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写真上達の本質を考えてみる

写真講師を続けてきたカメラマンの思考を記事にしていきます

α99Ⅱでは一眼レフ特有の前ピン後ピンの問題が大方解決している?


通常の一眼レフはミラーを使っているので、ファインダーからレンズ越しに被写体を見ることができます。一方、ソニーはミラーではなく透過式のトランスルーセントミラーを採用しています。

 

f:id:photographerti:ソニーのトランスルーセントミラーテクノロジーの説明

※引用元:インタビュー:ソニーに訊く「トランスルーセント・ミラー・テクノロジー」の秘密 - デジカメ Watch Watch

 

ミラーを透過式にしたことで、イメージセンサーに常に光を送りながら、通常一眼レフにしか搭載されない動体撮影に向いている位相差AFを常時動作させるというメリットを得ることができました。また、通常の一眼レフはシャッターを切る度にAFセンサーが途切れてしまいますが、αのカメラなら常にAFセンサーに光を届けることができるので、背面のモニターを見ながら位相差AFを動作させたり、動画撮影でも動く被写体を捉えることができます。トランスルーセントミラーのおかげで電子ファインダーを採用することができ、像面位相差AF(イメージセンサー面に搭載された位相差AF)と位相差AFを併用することができるのも大きな特徴です。

 

トランスルーセントミラーの最大のメリット

さて、ここから本題ですが、このトランスルーセントミラーの技術で僕が以前から注目していたのは、S-AF時のピント合焦時にコントラストAFで追い込み正確なピント合わせができる。又は、像面位相差AFと位相差AFの併用時に、ピント合焦時は位相差AFよりも精度の高い像面位相差AFでピントの追い込みができ正確なピント合わせが可能になるのでは?ということでした。

 

通常の一眼レフは、フランジバックのズレや位相差AFの取り付け精度によって、ピントを合わせてもピントが若干前後にずれる前ピン後ピンという現象が発生します。しかし、像面位相差AFはイメージセンサー面に位相差AFが搭載されているので誤差が発生しません。つまり、ピント精度の面では像面位相差AFの方が有利になるのです。逆に、光を受け取るセンサー部が小さくなることから、暗所での性能は位相差AFの方が有利になるとも言われています。どちらもメリットデメリットがあるので、どちらも搭載できるソニーのトランスルーセントミラーの技術は個人的にとても注目していました。

 

ただ、今までそのようなカメラはなかったんです。そこで登場したのがα99Ⅱです。

 

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※引用元:α99 II 特長 : ハイブリッド位相差検出AFシステム | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

 

α99Ⅱではどうなっているんだろう?とメーカーHPを見てみてみると、上記画像のようにもちろん位相差AFと像面位相差AFを組み合わせたハイブリット位相差検出AFシステムを謳っています。しかし、S-AF時に位相差AFと像面位相差AFのどちらで合焦するのか?合焦時にコントラストAFは動作するのか?という記載はありませんでした。

 

もしS-AFのピント合焦時にコントラストAFで正確なピント合わせができたり、位相差AFではなく像面位相差AFで合焦することができたら、一眼レフ特有の前ピン後ピン問題から解放されるかもしれません。これこそが写真を撮るカメラとしてトランスルーセントミラーの最大のメリットであると僕は考えているので、早速メーカーに問い合わせました。

 

結論からお伝えすると、

 

ピント移動の際、位相差AF、像面位相差AF、コントラストAF全てが作動しますが、合焦時にコントラストAFは干渉していません。また、被写体によっては合焦時に位相差FAと像面位相差AFのどちらかを優先するケースはありますが、あくまで同時に作動し基本的にはどちらが優先的ということはありません。

 

ということで、個人的には少し残念な回答になりました。もしα99Ⅱが前ピン後ピンの問題を解決していたら、買うかどうか非常に悩むというぐらいカメラとして魅力的なのですが...。

 

そんなことを思っていたのですが、実際に発売されて価格.comの書き込みなどを見ていると、嬉しいコメントが多数見つかりました。それは、業界関係者の【位相差AFで大まかに合わせて、最終的には像面位相差AFでピント合わせを行っているので、ピントはほとんど外さない】というコメントや【85mm F1.4の絞り開放で人物を撮る際、目にピント合っている写真を量産できる】というコメントです。

 

業界関係者のコメントは、実験した結果に対しての仮説なのかは分かりませんが、ポートレートで目にピントが合う写真を量産できる事実は、最終的な合焦は像面位相差AFかコントラストAFで行っている可能性が高いと言えます。α99Ⅱの位相差AFの精度がかなり高い、というのは考えにくいので、おそらく像面位相差AFが最終的な合焦に関わっているのでしょう。

 

ただ、E-M1の像面位相差AFはマイクロフォーサーズ専用レンズだと前ピン後ピンが発生しないそうですが、同じオリンパスでも一眼レフ用のフォーサーズレンズを使うと前ピン後ピンが発生するそうです。その理由としてはマイクロフォーサーズレンズは専用設計のAFだかららしいです。原理的なことは残念ながら聞くことはできませんでしたが、純正でも像面位相差AFで精度にバラツキが出る可能性があると考えると、α99Ⅱの像面位相差AFでも同じことが言えるのでしょうか...?

 

もしかしたら位相差AFと像面位相差AFを同時に作動させ、カメラの個体差による位相差AFのズレを検知しカメラ内で補正することで、位相差AFでも高い精度を維持している、なんてこともあるでしょうか。メーカーが、位相差AFと像面位相差AFは被写体によって優先されるケースがあるが基本的には同時に作動する、と言ったことを思い出してみると、α99ⅡのAF精度が高いのは単に像面位相差AFで合焦しているからというだけではないのかもしれません。

 

本当の意味での一眼レフとミラーレス一眼の良いとこどりのカメラはプロも喜ぶはず 

キヤノンユーザーのカメラマンもニコンユーザーのカメラマンも、一眼レフの前ピン後ピン問題には泣かされることが多いようです。メーカーに送っても、問題が100%解決するということではないようなので、カメラマンも妥協して使うしかありません。

 

ですが、根本的に前ピン後ピンが発生しない仕様にすることができれば、前ピン後ピンに悩むユーザーにとってはとても魅力的なカメラになります。α77Ⅱからは動体撮影もある程度実用的になり、α99Ⅱはさらに動体撮影性能が良くなっています。とくにライビュー撮影をしながら位相差AFが常時作動するメリットは大きく、位相差AFも像面位相差AFも同時に動作させられるのはソニーのカメラだけ。一眼レフとミラーレス一眼の良いとこどりのカメラは今のところソニーしか作ることができないので、そのメリットを最大限活かしてほしいものです。

 

ここからは個人的な推測、期待ではありますが、今後ファームウェアの更新で

 

ピント合焦時に位相差AFと像面位相差AFをどちらを優先させるかの選択。

ピント合焦時もコントラストAFが作動。

 

 

といった機能が加われば嬉しいですね。今回問い合わた際に、像面位相差AFが作動する場合コントラストAFも動作しているという回答でしたので、そのまま合焦時にもコントラストAFを動作させることは難しくないんじゃないかと思います。今回担当してくださった方は、要望は開発者にお伝えしておきますと仰っていたので、ファームウウェアの更新でもっと精度が高くなり自分で何を優先させるのかを選択できるようになればありがたいですね。

 

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