マイクロフォーサーズの手引き

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DxoMarkの見方・読み方《2017.11.30_更新》




画像処理ソフトを作っているDxoMarkですが、Dxomarkでは各カメラのイメージセンサー(撮像素子)のテストを行い公開しています。よくデジカメinfoで各カメラのスコアが紹介されているので、ご存知の方も多いでしょうね。

 

しかし、テストされたデータの見方はよく分からないという方も多い為、今回はDxoMarkの見方・読み方をお伝えしたいと思います。

 

※Dxoのテストは、あくまでイメージセンサーの特性です。写真の画質は、レンズや現像ソフトなど様々な要因で決まります。また、発色などは数値に表せない部分もあります。その点だけはご注意ください。

 

DxoMarkのテスト結果で見るべき点

さて、デジカメinfoで紹介されているのは下記のようなスコアです。

 

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上が総合点、そして色の再現域、ダイナミックレンジ、Dxoで許容できる最高のISO感度とあります。もちろん、この得点が高いにこしたことはないのですが、実はこの総合点はあまり参考になりません。

 

その理由は、カラーとダイナミックレンジの場合は各感度の最高点が掲載されているからです。つまり、低いISOだけの得点なので、高感度ではどうなのかはこの総合点を見る限りでは分かりません。

 

Dxoで許容できる最高のISO感度も、一定の画質(ダイナミックレンジ9EV、色深度18bit)を保ちながらSN比30(数字が大きい程低ノイズで高画質と言われる)になる感度が採用されています。つまり、極論にはなりますが、Dxoで許容できる最高のISO感度が高くても、それよりも低感度では冴えない成績の場合もあれば、Dxoで許容できる最高のISO感度が低くても、それよりも高感度で画質の低下が少ない場合もあります。

 

このように、デジカメinfoで紹介されているスコアはベストな環境での得点であり、一部分だけの情報ということになります。その為、デジカメinfoだけのスコアではなく、DxoMarkのサイトまで行って各ISO感度毎に見ていかないとイメージセンサーの特性は分からないのです。

 

DxoMarkのサイトに行くと

では、DxoMarkのサイトに行ってみましょう。すると...

 

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はい、全て英語です(笑)

 

僕も英語はよく分からないので、最初は難儀しました。でも、幸いにカメラやメーカーなどの単語はすぐに分かるので、少し利用してみると簡単に扱えることがわかりました。

 

まず最初に、トップページの右上にあるCAMERAというボタンを押します。すると、こんな画面になります。

 

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さらに、画面右上にある【EXPLORE SENNSOR DATABASE】というボタンをクリックすると、

 

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各メーカー毎に機種を絞れる画面に移ります。その下にはコンパクトカメラや高級コンパクト、エントリーモデルやミドルクラスの一眼カメラなどで絞る項目もありますね。

 

メーカー名を選択しなければ下のように全てのカメラが表示されます。とりあえず、今回はキヤノンのメーカーを選択してみると、

 

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こんな風にある程度絞られますね。右側に5DSRが表示がされるのは、カーソルを丸のところに合わせたからです。カーソルを合わせると、そのカメラが表示されます。

 

上に、overall score(総合点)portrait(色再現域)、landscape(ダイナミックレンジ)、Sports(最高ISO感度)とありますが、各項目をクリックすればその項目でのスコア順にカメラが並んでいきます。

 

また、下の画像の赤丸の部分をクリックすると、カメラの表示方法を切り替えることができるのでお試しください。

 

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そして、表示されているカメラ又はカメラ名を押すと、そのカメラのスコアのページに移ります。

 

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このページでは、他者の競合機種などとの比較も用意してくれているので、まずはここを見てみてください。

 

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もちろん、比較するカメラは自由に選択できます。

 

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先ほどのこの画面を見ると、左下に[+]というアイコンがあります。これをクリックすると、比較するカメラリストとして選ばれます。続いて、比較したい別のカメラをまた選びます。違うメーカーを選びたいなら、上の方のメーカー一覧で選択してください。

 

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※比較リストから削除したい時は、[−]を押すとリストから外れます。 

 

カメラを選んだら、上の方に選択したリストが表示されますので、表示されたリストの上にある「VIEW COMPARISON」というボタンをクリックすることで比較ページに移動することができます。

 

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比較ページに飛ぶと、こんな画面になりますね。今回は、5DMarkⅢとD810で比較してみます。

 

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このページから各ISO感度毎の性能をチェックするには、左から三つ目のmeasurementsというボタンを押します。すると下のような画像になります。

 

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これがSN比。

 

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これがダイナミックレンジ。

 

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これが色再現域ですね。

 

 

このように見比べてみると、キヤノンは低感度でのダイナミックレンジと、カラーの再現域で少し劣りますが、高感度域では性能(SN比)にあまり差がないことが分かります。これは、デジカメinfoに紹介されているスコアを見ただけでは分からないことです。ただ、5D MarkⅣや80Dの世代からは低感度のダイナミックレンジも改善していますので、キヤノンは世代前後で性能が少し変わる為ご注意下さい。

 

このように、各ISO感度での数値を見るようにすると、各カメラのイメージセンサーの特性を確認することができます。

 

とは言え、最初にもお伝えしたように数値が高ければ画質が良いというものでもありません。レンズや現像ソフト等の他の影響も受けるので、やはり実写で見てみないと分からない部分があります。とくに発色などは実写で見てみないと分からないですね。

 

実験:α7ⅡでISO800以上で撮るならISO感度を2段落とせるE-M1のISO200の方が低ノイズ?という記事でも書いているように、フルサイズでもマイクロフォーサーズでも被写界深度を同じにするとマイクロフォーサーズの方がISO感度を落とせるので、画質の差が相殺されるケースも多いです。Dxomarkはあくまでイメージセンサーのポテンシャルを見る為のものであり、画質は総合的に判断するという視点だけは忘れないようにして下さい。