マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

なぜもっと早くミラーレス一眼にしなかったのか?




 

フルサイズ一眼レフからオリンパスのミラーレス一眼に変えて約1年が経ちますが、ミラーレスに変えて後悔したことは1度もありません。むしろ、なぜもっと早くメイン機材をミラーレスにしなかったのか...?と自分の判断の遅さに後悔したぐらいです。

 

このブログをご覧の方は、僕がミラーレス一眼を使っていて絶賛していることをご存知かもしれませんが、なぜそこまで僕が絶賛しているのか?改めて振り返ってみたいと思います。

 

機材が軽くなる

僕はオリンパスのミラーレス一眼、E-M1を使っていますが、以前はキヤノンのフルサイズ一眼レフであるEOS 5D MarkⅡを使っていました。元々メイン機材を変えるきっかけになったのは、フルサイズ一眼レフが重くずっと持ち続けるのがしんどくて、それが撮影時のモチベーションの低下を招く要因になっていたからです。

 

しかし、オリンパスはフルサイズよりも小さなイメージセンサーであるマイクロフォーサーズを採用しています。E-M1はミラーレス一眼であるので、ミラーが無くなったこととフルサイズより小さな規格を採用したことで、ボディもレンズも小型軽量になりました。

 

とくに、標準ズームの組合せだと約500gの差があります。実際に比べてみると、

 

  • 5D MarkⅡ(810g)+ 24-105mm F3.5-5.6 (525g)= 1335g
  • E-M1(500g)+ 12-40mm F2.8(382g)= 882g

 

フルサイズとマイクロフォーサーズでは背景のボケ量が約2段違うので、レンズを24-105mm F3.5-5.6にして比べてみると、その差は453gになります。これを、僕が使っていた24-105mm Lレンズに変えると、500g以上の差があります。

 

超広角レンズ、望遠ズームも、フルサイズと比べるとそれぞれで370g程(超広角レンズをパナソニックの7-14mmにすると600g程)軽くなります。広角、標準、望遠ズームトータルで約800〜1000gぐらいの軽量化になりますね。カメラを2台持ち歩くことを考えたら、約1100gの差になります。望遠レンズを100-400mmの比較で考えると、さらに差は大きくなり約1400gの軽量になります(キヤノンの100-400mmと、テレコン付40-150mmを比較)。

 

また、全体的に小型化されるので、バッグも小さく済みます。僕はマンフロットのMPバックパック50を使っていますが、この中に、

 

  • E-M1 × 2
  • 7-14mm F2.8 PRO
  • 12-100mm F4 PRO
  • 40-150mm F2.8 PRO(+テレコン)
  • 15mm F1.7
  • 25mm F1.2
  • 45mm F1.8
  • TS-E 45mm F2.8
  • ストロボFL-600r × 5

 

これだけの機材を入れています。バックパック50はけっこう大きめのバックパックですが、フルサイズの一眼レフを使っていたらこれだけ入らないです。同じような機材でも小型にできるメリットは大きいですね。ちなみに、このバックパックはよくできていて、腰のベルト?を使うと背負った時の重さが半減されます。両手で持った時よりかなり軽く感じるので、これだけの機材を入れていても楽に動けます。 

 

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コントラストAFと電子ファインダーで正確なピント合わせ

ミラーレス一眼は、一眼レフと違いコントラストAFを採用しています。この方式により、前ピン後ピンというカメラとレンズの組み合わせで発生するピント精度のズレがなくなり、一眼レフよりも精度の高いピント合わせが行えます。

 

また、電子ファインダーではピントリングを拡大したら、その動作に反応してファインダー内で即座に拡大されます。ピントリングが止まれば、一呼吸おいて通常のフレームに戻るので、正確なピント合わせを行うことも可能です。ピントが合っているところを色で教えてくれるピーキング機能もあるので、使い勝手もかなり良いです。

 

顔認証機能と組み合わせることで、人物撮影でピントを外すことがほとんどありません。背景が大きくボケる42.5mm F1.2というレンズや望遠レンズで撮る際も、ピンボケを気にせず撮影することができます(顔認証AFの弱点もありますが、それについてはこちらで詳しく解説しています)。

 

カメラは小型化されるのにファインダーは大きくなるというのも電子ファインダーの特徴ですね。一眼レフではファインダーを大きくすると物理的にカメラ上部が大きくなりますが、ミラーレスだと小型化してもファインダーはフルサイズ一眼レフと同等の大きさで見ることができたりします。

 

