数のどちらを優先すべきかは、その人がどのレベルにあるか次第です。中級者まではなるべく質の向上を意識しながらその上で数を撮る。中級者以上は練習の質の高め方を得ているので、あとはどれだけ数をこなせるか?という問題になってきます。

 

初心者はまず質を重視すべきです。質を意識せずただ数を撮る一年を過ごすなら、質を意識した3ヶ月を過ごす方が上達スピードは早いぐらいです。

 

まずは練習の目的を明確にすること 

写真に限らずですが、目的がある練習は質は高くなります。目的が正しくないと本末転倒ではありますが、上達の定義が間違っていなければ独学でも効果は期待でき、上達スピードは今よりもグンと早くなります。

 

ちなみに、先ほども触れた写真上達に必須の◯◯能力が平均以上であるとより早く上達します。上達の定義等を考えなくても自然と上達していく人はほぼ必ず◯◯能力が平均以上で、◯◯能力が高い人は写真の勉強をほとんどしていなくてもセンスの良い写真を撮られることが多いです。

 

残念ながらこの話は受講生さんにしかお伝えしていないのでここでは触れることができませんが、上達の定義は是非意識してみてください。何をどう意識して練習に取り組めばいいかは、この記事中にヒントが散りばめられています。是非読み返して頂き、日頃の練習に活かしてみてくださいね。