ここ半年を振り返ってみると、キヤノンユーザーからオリンパスユーザーに変わったことになります。詳しくは、キヤノンからペンタックスに。ペンタックスからオリンパスにという流れですね。
まず最初にキヤノンからペンタックスに変えた理由は、機材が重くて嫌だったからです。仕事で撮るとは言え、僕の場合は歩き回ったり走り回って撮ることもあるので、機材が軽くならないかと悩んだ結果元々好きだったペンタックスを買ってみました。
ペンタックスはAPS-Cなので、けっこう機材を軽量化でき喜んでいたのですが、大きな誤算がありました。それは、K-3になって仕事でも使えるAF精度だと思っていたのに、単焦点レンズで絞り開放付近ではピント精度の安定感がないことでした。
キヤノンならプロ専門のメンテナンスに出してかなり高いAF精度にすることができるけど、重たい。ペンタックスなら軽い機材になるけどAF精度が悪い。そんな壁を目の前にして、解決策はないだろうかと思って頭に浮かんだのがオリンパスのE-M1でした。
E-M1はミラーレス一眼なので通常はコントラストAFなのですが、E-M1のAFは精度も高いと評判が良いのは知っていました(コントラストAFは理論上の精度はほぼ100%)。プロ目線でのオリンパスE-PM2のピント精度の低さに残念な思いをさせられたことがありますが、そこはフラグシップであることに期待をし。
また、ミラーレス一眼は動体撮影が苦手で、E-M1も例外ではなく仕事では実用性はないと様々な方から聞いていたのですが、、新しいファームウェアにより苦手な動体撮影も実用的になったというではありませんか。AF精度も噂通りで動体撮影も実用的なら...
そんな経緯で最初は半信半疑での購入でしたが、蓋を開けてみればそのAF精度に驚くことになります。
もうお見事というしかありません。AFを外していたら、自分の腕が悪いと98%言い切れるぐらいにAF精度が高いのです。これには驚きました。背景を大きくボカす時でも、安心して撮影することができます。
また、動体撮影も噂通り実用的でした。E-M1に14-150mmを使った時でさえ、ペンタックスの一眼レフ(K-3 + DA18-135mmの組み合わせ)よりも明らかに実用的で、一昔前のキヤノンの動体撮影向けのカメラ(7D + EF-S15-85mm)よりもよく追従してくれる印象です。
重さもAFも解決!では画質は?
これでカメラの重さとAF精度に悩むことがなくなりました。しかし問題は画質です。オリンパスのミラーレス一眼は、マイクロフォーサーズ規格を採用していて、キヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックスの一眼レフに比べて画質が劣ると言われています。
こればかりは自分で体感してみるしかないと思っていたので、実際に撮ってみてよく観察してみたのですが、その結果にまた驚きました。それまで、フルサイズの5D MarkⅡを使っていましたが、感覚的に大きく変わらない画質だったんです。実際に比較した下記の画像をご覧ください。
この画像は、E-M1と5D MarkⅡのISO5000を比較しています。同じ環境での比較ではないとは言え、どちらがどのカメラか分かる人は少ないのではないでしょうか?正直、僕がこのクイズを出されたら当てられる自信がありません。
もちろん、5D MarkⅣやソニーのα7系と比較すればその差は一目瞭然だと思います。しかし、少し古いフルサイズと同じ画質と言われればイメージしやすいと思いますが、通常の鑑賞距離ではほとんど問題ありません。最近は撮影画像を拡大されて、微妙な画質の差が云々と言われることがありますが、鑑賞距離で見る場合は大きな差はなかったりします。そもそも良い画質=良い写真ではありません。元々そんな考え方なので、これなら実用的じゃないかという結果になったのです。
また、フルサイズはマイクロフォーサーズに比べてカメラ単体で2段分の高感度性能の優位性がありますが、マイクロフォーサーズはフルサイズに比べて常に2段分絞りを開けられます。つまり、ISO感度を2段分常に低くできるんです。その上、手振れ補正が強力なのでマイクロフォーサーズの方が高画質になることも多々あります。
常に低感度で撮影できる。又はシャッター速度を落とせない「被写体の動きを止める」ような撮影ではフルサイズの優位性が目立ってくることが多いかもしれませんが、用途によってはマイクロフォーサーズでも同等以上の写真が撮れることもあります。詳しくは下記で詳しく解説していますので、併せてご覧になってみて下さい。
メインカメラに決定
個人的には、機材は軽くないとダメ。それでいて、プロのカメラマンとしての撮影の仕事に使えるレベルでないとダメ。この条件を満たしてくれるのがオリンパスのE-M1でした。
しかも、強力な手振れ補正のおかげで低速でのシャッター速度でも手ブレせずに撮影することができ、6つのボタンとレバーを自分好みにカスタマイズできるので非常に使いやすい(詳しくはこちら)。オリンパスのレンズは小型軽量なのに写りはとても良い。とくに14-150mmは防塵防滴で小型軽量、AF速度は速く、写りもそこそこ実用的ととてもありがたいレンズです。
キヤノン、ペンタックスから変えて良かった点をまとめると、
①機材がとても軽くなった。
②AF精度に悩むことがほぼ無くなった。
③強力な手振れ補正のおかげでシャッター速度を落とせる=不利な画質面を相殺。
④カスタマイズできるボタンとレバーのおかげで、格段に使いやすくなった。
⑤防塵防滴なシステムが手軽に手に入る。
ここまでオリンパスのE-M1を褒めちぎってきましたが(笑)、動体撮影を専門に撮られる方は、キヤノンやニコンをお勧めします。ですがそれ以外なら、僕はオリンパスのE-M1をお勧めしたいですね。とくに小型軽量の機材がいいという方にはお勧めです。
最後に、E-M1でISO16000で撮影した写真を載せておきます。ISO1600ではなく16000です。Photoshop CC のノイズリダクションが優秀なので、マイクロフォーサーズのISO16000でもこんな感じになりますよ。といってもブログの画像だとよく分からないかもしれませんが(^^;
※追記
E-M1 MarkⅡはAF性能が大幅に向上した為、動体撮影もかなり対応できるようになったようです。詳しくはこちらで紹介しているのでご覧になってみてください。