マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

カメラ選びで失敗する「一眼」という言葉の落とし穴




カメラはどれがオススメですか?

 

という初心者の質問に対して、

 

キヤノンかニコンにしておけば大丈夫みたいだよ

 

という初心者のアドバイスをされることが時々ありますが、このアドバイスは大丈夫どころか失敗する可能性を高めます。

 

その理由は、一眼レフとミラーレス一眼でオススメするカメラが全く違ってくるからです。一眼レフなら確かにキヤノンとニコンで問題ないのですが、ミラーレス一眼になるとキヤノンとニコンはあまりオススメできません。

 

一眼レフとミラーレスの違い 

一眼レフはフィルム時代からずっと続いているカメラです。こんな感じですね。

 

f:id:photographerti:20151001121118j:image
※引用元:http://cweb.canon.jp/eos/lineup/5dmk3/index.html

 

プロが使っているカメラは大抵こんな感じのカメラです。もちろん、アマチュアの方でも多くの方が使われています。一方、ミラーレス一眼はもっと小型です。

 

f:id:photographerti:20151001120047j:image

 

写真のカメラは高級コンパクトカメラですが、このような形、大きさでレンズ交換ができるようなカメラがミラーレス一眼ですね。スマホと比較しても、スマホより一回り小さなものも多いです。ただ、ミラーレス一眼でも一眼レフスタイルのものもあります。

 

f:id:photographerti:20151001122013j:image
※引用元:製品外観 E-M1 | OM-D | オリンパス

 

これは僕がプライベートでも仕事でも使っているカメラです。オリンパスの中でも最上位機種ですが、一眼レフに比べてかなり小型軽量なので、機材を軽くしたい人にとってはありがたいカメラですね。 

 

大きい順で言えば、

 

①一眼レフ(プロフェッショナルモデル約1300~1500g

 

②一眼レフ(ハイアマチュアモデル約750g~1000g

 

③一眼レフ(エントリーモデル)&ミラーレス一眼(一眼レフスタイル約400~600g

 

④ミラーレス一眼(コンパクトスタイル約200g~400g

 

こんな感じです。一眼レフスタイルのミラーレス一眼は、一番安価のエントリーモデルの一眼レフと同じぐらい小型軽量で、それでいて安価な一眼レフよりも性能も高く様々な機能があったりします。

 

大きさ以外の違いは?

さて、一眼レフとミラーレス一眼はまず大きさと重さが違うことがイメージできたと思います。では、それ以外の違いはなんなのか?

 

一番の違いは、カメラ内にミラーを持っているかどうかによる、動体撮影の得意不得意です。詳しい技術的な話は今回は避けますが、一眼レフはカメラ内にミラーや鏡の箱があります。一方、ミラーレス一眼はその名の通りミラーがありません。ミラーが一切ないので、カメラを大幅に小型化することができました。

 

しかし、ミラーを無くすことで動体撮影が苦手というデメリットがあります。上位機種のミラーレス一眼なら動体撮影も問題なく行えるものもありますが、全体的に見るとまだ動体撮影は苦手なカメラは多いです。

 

詳しくはこちらでも解説しています。併せてご覧ください。

pentax-pro.hatenadiary.jp

 

 

ただ、画質は一眼レフと同等なものがほとんどです(中には一眼レフに劣るものもあります)。 

 

 なので、カメラ選びを行う前は、

 

● 動体撮影を行うかどうか?

 

● カメラの大きさ重さは大きくてもいいのか?なるべく小型軽量がいいのか?

 

● 画質は一眼レフと同等を求めるのか?

 

という風に、カメラに求めるものを明確にしていく必要があります。

 

キヤノン、ニコンだから安心というわけではない

ここまでご説明してやっと、キヤノンとニコンのミラーレス一眼がオススメでない理由を書くことができます。

 

ミラーレス一眼は、ミラーが無くなったことで小型軽量になりましたが、動体撮影が不得意になってしまいました。キヤノンも例外ではなく、最新のM5になってだいぶ性能が上がったものの、動体撮影用にオススメできるかは難しいところです。

 

一方、ニコンのミラーレス一眼ですが、実はニコンのミラーレスは動体撮影を売りにしています。なので動く被写体に対しては問題なく撮れるのですが、残念ながらミラーレス一眼の中でも画質が一眼とコンパクトカメラの間です。動体撮影性能を優先させたが故に、画質が少し犠牲になっていて、さらに背景がボケにくいという特徴があります。

 

同じ一眼でも中身は別物

一眼という名前がついているから大丈夫だろう、と思って買ってしまうと自分がイメージしていた写真が撮れなくてガッカリ...。なんてことになりかねません。

 

また、下の画像のようなネオ一眼というカメラがあります。

 

f:id:photographerti:20151001152410p:plain

※引用元:http://kakaku.com/item/K0000693653/

 

これは一眼レフスタイルのコンパクトカメラです。 一般の方からすると一眼レフのようなカメラですが、一眼レフでもミラーレス一眼でもありません。

 

レンズ交換はできない上に、画質もコンパクトカメラの中では少し良い方というぐらいです。ただ、一眼レフで実現しようと思うとめちゃくちゃ重くて100万円ぐらいかかってしまう望遠レンズを、このコンパクトなカメラ1台で実現できるというメリットもあります。

 

動く被写体の撮影には向いておらず、高画質にもあまり期待はできませんが、手軽に望遠レンズを楽しみたいという場合はオススメできるカメラですね。

 

 

 

このように、一眼という名前だけで安心していると、知らないうちに一眼ではないコンパクトカメラを買っていたというケースになる可能性もあります。

 

どのカメラがどんなカメラなのかが分からない場合は、徹底的に調べるか、詳しい人に聞くのが一番ですね。決して、浅い知識で購入をしないようご注意ください。