あと、撮る時に露出が分かるので明るさで失敗しないのも1つのメリットです。

 

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全てのレンズで手ブレ補正が効く

ミラーレス一眼の多くはボディ内手ブレ補正を採用していますが、僕が使っているオリンパスのE-M1もボディ内手ブレ補正です。ボディ側で手ブレ補正ができると、全てのレンズで手ブレ補正が行えます。僕はキヤノンのアオリレンズもオリンパスのカメラで使っていますが、アオリレンズでも手ブレ補正がきくというのも特徴ですね。

 

また、レンズ式を採用しているキヤノンやニコンの場合、F1.4等の単焦点レンズでは手ブレ補正がないことも多いです。しかし、ボディ内手ブレ補正ならどんなレンズでも補正してくれるので、F1.4等の大口径単焦点レンズと手ブレ補正によりスローシャッターで対応することも可能になり(35mm判換算85mmでも、楽々1/15というシャッタースピードで撮れます)、結果的にフルサイズ一眼レフのカメラを使っている時よりもISO感度を落として撮影できるケースもあるので、不利な画質面も相殺されることが多いです。

 

フルサイズよりも高画質で撮れるケースも多い

フルサイズはマイクロフォーサーズに比べて約2段分の高感度性能の優位性がありますが、フルサイズとマイクロフォーサーズの被写界深度の差は2段なので、マイクロフォーサーズは常に2段分絞りを開けられます。つまり、フルサイズよりもISO感度を2段落として撮影できるので、フルサイズの優位性が相殺されるのです。その上、強力な手振れ補正によりフルサイズよりも高画質で撮れることが多々あります。

 

もちろん、三脚撮影や動いている被写体の動きを止めるような撮影の場合はフルサイズの方が優位になることが多いです。しかし、そのような撮影をしない僕にとっては、マイクロフォーサーズの方メリットは大きいです。

 

詳しくはこちらでも解説しているので、併せてご覧下さい。

 

 

ミラーレス一眼のデメリット

さて、ミラーレス一眼に変えて僕は全く後悔したことはないのですが、デメリットももちろんあります。詳しくはこちらの記事でも書いていますが、

 

 

要約すると、

 

①動体撮影は最上位機種とプロレンズを使わないとまともに撮れない可能性大。

 

②オリンパス、パナソニックのカメラは小型軽量だけど背景が若干ボケないフルサイズでF2.4以下の設定で撮りたい人はオリンパス、パナソニックのカメラはオススメできません。F2.4ぐらいでも大丈夫なら単焦点レンズで対応可。ただ、オリンパスやパナソニックのミラーレス一眼で背景がボケるレンズを揃えようとすると高価になるので、一般の方は手が出しづらいです。ソニーや富士フイルムのミラーレスにすると、カメラも小型化して背景がボケるレンズを安価に手にいれることができますが、個人的にトータルバランスではオリンパスのE-M1がベスト)。

 

③電子ファインダーに慣れるのに時間がかかるかも?僕は電子ファインダーが苦手でしたが、E-M1の電子ファインダーはすぐ慣れました)。

 

④電池の保ちが悪いE-M1でも実用的ではあります。2〜5時間で1000枚前後の撮影でもまだ半分ぐらい残りますが、確かに一眼レフに比べると保ちが悪いです。とくに寒い時は)。

 

 

という特徴もありますね。個人的にはどのデメリットもクリアしているので、僕の用途では問題ありません。フルサイズを使っていた頃も、50mm F1.4のレンズをF2.4ぐらいに設定して使っていたので、感覚的にも撮れる写真はほとんど変わりません。

 

むしろ、小型化されて撮影時のモチベーションが低下することがなくなったので、良い写真を撮れる枚数は増えました。

 

また、可動式のモニターは使ったことがない人にとっては必要性を感じないかもしれませんが(僕もそうでした)、一度使うとモニターが可動式でないカメラは使えないです。

 

例えば、腰ぐらいの高さから撮る時も、モニターを上に向けてお腹の前で撮ることができます。これは、人物撮影を撮る時も便利です(撮り手がファインダーを覗かずにお辞儀しながら撮影するだけで、撮られる方は不思議と緊張感が解けます) 。また、そのような撮り方だと脇を締めてしっかりカメラを固定できるので、ソローシャッターでも手ブレしにくくなります。もちろん、ローアングルもハイアングルもかなり楽に行えるのでありがたいですね。

 

以上、今回はミラーレス一眼のメリットとデメリットをご紹介してみました。もしかしたら他にもあるかもしれませんので、思いついたらまた追記していきますね。