写真上達の本質を考えてみる

写真講師を続けてきたカメラマンの思考を記事にしていきます

カメラの画質が1番良いメーカーは...《2017.11.11_更新》


写真を撮る人にとって気になるのが、カメラの画質です。僕は普段、良い画質=良い写真ではないと言い続けていますが、どのカメラがどの程度の画質なのかを知らなくてもいいと言ってるわけではありません。

 

やはり、カメラの性能がどの程度なのかを理解する必要はあります。画質を含め、そのカメラの様々な性能を知ることは、自分に一番合っているカメラを選ぶ上で欠かせません。ただ、良い画質にすれば良い写真になるということではないので、そこだけは勘違いしてはいけないということです。

 

画質と一言で言っても…

ということで、今回は各メーカーによる画質の差を考えてみたいのですが、前提の話として、画質の良いカメラは決められないというのだけ覚えておいてください.。というのは、レンズや現像ソフトの影響も受ける上に、被写体や背景、光源などによって実際にテストしてみると結果がバラバラだからです。Aの環境、Bの環境、Cの環境と、それぞれで結果が異なります。

 

画質の定義も人それぞれ曖昧だったり、特定の環境でテストされた結果の数値だけでは画質を決めつけることはできず、数値と実際に肉眼で見た印象が変わることもあります。とくに発色の傾向は数値でのテスト結果では分からないこともあります。

 

あとは、光を画像に変えるイメージセンサー(撮像素子)自体のポテンシャルは高くても、シャッター速度による微ブレが起こりやすいカメラだったりするとその画質も活かしきれなかったり、一眼レフのようにピント精度にバラツキがあったり、手ぶれ補正の有無、手ぶれ補正の効果の差、ミラーショック等、様々な要素に左右されます。

 

また、センサーが大きなカメラはISO感度を上げた時のノイズ耐性、ディティールの保持の面でメリットがあるものの、レンズの性能を高くしようとするとどうしても大きく重く、そして高価になりやすいです。一方、センサーサイズが小さい一眼カメラは、レンズの性能が高くて小型軽量なことが多いです

 

また、フルサイズはマイクロフォーサーズに比べて凡そ2段分の高感度性能の優位性がありますが、マイクロフォーサーズは常に絞りを2段開けて撮ることができます。つまり、それだけISO感度も低くすることができ、フルサイズの優位性が相殺されるケースも多いです。その上、マイクロフォーサーズの方が手振れ補正が強力なので、マイクロフォーサーズの方が高画質なケースも多々あります。

 

 

もちろん、三脚撮影ができる環境や、動いている被写体の動きを止めるような撮影ではフルサイズの優位性が目立つかもしれませんが、マイクロフォーサーズでも同等以上の撮影ができるケースも多々あります。

 

以上のように、様々の要素がある為一概に断言できないのです。

 

センサーサイズの違うカメラをテストしてみると

僕がテストしたわけではありませんが、下記のリンク先のようにセンサーの大きさが異なるカメラを実写でテストされた結果、ただセンサーが大きければいいというものでもないという結論が出たそうです。

 

www.dmaniax.com

 

一眼カメラのセンサーサイズの種類は、今のところフルサイズ(大)、APS-C(中)、マイクロフォーサーズ(小)の3つです。大中小ありますが、僕はフルサイズからマイクロフォーサーズに変えました。 高感度のノイズ耐性では若干不利にはなりましたが、元々フルサイズではF4通しのレンズを常用していて、マイクロフォーサーズはF2.8のレンズが常用できるので、画質面で大きな差は感じていません。

 

むしろ、カメラとレンズを大幅に小型化することができたので重いカメラを持った時の疲労感から解放され、また操作性が抜群に良いカメラに変えたので、撮影のモチベーションを落とすことなく撮影できます。撮れる写真が悪い方へ変わってしまった感覚は無く、むしろフットワークが軽くなったので、感覚的に今までよりも良い写真が増えたと思います。

 

撮影中にモチベーションが落ちる要素があると、どうしても良い写真が撮りづらくなります。画質だけでなく、トータルバランスを考えて自分のスタイルに合ったカメラ選びをしたいですね。

 

以上を踏まえた上で

さて、ここからが本題です。

 

以上の話を前提としながらも、様々な要素を無視してイメージセンサーだけの性能の傾向を確認するにはDxoMarkというサイトの各カメラのテストは参考になると思います(RAWデータでの画質のテストであり、JPEGでのテストではありません)。

 

DxOMark by DxO - DxOMark

f:id:photographerti:Dxomarkの紹介

 

ただ、ここで一つ注意しなければいけないのは、総合スコアと各ISO感度毎のスコアがありますが、総合スコアはあまり参考にはなりません。

 

f:id:photographerti:キヤノン5DMarkⅡとニコンD810の比較

 

こちらは、、よく話題になるキヤノンの5DMarkⅢとニコンのD810です。この2機種をDxoMarkのサイトで見比べてみると、総合点ではニコンの方がいいです。しかし、キヤノンが負けているのは、色再現とダイナミックレンジです。色再現は確かにどの感度でも半段劣っているようですが、この程度の差なら実写では分からないレベルだと思います。

 

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そして、総合点で大きく差をつけられているダイナミックレンジを見てみてると...

 

f:id:photographerti:キヤノン5DMarkⅡとニコンD810のダイナミックレンジの比較

 

低感度では差をつけられているもののISO800ぐらいからはほぼ肩を並べます。つまり、ISO800以降はほとんど差はないということです。

 

色再現とダイナミックレンジ(表現できる明暗比)に関しては全てのISO感度でテストした最大の性能になります。なので、低感度での性能比較になります。ISO感度の最大許容値も、ある程度のダイナミックレンジと色再現性を保ちながら SN比30dB(SN比が高い程ノイズが少なく高画質と言われる)になる感度です。

 

つまり、ISO感度がもっと高くなった高感度では傾向が変わる可能性があるので、総合点だけではなんとも判断ができません。これが、総合点はあまり参考にならない理由です。

 

キヤノンの5DMarkⅢとニコンのD810の場合は、低感度で使うならダイナミックレンジの広いニコンが良いかと思いますが、もし高感度領域を多用するのであればキヤノンもニコンも差はないという判断できますね。

 

※キヤノン 5D MarkⅣからはダイナミックレンジも大幅に改善されてきたので、これで他のメーカーとほぼ同じぐらい肩を並べたということになります。

 

 

さて、ここまでDxoMarkのテスト結果について簡単に解説しましたが、DxoMarkではどのカメラが一番高得点なのか?

 

傾向で言うと、ソニーとニコンが一番です。実は、DxoMarkではキヤノンの得点は伸び悩んでいます。その理由は、色再現とダイナミックレンジです。ISO感度の最大許容値を見ているとあまり差はないのですが、 色再現はニコンとソニーに比べ少し劣り、ダイナミックレンジに関しては、先ほどご覧頂いたように低感度でダイナミックレンジが低いです(EOS 80D、5D4の世代からはダイナミックレンジも改善されてきています。それより古いカメラの低感度でのダイナミックレンジは低いので、ISO100等の低感度を多用される方は要注意です)

 

その為、総合点ではニコンとソニーに大きく離されています。とは言え、高感度領域ではその差はほとんど無くなってくる傾向にあるので、高感度を多用される方にとってはあまり変わらないですね。

 

ちなみに、DxoMarkのサイト自体は英語です。英語はよく分からない!方は、こちらの記事で利用の仕方を解説していますので参考にしてください。

 

pentax-pro.hatenadiary.jp

 

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